【試算表の作り方】3つの試算表の記入方法を分かりやすく解説します
3つの試算表の違いを理解することがポイントです
会社の経営にとって、試算表でのお金の管理は決して欠かすことのできない作業です。試算表には、お金を貸方と借方の合計や残高が一致する性質があるので、試算表の作り方が分かれば、お金の管理上のミスを早めの段階でチェックすることができます。とはいえ、試算表の記入方法って、分かりにくく思えますよね。
試算表の作り方を考えるにあたり、ポイントなるのは試算表が1種類だけではないという点です。実は3つの試算表があって、それぞれに記入方法が異なるのです。何か複雑に思えますが、一度慣れてしまうと簡単に記入できるようになります。ここでは、試算表の作り方について、分かりやすく解説したいと思います。
[目次] ■1)試算表って何なの? ■2)3つの試算表の記入方法 ■3)試算表でチェックするってどんな意味?
■1)試算表って何なの?
試算表は、会社の経営状態を定期的に確認するために作成する一覧表のことです。試算表を作成することで、計算上でミスがないかどうかをチェックすることができます。試算表では、貸方合計金額と借方合計金額が同じになるので、記載上の誤りをすぐに見つけることができます。
試算表には、勘定科目ごとに貸方合計金額と借方合計金額をまとめた合計試算表、勘定科目ごとに残高をまとめた残高一覧表、合計試算表と残高一覧表をまとめた合計残高試算表の3つの種類があります。
試算表を作成することで、仕訳帳に記載した金額を総勘定元帳へ転記する際に、誤りがないかどうかを把握することができます。貸方と借方の同じ金額になるので、どれだけ取引きの回数や量が多くなっても、集計した合計金額が必ず一致します。
試算表は勘定科目ごとにまとめますし、取引をした日時や金額などを、発生した理由ごとに整理ができるので、会社の経営状態や損益の状況を正確に把握することができます。試算表は3つの種類によって作成する方法が異なりますから、記入する方法についてご説明したいと思います。
■2)3つの試算表の記入方法
試算表には、合計試算表、残高試算表、合計残高試算表という3つの種類がありますが、それぞれに試算表の目的と記入方法が異なっています。
1)合計試算表
合計試算表とは、総勘定元帳に基づいて、借方の合計金額と貸方の合計金額をまとめて記載された一覧表のことです。合計試算表における借方合計金額と貸方合計金額の合計は、会社の経営における一会計期間の取引の合計した総額を表わしています。
合計試算表を作成することで、決算をする際に転記が正しく行なわれているかどうかを確認することができます。合計試算表の作成方法は、まず総勘定元帳の各勘定科目における貸方と借方の合計金額を計算します。その後、各勘定科目の合計金額を、総勘定元帳の番号順に記載します。
2)残高試算表
残高試算表とは、各勘定科目ごとの残高をまとめて作成する一覧表のことです。残高試算表における借方合計金額と貸方合計金額の合計は、一会計期間の取引の残高総額を表わしています。残高試算表を作成することで、会社の損益状態や経営状況をチェックすることができます。
残高試算表の作成方法は、まず総勘定元帳における各勘定科目の、借方と貸方の合計金額を計算します。借方の合計金額と貸方の合計金額を比べて、大きい金額から小さい金額を引いた残高を、勘定科目の番号順に記載します。残高試算表は、現金、当座預金、売掛金を番号順に残高金額を記載していきます。
3)合計残高試算表
合計残高試算表とは、合計試算表と残高試算表をまとめて作られた一覧表のことです。合計試算表では取引の合計した金額の総額を把握できますし、残高試算表は会社の損益状態を把握することができます。
■3)試算表でチェックするってどんな意味?
試算表においてチェックするとは、どういう意味なのでしょうか。試算表でチェックするとは、貸借の合計金額に関して記入ミスをしていないかを確認するという意味です。仕訳をする際に、総勘定元帳の各勘定科目に記載される取引内容が正確かどうかをチェックすることができるのです。
会計帳簿が間違いなく記載することができれば、試算表を記載する作業は必要ありませんが、会社の取引は金額や量も大きく、どうしてもミスが出てしまいます。そのため試算表を作成することで、どこでミスが生じたのかを確かめることができるのです。
会社の会計時期が終わる決済の時期に、試算表でチェックすることになります。試算表を作成して金額に誤差が無ければ、会計期間中の記載が正確だったことを知ることができます。決算時意外にもチェックを行なえば、決済の前の時期に前もって問題を把握することができるのです。
■試算表の作り方のまとめ
試算表は一日単位で記載することもできますし、一週間単位や一ヶ月単位で記載することもできます。試算表は必ず作成しなければならないというものではありませんが、作成することで定期的にチェックができるので、決算の時に慌てなくて済むのです。ですから、一年分をまとめて作成するのではなく、毎月のように作成することで、それぞれの期間ごとに正しく管理されていることを確認できるのです。