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2018年11月08日(木)

悪徳Web制作会社にぼったくられないために!簡単にできるチェック方法お伝えします

経営ハッカー編集部
悪徳Web制作会社にぼったくられないために!簡単にできるチェック方法お伝えします

初めまして。株式会社ユーティルの岩田と申します。
弊社はWeb制作会社のマッチングプラットフォーム「Web幹事」を運営している会社です。
もともとユーティル自体もWeb制作会社として展開していた経験もあり、経営ハッカーさんでWeb制作に関する連載をさせていただく運びとなりました。

本記事では「Web制作会社にぼったくられない!」をテーマにご紹介していきます。というのも、下記のような相談をしばしば受けることがあるからです。

「Web制作の見積もりを取ったのだが、どうも高い気がするので見てくれないか?」
「今頼んでいる制作会社に高い運用費を払っているのに、何もしてくれない」

全てのケースが「騙されてますよ!」という訳ではありませんが、ホームページ制作の相場の分かりにくさを利用し不要に利益を得ようとする業者がいるのも事実。本記事では、そういった「ぼったくり」にあわないための豆知識やノウハウをご紹介していきたいと思います!

実は、原因はあなた(クライアント側)にもあるかもしれません……。

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ホームページ制作の料金設計

まずはホームページ制作の料金の仕組みについてご説明します。
シンプルな仕組みですが、この仕組みを理解することでぼったくりの対策ができます。

ホームページの料金には大きく2種類あります。

①初期費用
②運用費用

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初期費用について

当たり前ですが、ホームページ制作を行うための「制作費」です。おそらくほぼ全ての制作で発生します。(一部例外があるのですが、後述します)

「見積もり金額が高すぎる気がするから、見て欲しい」などのご相談は、ほぼほぼこの初期費用に当たります。

運用費用が曲者

ホームページ制作を依頼する際に、忘れられがちなのがこの「運用費用」です。運用費用には下記のようなものが含まれます。

  • ホームページの修正・変更(テキストや画像の差し替えなど)
  • 定期的な点検・メンテナンスCMS※のバージョンアップ対応など)
  • 何かあった時の緊急対応

※CMSとは:
コンテンツ管理システム(Content Management System)の略称のこと。Webページの記述言語であるHTMLやCSS等の専門知識がなくても、テキストや画像を入力するだけで自動でホームページを構築してくれるソフトウェア。

特に知識がない場合、「ホームページが表示されなくなった!」「意図しない画面が表示される」などの不具合に対応する術がないので、運用費を制作会社に支払って面倒を見てもらう必要があります。

この運用費用が要注意です。


ぼったくり業者は運用費用をうまく使う

ホームページ制作に関する料金を説明しましたが、注意が必要なのは「運用費」です。不当に利益を得ようとする業者は、この運用費をうまく使ってサービスを提供しています。

初期費用は無料 or 格安だが・・・パターン

  • 初期費用が0円でホームページが持てる!
  • 5万円で作成できるホームページ!

など、初期費用を非常に安い価格で提供するパターンです。確かに、初期費用を抑えてホームページを作成できるのは非常に魅力です。しかし、運用費用に注意しないと支払総額という面で損をする場合があります。

例えば、月額2万円の運用費を2年間契約すると…

  • 2万円 × 24ヶ月 = 48万円

と50万円近い支払いになります。

せっかく予算を抑えるために依頼したのに、結局通常と変わらない価格になってしまったということもあるので注意が必要です。

※ちなみに、初期費用を格安で制作する場合、ホームページに様々な制約が設けられます。

  • デザインの融通が効かない
  • SEO的に最適化されていない
  • ホームページの修正・改善ができない

など、しっかり成果を出していくために不利な条件だったりします。

格安の業者には、ほかにも不利な点があります。詳細は下記のWeb幹事の記事をご覧ください。

格安ホームページ制作の裏側暴露! 制作会社がこっそり教えます。|Web幹事

運用費は安いが、全く何もしてくれないパターン

運用費が月々数千円と安い場合でも安心はできません。月々の運用費を支払っているのに、何もしてもらえないという場合も存在するからです。制作会社がホームページの運用において行う作業の内容は、会社によってバラバラです。

