在庫管理を正確に効率的に行うための4つの方法
在庫管理を行う目的
そもそも在庫管理を行う目的はなんでしょうか?ズバリ在庫管理の目的は、「売上に対する原価の把握 → 粗利(又は売上に対する粗利の率)の把握」です。
経済環境の変化の激しい現代においては、円安による原材料の高騰・天候不順、伝染病等のよる原材料の高騰などが頻繁に発生し、粗利をいかに確保するかがビジネスを続けていくための大きなポイントです。
また、従業員の不正防止(転売、商品の横流しなど)も重要なポイントで、会社の規律が守られるような環境作りも大事なポイントです。
しかし、多くの種類の商品・材料を取り扱っている会社では、在庫数量の確認をするだけでも大変な作業です。この作業をいかに正確に効率的にするかも、ビジネスを行う上での大事なノウハウとなります。今回は在庫管理について、効率的に行う方法を見ていきましょう。
1)頻繁に仕入れる(仕入サイクルが短い)ものの在庫管理
1.直近1ヶ月の仕入先の請求書(または納品書)から商品・材料の一覧表を作成し、数量を記入する欄を設ける 2.数量を実際に数え、一覧表に数量を記入する 頻繁に仕入れる(仕入サイクルが短い)ものについては以上の方法を取ります。実際に仕入を行ったことがわかる資料(請求書等)をベースに表を作成すれば、漏れがなくなります。
2)頻繁に仕入れない(仕入サイクルが長い)ものの在庫管理
頻繁に仕入れない(仕入サイクルが長い)ものについても同様の管理方法でOKです。また、仕入サイクルが長いものは、以下のようなルールを設けることも大事です。
- 2~数年にわたって残る在庫は処分する(数量確認の手間を減らす)
- 頻繁に仕入れるものと棚を分けて数量を数えやすくする
3)予想在庫数・金額、予想利益率との比較
売上が確定している場合には粗利の予想を行うことができます。ただ、ここで予想した粗利が少なすぎる(又は売上に対する粗利の率が低すぎる)場合は、数量の数え間違いや大量の紛失・盗難が発生した可能性があります。 上記の原因に該当せず、かつ、粗利又は粗利の率が低い場合は、仕入金額の上昇が根本的な問題となります。よって、仕入金額を抑えるよう仕入先と交渉をする、原材料の高騰を売値に反映させるなど、経営戦略の見直しが必要となります。
4)在庫管理の手間を減らす裏技
上記で在庫管理の方法を紹介しましたが、在庫管理の手間を圧倒的に減らす方法としては、「在庫管理システム」の導入があげられるでしょう。例えば、各商品にバーコード入りのタグをつけ、仕入と販売をした際にバーコードリーダーで読み取りを行えば、いつどれだけ仕入れたか、いつどれだけ販売されたかが正確にわかります。
在庫管理がしやすくなる在庫管理システムの導入ですが、一番のメリットは売れ筋商品の把握や分析が可能になることです。会員制のポイントカードと連動すれば、性別、年齢、地域なども含めた売上分析を行うことができます。
まとめ
以上をまとめると、
- 請求書から仕入商品の一覧表を作成する
- 在庫数量を数える
- 長期在庫は処分をするか、通常の棚とは別の棚に収納する
- 在庫管理システムを導入する
この4点が在庫管理を効率的に行うためのポイントとなります。
最後にもう一つ。在庫を減らすことがビジネスを行う上で大事なポイントであるという意見が数多く出回っています。確かに、不必要な商品・材料を減らすのは大事なことですが、現代社会のビジネスにおいて最も重要なファクターの一つは「スピード」です。
在庫を減らしすぎたがために、顧客に商品を提供するスピードが遅くなってしまうのは本末転倒です。劣化しないものについては多少の在庫は必要でしょう。在庫管理は何気に奥が深い分野であり、より深く勉強したい方は管理会計という分野も勉強することをお勧めします。