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監査法人とは?国内の監査法人と実際の業務内容を紹介

経営ハッカー編集部
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監査法人は、企業や各種団体の監査において第三者として監査を担当します。
ここでは、監査法人とはどのような組織なのかに加え、日本国内のおもな監査法人と主要な業務例などをご紹介します。

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目次

    監査とは

     そもそも、「監査」とはいったい何を表しているのでしょうか。

     事典によると、「投資家、株主総会、経営幹部、国会などの委託者から財産の運用権限を委託されている受託者の会計責任が正しく果たされているかを、遵守すべき法令や社内規程などの規準に照らして実情を検討し、立証基礎に対する証拠付けの正当性を確認し、その結果を委託者に伝達すること」を指します。

     つまり、監査対象が法令や規則に従った正しい会計処理を行っているかどうかを第三者として調査し、結果を利害関係者に報告・証明することを表します。

     監査の目的と監査をする人が誰なのかによって、外部監査・内部監査・監査役監査などの種類に分類されます。監査対象による分類としては、会計監査(財務諸表監査など)・情報セキュリティー監査・個人情報保護監査・環境監査などの監査も存在します。

    監査法人とは

     では、「監査法人」とはどんな組織を表しているのでしょうか。

     公認会計士法1条の3第3項によると、「他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明を組織的に行うことを目的として、公認会計士法34条の2の2第1項によって、公認会計士が共同して設立した法人」を指します。

     日本国内にも数多くの監査法人が存在しますが、規模やクライアント数、業績において傑出している4大大手監査法人があります。
    明確な定義はありませんが、上場会社を概ね100社以上監査し、かつ常勤の職員が1,000名以上の監査法人を大手監査法人と呼ぶことがあります。

     以下が、日本における4大監査法人です。「Big4」と呼ばれている世界4大会計事務所とも、それぞれ提携関係にあります。

    1.有限責任あずさ監査法人

     大手監査法人で、平成22年に有限責任制度適用の監査法人に移行しています。東京・大阪・名古屋・その他各地方に事務所を構え、約6,000名の人員を抱えています。数多くの有名企業をクライアントとして持っています。
    世界4大会計事務所のひとつ、KPMGと提携関係にあります。KPMGはオランダに本部を構え、世界148か国にわたるグローバルネットワークに113,000人のスタッフを擁している、プロフェッショナル・サービスファームです。

    2.新日本有限責任監査法人

     平成20年7月1日に日本初の有限責任監査法人となった新日本有限責任監査法人は、不動産・建築分野を中心に多方面にまんべんなくクライアントを持つ監査法人です。製造業のクライアントも多くあります。世界4大会計事務所のひとつであるアーンスト・アンド・ヤングと提携しています。

    3.有限責任監査法人トーマツ

     昭和43年設立の老舗である有限責任監査法人トーマツは、監査だけでなくマネジメントコンサルティングや株式公開支援、ファイナンシャルアドバイザリーサービスなどをマルチに提供する日本で最大級の会計事務所です。
     ニューヨークに本社を構える世界最大の会計事務所・監査法人グループのデロイト・トウシュ・トーマツと提携関係にあります。興味深いことに、「デロイト」「トウシュ」「トーマツ」の各単語はいずれも人名に由来しており、アメリカ・イギリス・日本の各会計士の名前からなっています。
     ワールドワイドに活動するファームであることを印象付ける社名であると同時に、海外大手監査法人のうち日本の会計事務所の名を織り込んでいる唯一の監査法人となっています。

    4.PwCあらた有限責任監査法人

     平成18年6月1日設立、平成28年7月1日に有限責任監査法人へ移行したPwCあらた有限責任監査法人は、日本の4大監査法人の中で最後に有限責任へ移行した監査法人です。ロンドンに本拠地を置き、世界159か国に180,000人ものスタッフを擁している巨大プロフェッショナルサービスファームであるプライスウォーターハウスクーパース(PwC)と提携関係にあります。

     

     これらすべての監査法人には「有限責任」という名称が付いていますが、これはどのような意味なのでしょうか?

     まずは、有限でない「無限責任」の監査法人について説明します。

     監査法人とは、公認会計士法に基づき5名以上の公認会計士によって構成される法人を指しています。
    無限責任監査法人では、監査報告書に署名捺印する資格を認められた者、かつ当該監査法人に出資(通常数百万円以上)し、経営側となって無限連帯責任を負うことで「社員」または「代表社員」と呼ばれます。呼び名は社員となるものの、実態は一般企業で言うところの役員クラスです。

     万が一、監査上のミスなどで監査法人が損害賠償請求などを受けた場合で監査法人が損害賠償責任を履行できないときは、監査法人の社員が私財からその債務を補填するというのが、無限責任監査法人です。
    各社員の個人的な過失の有無に関わらず、全社員が文字通り無限の連帯責任を負うことになります。

     有限責任監査法人となるためには、次の3つの条件を満たすことが必要です。

    1. 内閣総理大臣(実際にはその委任を受けた金融庁長官)へ申請し、有限責任監査法人登録簿へ登録すること
    2. 社員数×100万円の最低資本金、その他一定の財務基盤を有していること
    3. 監査法人に係る業務と財産の状況に関する説明書類を公に開示すること

    監査法人の主な業務

    ここでは監査法人のおもな業務を、3点ご紹介します。

    1.監査証明業務

     何と言っても、監査証明業務がメインとなります。
    企業や学校法人、地方公共団体など幅広い対象に対し、それらが提示する財務情報が適正であることを特定の基準に沿って調査し、独立した第三者の立場からその適正性を保証するものです。監査証明業務には、法定監査と法定監査以外の監査があります。この業務は公認会計士の独占業務であり、他の士業では務めることができません。

    2.非監査業務

     その名の通り、監査以外の業務です。株式公開支援業務、M&Aアドバイザリー業務、地方自治体に対する包括外部監査や経理業務に携わる場合もあります。

    3.コンサルティング業務(2項業務)

     会計に関する専門的な知識や経験を用いて、報酬を得て財務書類の調整をしたり、財務に関する調査や立案をしたり、財務に関するあらゆる相談に応じることができます。このコンサルティング業務は公認会計士法第2条第2項に基づくことから、通称「2項業務」と呼ばれています。

    まとめ

     国内にはトーマツ・新日本・あずさ・あらたの4大監査法人があり、世界の4大会計事務所と提携してグローバルな事業活動を展開しています。4大監査法人以外にも準大手や中小の監査法人が多数あります。
    監査法人はおもに監査・証明業務を行いますが、コンサルティング業務や税務、経理業務なども行う場合があります。

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