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2019年05月29日(水)

業務改善とは具体的に何を指すのか? 目的と手順について解説

経営ハッカー編集部

中小企業では人手不足が深刻化しており、従業員1人にかかる業務負荷が大きくなっています。負荷を軽減するため、業務改善を行いたい企業は多いですが、どこから手をつけたらいいのか分からないと言う方も多いです。 実は、ポストイットとホワイトボードだけで簡単に業務の問題点を明確化させる事が可能です。本記事では業務改善を2つのポイントと具体的な進め方をわかりやすく解説します。

経費削減と業務削減の違い

経費削減と業務改善

業務効率化のプロセスにおいてよく聞かれる「経費削減」と「業務削減」は、混同してしまいがちなのですが、実は両者には違いがあります。

経費削減はその名の通り「コストのみ」が対象で、電気代を節約するために使っていない部屋の明かりを消すとか、できるだけ家賃の安いオフィスを借りる、電話代を削減するためにより安い通信会社と契約するといった事柄を指します。

経費削減の場合は、「コストを抑えよう」と決定したら後は具体的な対策をすぐ採ることが可能です。

一方、業務削減は企業内の作業効率やコミュニケーション、コストに至るまで全ての流れをスムーズにするために考え実行するもので、いわゆる人・物・お金を全てを対象にするイメージになります。

かかるお金だけを削減するよりも、トータルで複数個所の問題を改善していくことで企業としての健全性もアップし、フットワークも軽くなります。

業務改善において大事な「定量的思考」

業務改善を目指す時は、「業務効率改善を目指す」「顧客対応時間のムダを削減する」といった、いわゆる定性的な考え方ではなく、金額、人数、割合などの具体的な例を挙げ、定量的な思考と報告を心がけることが重要です。

例)100人が10時間/月工数削減すると、200万円分の削減が得られる
例)マニュアル化によりカスタマー対応時間が10%削減すると、他人員の応援に〇時間まわすことができる

このようなより具体的な分析評価を行うと、取り組みの際に目指すところが非常に明確になりとても実行しやすくなります。関係者も、取り組みのスタート地点とゴール地点が非常にわかりやすくなるので混乱が生じません。

業務改善の重要な2つのポイント

業務改善で重要なポイントは2つあります。

  • 多重入力作業が必要となるツール自体を減らす
  • 紙やツールへの転記といった手作業の領域を減らす

業務改善で必要な2つのポイントを電車で例えて解説します。

業務改善で必要な2つのポイントは、youtube動画でも解説しています。文字ではなく映像で見たい方は下記の動画をご覧ください。

 

突然ですが場合と新幹線を使わずに在来線で、東京から大阪まで移動した場合と新幹線を使う場合、どんな違いがあるでしょうか。

新幹線を使わない場合

  • 所要時間:9時間16分
  • 乗り換え:7回

新幹線を利用した場合

  • 所要時間2時間23分
  • 乗り換え0回

で新大阪まで行くことができました。

なぜ新幹線は圧倒的に早いのか、要素分解をして考えてみましょう。

使っている交通機関の数と、徒歩の数が、乗り入れもなく専用路線も一本と新幹線の方が圧倒的にシンプルな運用が可能になります。

新幹線の方が圧倒的にシンプルな運用が可能になります。

私たちの業務は新幹線のように、シンプルな運用はできているでしょうか?

バックオフィスの業務に置き換えて考えてみましょう。営業が売上を作成した場合の、見積書の発行から会計帳簿への仕訳作成までの一般的な例をみてみましょう。運用パターンとして、下記の運用パターンが挙げられます。

例:エクセルで見積書を作成→印刷→ワードで納品書を作成→印刷→請求書を経理に発行依頼→経理は請求書を何らかのソフトを使い作成→印刷→請求書を郵送→会計ソフトに記帳→入金確認→消込→売掛台帳記入→会計ソフト記帳→完了

