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2016年10月18日(火)

一人社長が知っておくべき“資金繰り”の秘訣

経営ハッカー編集部
一人社長が知っておくべき“資金繰り”の秘訣

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会社を一人で経営していく「一人社長」にとって、経営についての不安要素はたくさんあると思いますが、その中でも“お金の資金繰り”についての知識をしっかりと頭の中に入れておくことで、いずれは陥る経営危機に対して万全な準備をしておくことができます。

会社を経営していく中で大切となる経営資源は「ヒト・モノ・カネ」と言われていますが、その中でも「カネ」の知識に重点を置いて学んでおくことであなたの会社を守ることができるようになります。それでは、“おカネの資金繰り”についてご説明しましょう。

黒字経営でも“資金繰り”ができていないと危ない!?

 「勘定あって、銭足らず」という言葉をご存知でしょうか?!これは帳簿上の収支の計算が合っていて黒字で儲かっているように見えても、手元にある実際の現金を数えてみると足りないことから派生した言葉であります。黒字経営であっても倒産したりする会社に当てはまる言葉です。

 具体的に説明しますと、会計上の収益や費用は、「発生主義」という原則に従って認識されます。

  • 商品を販売した時→収益を認識する。
  • 現金が入金された時→収益を認識しない。

 例えば、200円で仕入れた商品を300円〔内訳 現金200円、売掛金100円〕で販売したとします。

 会計上の利益 300-200=100 100円の利益が得られたということになりますが、
 実際の現金  200(現金売上)-200(仕入代金)=0円と
 会計上の数字と実際の数字が合わないという差異が生じてしまいます。 一人社長や経営者にとって一番注意しておきたいのがここのポイントなのです。

 会社の会計上の数字だけをみていると、知らない間に従業員の給料が支払えなくなってしまったり、借入金の返済ができなくなってしまったりと、黒字であっても会社が経営できなくなってしまうのです。

効率よく実践できる“資金繰り”の具体例とは

 上記でも述べたように、たくさんの一人社長や経営者の方が資金繰りで頭を悩ませています。そこでそのような問題を解決するためにも、「資金繰り表」の作成をオススメします。

 一般的な株式会社であれば、会社の状態を知るために貸借対照表(=財政状態を知る)や損益計算書(=経営成績を知る)等の‘財務書表’を作成していると思いますが、それらに加えて「資金繰り表」なるものを作ってみましょう。これは、貸借対照表や損益計算書が外部にも公表するものに対して、資金繰り表は内部に対する経営管理に役立つことがメインの表です。

 資金繰り表には以下のような項目を順に記入していき、毎月(資金繰りが困難な場合には、毎日の方がよい。)集計していきます。

 収入項目 ・現金売上
      ・売掛金の回収
      ・手形入金
      ・雑収入        等

 支出項目 ・人件費
      ・支払利息
      ・買掛金支払
      ・固定資産購入支出   等

 集計が終わりましたら、分析します。経費の見直しや、支払い・回収サイトの見直し等、資金がショートしないように計画を立て直す必要があります。毎月一度「資金繰り表」を作成→集計→分析→計画の見直しをすることで“会社にお金を残す”第一歩に繋がります。

 また、手書きでも簡単な資金繰り表を作って実践してみることで、自分の会社の状態を把握することができますが、もっと効率化するためにExcelをつかった資金繰り表の作成をオススメしておきます。

 「Excel 資金繰り表」と調べれば、多くの資金繰り表のテンプレートがでてきますので、収入項目と支出項目を入力するだけで簡単に自社の資金繰り表を作成できます。Excelで作成することで、計算ミスを防げることや多くの資料の管理を可能にできるメリットがあります。

それでも“資金繰り”が苦しい場合の最終手段

・売掛金の回収サイトと買掛金の支払いサイトの変更交渉

 あまり容易な手段ではないですが、売掛金の回収期限をより早く、買掛金の支払期日をより遅くするように得意先や仕入先の方に交渉してみましょう。

取引条件を変えるということなので容易なことではありません。そのためにもあらかじめ得意先や仕入先と取引をはじめる際には、取引条件の重点項目として支払サイトや回収サイトが無理していないかを確認して取引をするようにしましょう。 

また、回収サイトを早め方法として「手形の割引をする。」、「ファクタリングを利用する」など得意先への交渉以外にもやり方はあります。

・国や地方公共団体が実施する助成金の活用

 返済の必要がない助成金や補助金の制度を最大限に活用していきましょう。助成金を借りる際には審査がありますが、この審査には上記でご紹介した「資金繰り表」などが役立ちます。

資金繰り表は、内部の経営を確認するためだけにあるものではなく、助成金をしてくれる団体に提示することで審査が通りやすくなる可能性が十分ありますので、そのような場合にも活用することができます。

まとめ

資金繰りが経営を安定化していくために重要なことはお分かりいただけましたでしょうか。資金繰りが重要なことを知るためにも、今回は会計上の数字と実際の現金の数字は違っているということも説明しました。「勘定あって、銭足らず」という言葉さえ覚えておいていただければ、全体的な構図も思い出すことができると思います。

 資金繰りの重要性を理解した後には、まず資金繰り表を簡単にでも作ってみましょう。自社の現金の流れを確認してみることで、今まで貸借対照表や損益計算書から見出すことができなかった会社の問題を発見できるかもしれません。

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