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2016年12月05日(月)

中小企業経営者がリスティング広告を始める前に知っておくべき基礎知識

経営ハッカー編集部
中小企業経営者がリスティング広告を始める前に知っておくべき基礎知識

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ビジネスを拡大させる方法の1つにネット広告があります。その中でも、検索結果に広告が表示されるリスティング広告は、「今すぐ、商品やサービスが欲しい人」へアプローチができるため、費用対効果が非常に高いとされています。

しかし、初めてネット広告に取り組む場合、「いったいどれくらいかかるのか?」の費用感や、「何から着手すればいいのか」の具体的作業等、迷うことも多いはず。

改めまして、経営ハッカーで寄稿させていただくソウルドアウト株式会社 鬼頭です。これまでに2,500社以上、中小企業に特化して支援してきたノウハウから現実的かつ効果的なリスティング広告の始め方を解説します。

1.リスティング広告とは?「今すぐ客」にアプローチできる費用対効果が良いネット広告

リスティング広告(検索連動型広告)とは、検索エンジンでユーザーがあるキーワードで検索した時に、その検索結果に連動して表示される広告のことです。日本では、Yahoo!プロモーション広告Google AdWordsという広告がよく使われています。

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○:「今ほしい」、「すぐ知りたい」などの関心が高いユーザーにアプローチできる

検索をするユーザーは、検索したキーワードに関する情報を探しています。リスティング広告を使えば、このような関心の高いユーザーにアプローチができます。

○:広告費用は、クリックした時だけに発生するので少額でのスタートが可能

リスティング広告の費用は、広告がクリックされた時だけ発生します。その1クリックでかかる広告の料金(クリック料金)も、広告主自身が自由に設定した入札価格と広告の品質をもとに決定されます。そのため、1,000円などの少額から始めることもできます。

○:リスティング広告は、予算・リンク先・タイミングなどがコントロールできる

リスティング広告で設定できるのは、 ・表示させるリンク先 ・表示させる、させないなどのタイミング ・広告料金 など。 細かい調整ができるのが何よりも魅力です。しかし、調整はすればするほど工数はかかってしまいます。

×:リスティング広告が苦手なことは、「広い認知」

興味や関心のある人に絞って表示させるということは、裏を返せばそれ以外の人には見えないということです。誰も知らない商品の名前は検索してくれませんので、認知度を上げたいのであればオンライン・オフライン問わずリスティング以外の広告展開も必要です。

2.リスティング広告の向き不向きの傾向とは?

リスティング広告は、その性質から一般的に向いている商品とそうではない商品があります。相性の悪い商品を5つのパターンに分けてまとめています。まず、ご自身のビジネスがどちらに当てはまるのか?を確認してください。

【リスティング広告と相性の悪い商品5つのパターン】 2%e7%9b%b8%e6%80%a7%e3%81%ae%e6%82%aa%e3%81%84%e5%95%86%e5%93%81

これらに当てはまっていたとしても、リスティング広告をやってはいけない(効果がない)という意味ではありません。しっかりと対策をすればリスティング広告でも成果を出すことは可能です。当てはまった場合は、特にしっかりと対策を考えてみてください。

■リスティング広告が、自社の商品がWebマーケティングに合っているのかを調べるためには、少しだけ広告を出してみるのがおすすめ

一般的な向き不向きをご紹介してきましたが、プロとして運用をしていても予想外の商品のリスティング広告で非常に良い成果が出ることもあります。

自社の商品がリスティング広告に向いているかどうか?がわからない場合は、一度少額でリスティング広告を運用してみるという方法があります。一度、リスティング広告を行うことで、次のことが分かります。

・どれくらいの人が商品に関わるキーワードを検索するのか?市場はどれくらいなのか?(=検索ボリューム) ・商品に関わるキーワードの1クリックあたりの価格がいくらか?(=クリック単価) ・1件の問い合わせ、申し込み、購入などにかかる費用(=獲得単価)がいくらか? ・見込み顧客に刺さるキーワードが何か?

上記が把握できれば、リスティング広告を拡大するか、それとも違う集客方法を選ぶか?などを検討することができます。 もし広告を出稿した結果を見て、リスティング広告をこれ以上はやらないと判断した場合も、キーワード自体はSEO対策やWebサイト、他の広告、チラシ作成などへの転用ができます。まずは、ネットでの市場ニーズの把握や、情報収集という位置づけでトライしてみることも可能です。

3.リスティング広告って、最低いくら用意すればいいの?

