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2017年08月08日(火)

クラウド申告freeeで税務申告業務は新しい形になる。 〜記念すべきfreeeでの法人税電子申告第1号目の会計事務所に聞く~

経営ハッカー編集部
クラウド申告freeeで税務申告業務は新しい形になる。 〜記念すべきfreeeでの法人税電子申告第1号目の会計事務所に聞く~

税理士法人ほはば 代表税理士 木村健太様(右) 会計コンサルタント 南部精佑様(左)

freeeの認定アドバイザーである税理士法人ほはば様は、東京・大阪・福岡と3拠点で活動されている会計事務所です。普段からクラウドツールを積極的に活用し、税務申告業務のみならず、中小企業のバックオフィス業務の効率化支援も同時に行われています。

freeeでは会計事務所の税務申告業務を効率化させるべく、クラウド申告freeeを新たにリリースいたしました。(関連記事:freee が法人税申告に必要な書類作成機能を正式リリース。日本初、会計から申告業務までクラウドで一気通貫。「クラウド申告freee」を本格稼働へ

今回、税理士法人ほはば様がそのクラウド申告freeeでの法人税電子申告、記念すべき第一号目となりましたので、その背景・今後への想い等をお伺いしました。

クラウド申告freeeを利用した法人税の電子申告第一号目となりました。おめでとうございます! ご感想はいかがでしょうか。

南部様:実はクラウド申告freeeをリリースするというプレスリリースを拝見してから、これは絶対に今後の税務申告ソフトのスタンダードになる!と熱い想いを抱き、第一号を虎視眈々と狙っていました(笑)。

正直なところ、会計ソフトとしてfreeeを見たときに、魅力的だとは思いますが、会計事務所目線ではfreeeを利用する積極的な理由はまだないな、と感じていました。

そんな時期に、freeeが税務申告ソフトに新規参入するというプレスリリースを拝見し、これは!と思ったことを今も鮮明に覚えています。

会計ソフトと税務ソフトがクラウド上で一気通貫になる、これは会計事務所業界にとってとてつもないインパクトだと感じ、絶対に一番最初に利用しようと考えていました。

※南部様

 

責任が重い業務の中で会計事務所に重くのしかかる税務申告

木村様:同業の会計事務所の方には頷いていただけるかと思うのですが、会計事務所にとっての税務申告業務は絶対に間違うことができない業務である一方、非常に複雑な申告書類を大量に作成する必要があります。

そのため普段から全神経を研ぎ澄ませ、事務所全体で大きな工数をかけて業務にあたっています。 ※木村様

 

ボトルネックになるのが、①申告書への入力作業、②レビュー業務、の2点。通常は、ここに大きな工数がかかっています。

1点目については、法人税では大量の別表と呼ばれる書類を作成する必要があり、それらに手作業で入力します。 これが1法人だけであれば大した手間ではないのですが、会計事務所ですので何百法人と同じ申告書類に手入力で数字を入れていかねばなりません。

一方、これら手入力する情報は期中の会計処理、期末の会計上の残高で転記できるものがほとんどです。つまり既に情報があるにも関わらず、ソフトが分断されているという都合上、再度転記していることになります。

freeeでは、会計freeeにしっかりと入力さえしておけば、申告freeeにほぼ自動で数字が入ってくるので、こういった転記を可能な限り排除してくれます。当たり前の話ではあるのですが、事務所全体として見たときに大きな効率化に貢献してくれると感じています。

2点目はレビュー業務です。弊法人では担当者が作成した申告書を、上長がレビューするという方式なのですが……

①申告ソフトに入力する ②PDFでいったん出力する ③出力したPDFを紙で打ち出して赤ペンをつける ④複合機でスキャンしてPDFにする ⑤スキャンしたPDFを再度担当者に送る ⑥全ての指摘事項が修正されるまでこのサイクルが続く…

という業務フローになっています。

複数人で作業する関係上、紙とPDFをいったりきたりしていました。

申告freeeでは、こういったレビュー業務が全てクラウド上で完結します。そのため、紙とPDFを行き来するといった無駄なコミュニケーションコストを減らすことができます。

税務ソフトがクラウドである必要性の是非はあると思うのですが、こういった背景もあり我々は税務ソフトのクラウド化は非常に魅力的だと感じています。

今後は先日のニュースでもあった通り、法人税の電子申告義務化も控えており、よりクラウドの必要性は増してくると思います。

クラウド申告freeeへの期待と今後の展望

木村様:我々会計事務所は、税務ソフトには品質面で非常に高い完成度を求めます。これは税務申告という絶対に間違えられない業務であるがゆえ、仕方がない部分です。

そのため、今までこの税務ソフト市場には新規参入者はほとんど現れておらず、イノベーションは全くといっていいほど、起きていませんでした。

そういった背景がありながら、非常に難易度の高い市場に新規参入したfreeeさんには私は純粋に敬意を評します。品質維持・税制改正への対応等、今後の開発は茨の道となるとは思いますが、我々会計事務所の生産性を高めるツールになると信じて大きな期待を寄せています。

南部様:我々会計事務所は、今まで「税務申告」という作業に一番時間を使ってきました。税務申告は会計事務所にとっての基幹業務であることに変わりはないため、それ自体は間違っていなかったと思います。

一方、クライアント企業にとって申告書はきちんとできて当たり前のもので、彼らにとっての付加価値ではありません。工数を割いているのに悲しい話ですが、これは事実だと思います。だからこそ品質は維持した上で税務申告業務を効率化させ、クライアントが求める付加価値提供にこだわっていきたいと強く感じています。

会計事務所の付加価値提供と言われ始めて久しいですが、まだ業界として根付いていないということは、もっとも工数が割かれている税務業務を効率化させないことには始まりません。これからも新しいツールを積極的に活用し、「最先端の会計事務所だね」と言われるよう、走り続けたいと思います。

我々は税務のプロであり、それと同時に経営パートナーでもあると自負しています。クライアントと同じ”ほはば(歩幅)”で歩む会計事務所として、引き続き切磋琢磨し頑張っていきたいと考えています。

<取材協力> 税理士法人ほはば

クラウド会計ソフト freee 認定アドバイザー

【会計事務所向け】freee 認定アドバイザープログラム説明会(無料)

「クラウド申告freee」についてのお問い合わせ先 「advisor@freee.co.jp」

e-book_cover_法人税申告

目次

  1. 法人にも確定申告って必要なの?
  2. 法人税とは
  3. 法人の確定申告の全体的な流れ
  4. まずは法人決算書と勘定科目内訳明細書
  5. 法人税の申告書類の作り方
  6. 作成した申告書を提出して納税する
  7. 最後に
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