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2016年11月07日(月)

飲食店が開業時に融資を受ける意義

経営ハッカー編集部
飲食店が開業時に融資を受ける意義

■撮影用にレンタルしたスペースにて撮影を行っています。イメージです。

これから飲食店を開業される予定の方の中には、融資やお金を借りるということに対してネガティブな感情をお持ちの方も多いかと思います。

「事業が上手くいかず、借りたお金を返せなくなったらどうしよう…」 「何となく借金をするのは嫌だな」

今回はそんな方々のために、なぜ飲食店開業者が融資を受けた方がいいのかについて説明いたします。

◆借金と融資の違いについて

借金と融資の違いについてご存知でしょうか?どちらもお金を借りるという行為を指す言葉ですが、一般に借金というとネガティブなニュアンスがあるかと思います。両者について特に定義があるわけではないですが、ビジネス上は

  • 借金:金融機関などからお金を借りて、利息をつけて返済すること
  • 融資:金融機関などから借りたお金を事業で増やして利息を付けて返済すること

とわけて考えます。

飲食店を始めるためには、元手となるまとまったお金が必要になります。自分のお金だけでは元手が足りないときに、金融機関から融資を受けて事業をやるべきかどうかは、事業をやることで増えるお金が利息を上回るかどうかで判断することができます。

例えば、あなたの周りにAという商品を100万円で売って欲しいという人がいるとします。あなたは商品Aを80万円で仕入れることができる立場にありますが、手元に50万円しかありません。このとき30万円の融資を受けることができれば、商品Aを仕入れて売ることで、100万円の代金を受け取ることができ、融資額30万円と利息1万円を返済しても19万円の利益を得ることができます。逆に融資を受けないで不足の30万円が貯まるのを待っていては、100万円で売れるチャンスを逃してしまうことになります。

つまり、事業を成功させる自信があるならば、元手となる資金が全て貯まるのを待ってからでなく、ある程度の自己資金が貯まった段階で融資を受けて開業した方が有利であるということです。

◆飲食店の半分が開業後2年以内に閉店してしまう理由

開業した飲食店の50%は、開業2年以内に閉店してしまう」と言われていますが、閉店の一番の理由は資金ショートによるものです。企業は赤字になると潰れてしまうと考えている方がいますが、それは半分不正解で、赤字であっても存続し続ける企業は沢山あります。

企業やお店が倒産、閉店してしまうのは、赤字になったときではなく、家賃や仕入代金の支払、借入金の返済ができなくなったときです。逆を返すと、赤字であってもこれらの支払ができている限り倒産しません。

多くの飲食店が開業2年以内に閉店してしまう原因は、軌道に乗るまでの運転資金の見積もりが甘いためというのがほとんどです。日本政策金融公庫の飲食店開業者の統計データでも、お店が軌道に乗るまでは平均して6~10ヶ月かかることが見て取れます。開業するための初期投資の資金だけを考えて、運転資金のことを考慮していないと、せっかく手にしたお店を早々に手放すことになりますので注意が必要です。

開業時に融資で十分な資金調達をしておらず、お店が上手くいかなくなってから借りようとすることは”後ろ向きの融資”と呼ばれ、銀行は非常に嫌がります。銀行も返ってくる可能性の高い融資に関しては低い利率でも貸し出しますが、上手くいっていないお店は貸したお金が返って来る可能性が低いと考え、高い金利でしか借りられなかったりします。そうなると、せっかくお店が軌道に乗り始めても利息の返済だけで一向にゆとりが生まれず、いつまでたっても苦しい状況から抜け出せなくなってしまします。

◆借入可能額について

「借金まみれになってしまったらどうしよう」と不安になられる方がいますが、通常銀行側も返せなくなるくらいお金を貸すことはないのでそこまでの心配は無用です。よくテレビ等で、「◯億円の借金を負ってしまって…」と言う人が出てきますが、金融機関も審査の上、この人ならこれくらいの金額なら仮に事業が上手くいかなくなっても返済できるだろうと判断して貸しているのであって、通常は何億円も融資を受けようとしてもできるものではありません。

一般的には「飲食店開業予定者のキャリア」、「前職での給与水準」、「自己資金の金額」、「経営者としての資質」などを総合的に判断して借入可能額が決まるので、必要以上の借金を背負ってしまうといった心配は必要ないかと思います。

以上、融資に関連する飲食店開業予定者の悩みについて書いてみました。

少し前までは考えられなかったことですが、税理士のサポートがあることを条件に、創業者でも無担保・無保証で利率も1%台で融資が受けられる、日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金といった非常に条件のいい融資制度もありますので、融資を上手く活用することで飲食店開業を成功させていただきたいと思います。

当会計事務所は神奈川県川崎市・横浜市・首都圏を中心にスタートアップのサポートに特化し、代表の若手公認会計士税理士を筆頭にフットワークの軽さを活かしたサービスを特徴としております。
これから事業を始めようとする方、また事業をスタートさせて間もない方の多くが直面する、融資・資金繰りの悩み、会計・税務の正確かつ効率的な処理の悩みなど、日々幅広い相談対応を行っております。
中でも飲食店に対しては、一般社団法人フードアカウンティング協会に加盟しているため、集客対策の相談からチラシ・メニュー表などの販促ツールの作成まで、顧問先のお客様には無料でサポートさせていただいております。 融資可能性診断や開業相談など、どうぞお気軽にお問い合わせください。
【サービス内容】
創業融資サポート
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クラウド会計導入サポート
飲食店集客サポート
税務・会計サポート
【代表 柏野のご紹介】
柏野 晃平(かしの こうへい) 公認会計士 税理士
1988年生まれ
2009年 公認会計士二次試験合格
2011年 東京大学経済学部卒業
2014年 プロボクサーデビュー戦 2R KO勝利
(東大卒公認会計士税理士プロボクサーとして多数のテレビ・新聞・雑誌などメディア取材をいただきました)
2015年 公認会計士税理士事務所アクセル開業

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