クリック課金制のリスティング広告は、ただ広告を出稿するだけなら100円でも可能です。しかし、実際に成果を上げるために必要なリスティング広告の予算は、「まずどれくらいのビジネス目標を立てているのか?」、「どれくらい広告に対して期待をしているのか?」によって決まります。

ここでは、実際に必要な金額を決める方法を、2つご紹介します。

方法① 1つの商品を売る為に掛けても良い広告費(=CPA)と売上から考える

CPA(Cost Per Acquisition)は、販売している商品の売上額から原価や人件費を引いて確保しなければいけない利益を差し引く事で算出可能です。これを超えると赤字になりますし、下回れば利益が出ていると言う事になります。

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そして予算は、CPA×目標獲得件数=予算で計算ができます。

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方法② 目標CPAが決まっていない場合は、1クリックでかかる価格から考える

目標CPAは、リスティング広告を実際に運用しながらでも決められます。出稿予定のキーワードでどれぐらいの費用が掛かるのかは、Googleのキーワードプランナーなどのツールでも予測できます。今回は、その調べ方をまとめます。

1.Google AdWordsのページにて、アカウントを作成します。(無料) 5%e3%82%ad%e3%83%bc%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%89%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%8a%e3%83%bc

2.「クリックと費用の掲載結果予測を取得」にて、広告を出したいキーワードを入力します。 %ef%bc%96%e3%82%ad%e3%83%bc%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%89%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%8a%e3%83%bc2

3.上部の「入札単価を入力」で、1クリックにかけても良いと思う費用を入力すると、シミュレーションが表示されます。この結果から、いくらくらいの費用がかかるのか?が分かります。 7%e3%82%ad%e3%83%bc%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%89%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%8a%e3%83%bc3

しかし少しの条件の変化や組み合わせで、この単価は大きく変わるので、ツールで分かる単価はあくまでも業界ごとの特徴や傾向程度だと思うほうが良いです。

方法③:どうしても予算が決められない時は、商品名・会社名だけでも広告を出してみる

どうしても予算が決められない時には、まずは少額でもいいので、「商品名・会社名」だけで広告をだしましょう。この時の主なターゲットは、既存のモールでの購入ユーザーです。ショッピングモールではなく、利益率の高い自社ECで買ってもらう、という戦略です。

そこでの売上・利益を元に、広告費や入稿するキーワードを少しずつ増やしていけば、リスクをおさえて、手堅く運用できます。成果が出てきてから、より広く広告を出していくというのも手です。

4.リスティング広告の知識を持っている人がいない!自社運用をするべきか?代理店に頼むべきか?

リスティング広告は、細かい調整をするほど成果は上がりますが、人手もかかります。とはいえ、代理店に頼むのも費用などに不安があります。しかし、一番大切なのは、リスティング広告を運用すること自体ではなく、本当に効果を出すこと、そして初めて取り組む場合は、「本当に効果があるのか?」を知ることです。

また下記に代理店運用の場合と社内運用の場合のメリット・デメリットをまとめましたので、参考までにご覧ください。 8%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%8f%e3%82%a6%e3%82%b9%e3%81%a8%e4%bb%a3%e7%90%86%e5%ba%97%e9%81%95%e3%81%84

まとめ:リスティング広告を初めてする場合は、少額で短期間試すことがおすすめ。

リスティング広告を初めてやる場合は、本当にわからないことだらけで不安な方が多いと思います。まずは、大きな成功ではなく、自社のビジネスとの相性やこれからの展開を知ることです。

「リスティング広告スタートアップガイド」では、 ・知識やノウハウがない ・予算も少ない ・人手も足りてない

というお悩みをお持ちの中小・ベンチャー企業や個人事業主の方向けに、リスティング広告で成果を出すための方法を全60ページにわたり、この記事よりも詳しく解説しています。

無料でダウンロードできますので、「リスティングで集客したい」方はどうぞご利用ください。

ソウルドアウト株式会社が運営するLISKUL(リスクル)編集長と広報を担当。少しむずかしいWebマーケティングのことも、できるだけ「多く」の方に「分かりやすく」伝えたいと考えています。好きなことは、写真撮影とライフログ。
メディア名:LISKUL(リスクル)

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