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2018年02月15日(木)

どこがすごい?freee×kintoneのニュースリリース、解説します

経営ハッカー編集部
どこがすごい?freee×kintoneのニュースリリース、解説します

このごろ首都圏では大雪(あくまで東京人からみた大雪)で交通機関が乱れて通勤に支障が生じたり、インフルエンザの流行で子持ちの社員が出勤できなくなってしまったりといった問題を見聞きします。そういった出勤事情に直面して、在宅勤務やリモートワークに興味を持ち始める方も少なくないのではないでしょうか?

この記事では、そんなシチュエーションを少しだけ変えてくれる、そんなニュースリリースをご紹介します。

2018年2月13日に、freeeとサイボウズの協業に関するニュースリリースが発行されました。 クラウド会計ソフトであるfreeeと、同じくサイボウズのクラウドサービスのkintoneの連携、この発表によって、いったいどんな事が起こるかご紹介いたします。

freee がサイボウズと提携、「kintone」とプロダクト連携。スモールビジネスのバックオフィス業務をシームレスにクラウド完結へ

はじめに:freeeとkintoneについて

freeeは経理・人事労務業務に特化したクラウド業務ソフトです。この「経営ハッカー」を読まれている方は、freeeについてはある程度ご存知かと思います。今回のニュースリリースの中心となるのは、そのなかでも会計業務に特化した「クラウド会計ソフトfreee」で、中小企業の経理・会計作業の効率化や個人事業主向の確定申告から日々の経理の効率化に貢献しているツールです。

いっぽうのkintoneは、サイボウズ株式会社が提供する業務システムを自由に・簡単に作れるクラウドサービスです。データベースにデータの回覧(ワークフロー)や分析といった業務を組み合わせたアプリケーションを作れます。もっともアプリケーションといっても、利用者がプログラミングの知識なしに自由に作れるようになっています。会計業務のような処理を行うことはfreeeほど得意ではないものの、顧客管理、売上データの管理、経費精算の承認など、工夫次第であらゆる業務に適用することができるんです。

基幹系と情報系、異なる特性を持つ2システム

さて、freeeは基幹系とよばれる会計システムです。ビジネスの根幹を支え、止まってはいけないもので、データの正確さ・整合性が大事です。基幹系システムに登録すべき情報は、企業活動の「最終結果」であり、金額とすべての勘定科目等を抜け漏れなく確定したうえで、入力する必要があります。

freeeに登録される売り上げ情報のイメージ



例えばこちらの画面では、25万円の収入(売上高)を計上しようとしています。ただ、売上高を確定させるまでには、この売上高入力画面にあらわれない様々な手続きが登録しますよね。

理想は、最初に見積書を作成して、その見積もり額がお客様と合意に至り、そのまま見積もった額と同じ額を売上にできることです。見積もり伝票の情報と全く同じ情報をfreeeに入れることができたら、どんなに簡単でしょう。

でも、現実は顧客からの値引き要請に対応し、再度見積もり書を提出、さらに2度目の値引きを行った結果、最終的に価格が確定する…というように、さまざまな変動が発生します。

基幹系システムに登録するまでに、何度も見直される見積書



最初の見積額は幾らだったか?それを誰の承認を得て何パーセント値引きしたか、といった重要なやりとりを行いつつ、freeeなどの基幹システムに入力するのは、最終的に確定した売上情報だけです。

こういった見積もりのように細かい変動の発生する業務は基幹系であるfreee会計システムの得意分野ではありません。そのためfreeeを使っていても、ほかの営業管理システムや、Microsoft Excelなどの表計算ツールを併用することになります。

freeeのような基幹系システムに対して、kintoneは情報系システムと呼ばれます。情報系システムというのは、コミュニケーションや意思決定の支援を行うシステムです。メールなんかもこれに含まれて、変動しつづける情報を取り扱うことに長けています。見積もり→値引き→再見積もり→値引き…→確定といったやりとりに強みを発揮します。

ここで、kintoneで見積書を改訂していく様子をご覧いただきましょう。

kintoneのコメント機能を活用して見積もり情報を確定させる



「カード型データベース」と表現されるkintoneでは、ひとつの取引に対し、左側の案件詳細(見積情報)画面で金額や数量などの情報を入力します。さらに、右側のコメント欄で、掲示板のように担当者がやり取り・承認をし、必要に応じて左側の内容を書き換え、最終確定させます。この結果、freeeに入力できるような最終データが完成するのです

2つのシステムのシームレスな連携とは

さて、2つのシステムを併用するということは、1つのシステムで処理したデータを、もう一方のシステムに取り込む、という手続きが発生します。いくらfreeeが自動的に仕訳処理をしてくれようと、いかにkintoneが効果的なコミュニケーションを記録してデータ確定させようと、これまでは、kintoneのデータをcsvファイルに書き出して、パソコンに保存し、それをfreee側にアップロードさせて読み込む、という手続きが必要でした。

IT業界の笑い話に、「書類の電子化を行うべく、パソコンで書類を作成して印刷して、承認者がハンコを押して承認したら、PFDファイルにスキャンして共有フォルダに格納」というものがあります。いやいや、紙を介している時点で書類が電子化できてないよ!というのがこのエピソードのポイントです。

残念ながら2つの別々のクラウドサービスであるため、これまでkintoneとfreeeの関係にも近いものがありました。紙ではなくて電子ファイルにはなっているものの、データを取り込むためにひと手間かかってしまうのです。

しかし、今回のfreeeとkintoneのプロダクト連携により、kintoneで作成したデータを直接freeeに取り込めるようになりました。



kintoneとfreeeの連携イメージ。
www.itfit.co.jp/freee連携kintoneプラグイン/より許可を得て引用



これはプラグインと呼ばれる連携ツールによって実現しています。これまでkintoneだけ、freeeだけ、を利用されていた方でも、もう一方を導入してプラグインを導入できればこのメリットを享受することができます。また、将来的にはプラグインを活用することで、人事労務freeeとkitoneの連携を実現することも可能です。

90万を超える事業所で利用されることで、基幹系システムとしては破格の価格体系となっているfreeeと、会計業務に限らずさまざまな業務に活用できるkintone。勤務先のITポリシーさえ許せば、どちらのクラウドサービスもインターネット環境を通じてご自宅から利用いただくことが可能です。この2つを使いこなして、在宅勤務で実現できる業務を増やしてみてはいかがでしょうか?

サイボウズの企業理念は「チームワークあふれる社会を創る」ことです。自社の業務に必要なシステムを開発の知識がなくても誰でもかんたんに作れるクラウドサービスのkintone(キントーン)をはじめ、企業の業務改善を支えるセキュアなクラウドサービスを提供しています。

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