このように使うツールはエクセルや会計ソフトなど多岐にわたり、紙で印刷郵送などの手作業が発生する煩雑なバックオフィス業務の会社が多い現状があります。

これに対し、会計freeeを用いる場合は、見積書をfreeeに入力→ワンクリックで納品書に転換→ワンクリックで請求書の発行依頼→ワンクリックで請求書を郵送→入金確認→完了

このように使うツールはfreeeのみ、転記不要でワンクリックで変換され、バックオフィス業務が新幹線と同じシンプルな運用が可能になります。

使用ツール、マニュアル、転記作業が各1回で終わることがわかっていただけたでしょうか?使用しているツールの数、手作業の数に比例をして業務が逼迫していくことがわかります。

業務改善の具体的な進めかた

まずは理想と現状を整理してみましょう。整理することで改善の必要があるものが具現化します。
例えば「バックオフィスにかけている時間を月10時間削減したい」という理想を描くことで、現状と比較をして対策を練ることが出来ます。

業務改善の基本的な進め方は、youtube動画でも解説しています。文字ではなく映像で見たい方は下記の動画をご覧ください。

理想と現状の整理が出来たら、既存の業務フローを洗い出します。業務フローの作成はポストイットとホワイトボードだけで簡単に作成できます。

例えば請求書の発行から会計ソフトへ仕訳入力をするという業務フローを考えてみましょう。下記のような粒度で既存の作業をポストイットに1枚1枚書き出して洗い出します。

次に、先ほど洗い出した作業に対し、どのツールを使用しているか、別のポストイットを用いて洗い出します。

続いて「誰が」「どの」業務をやっているのか洗い出します。
 

その上で、負荷の大きい作業と改善点を洗い出します。何が大変で何が困っている事か把握することが出来ます。

できるだけ明確に負荷がかかっている作業や改善点を把握するためには、情報収集がカギとなります。

社員、部署、現場、ポジション、支社など属する単位や状況ごとに置かれている立場が異なり、発生する問題も一様ではありません。

  • 一人では完遂不能な仕事を抱えている社員はいないか。
  • 社員によって負っている仕事量に差はないか。
  • 業務遂行において不要な手順が多くなっていないか。
  • 外注化やシステム化などで負担軽減できる作業はないか。

など、できるだけ多くの改善点を把握することが大切です。

これで業務フローと改善点が明確になり、適した解決策を検討します。

請求書の確認が煩雑であれば、電子稟議にしたり、請求書の承認が遅延するのであれば、電子承認をするなどといった、具体的な解決策を出すことが出来ます。

また、解決策を模索する上では社員間、部署間の比較もポイントになります。処理スピードの速い人や、タスク処理の迅速な部署は他と比べて何か工夫があったり、社員Aと社員Bでは業務遂行手順に違いがあるかもしれません。

それぞれの状況を比較し共有された情報は小さなヒントとなり、全社共通で取り組む際に大いに参考になります。

また、市況や他社が発表する財務諸表などを参考にすることができるなら、積極的に自社との比較を行って違いをあぶり出すこともしてみましょう。その結果、他社と比べて人件費がかさんでいるということがわかった場合、当該業務を外注化あるいはシステム化することで改善する可能性があるということにもなります。

まとめ

業務改善と言葉では難しく感じてしまいますが、業務フローを描くことで手順が明確になります。業務フローから既存の改善点を見つけてはどんどん削減、あるいは別手段に変えるなどして、常に気持ちのよい業務の流れを実現する取り組みを行うことが大切です。

業務改善に重要なポイントは「使用するツールの削減、手作業の削減」にあります。 

「部署や現場を超えた一元的な情報管理を行いたい」というニーズが強くなってきた時、多くの企業はERPの導入・運用を検討しはじめるのです。

freeeでは会計ソフト一体型のERPを提供することで、効率化とコミュニケーションの円滑化を同時に実現しています。
業務改善の機会にぜひご検討ください。freeeの提供するERPについては、以下のページにて詳しく紹介している他、導入の無料相談も承っております。ぜひ、お気軽にお問い合わせ下さい。
 


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