先ほども触れましたが、運用費は一般的に下記のような作業内容を含みます。

  • 契約サーバーの保守・メンテナンス
  • 使用しているシステム(CMSなど)のメンテナンス
  • ホームページの軽微な修正対応
  • 何かあった時の緊急対応費用

上記の最低限の運用に加えて、下記の作業も含まれる場合があります。

  • SEO対策の支援
  • コンテンツ(記事など)の追加のアドバイス
  • 月次のホームページの成果のレポーティング作成

ホームページの公開後に集客の支援もしてもらえる制作会社だから発注したのに、集客支援は追加料金が発生してしまう……というケースもあります。

悪質な場合は「運用費を支払っているのにホームページの修正すらしてもらえない。」ということもあります。

また、運用における「契約期間」も会社によってバラバラです。不要になったらすぐに解約できるものから、年間契約のものまで様々。そのため、「運用契約に含まれる作業の内容」「契約期間」をチェックしておくことは非常に重要です。


リース契約というパターン

運用費とは若干異なりますが、ホームページを「リース契約」という形で売り込んでくる業者も存在します。

正直申し上げると、私はこのような契約を行なっている同業者を見たことはありません。しかし、某大手法律相談サイトなどを覗くと、いまだにホームページのリース契約に関する相談が寄せられています。

本来、ホームページは(コピー機などと異なり「無形」のため)リース契約ができません。にもかかわらず、ホームページ作成ソフトをリースするという形で契約しようとする業者がいるようです。

リース契約は

  • 中途解約できない
  • クーリングオフ制度が適用されない
  • 期間が満了したらホームページを返却しなければならない可能性がある

引用元:中小企業庁

など、一度契約してしまうと、取り返しのつかない状態になってしまう危険性があります。「ホームページをリースで作りませんか?初期費用が抑えられます!」といった営業文句には注意が必要です。


初期費用が想定よりも著しく高い場合

ここまで、業者が運用費用を巧みに使って、不当に利益をあげようとしてくるケースを見てきました。
しかし、「初期費用がそもそも、思っていたより高い!」という場合もあるかと思います。

それには、どのような背景があるのでしょうか?

情報格差を利用しようとしている

ホームページはプログラミングやデザインなど、専門性が必要な技術で作成されているため、知識がない限り相場を細かく理解することが難しいです。そのため、「情報格差」を利用して高い金額を提示してくる業者が存在します。

もし、少しでも「高くない?」と思ったら

  • 相見積もりをとる
  • 知人や経験者に意見を求める

などセカンドオピニンをとってみましょう。下記記事も参考にしてください。

ホームページ制作の相場・料金【相場早見表・料金表つき】

やり取りの大変さを懸念して、高めに見積もりを出している

意外と散見されるのが、このケース。悪徳業者ではなく、普通の制作会社でも「このクライアントと仕事するのは大変そうだな…」と感じると、通常価格よりも高めの見積書を提出することがあります。

制作会社が「大変そう」と思うのは下記のケースです。

  • コミュニケーションが非常に取りづらい(やり取りに工数がかかりそう)
  • やる気がない(協力してくれなさそう)
  • 意思決定者が誰かわからない(修正が非常に多くなりそう)

本来は、顧客によって値段を変えるのはあってはならないのですが、担当者もあくまで「人間」。「一緒に良いホームページを作りたい!」と思えるクライアントを優遇することは意外とあります。


ぼったくられないための対処法

制作会社と初めて打ち合わせをする際には、下記の3点だけ気をつけてみてください。これだけで「ぼったくり」はほとんど防ぐことができると思います。

契約形態・期間をチェックしよう

まず「リース契約」は基本的に避けるべきです。あの手この手で契約の正当性をアピールしてくるかもしれません。しかし、まともな制作会社でリース契約を採用している会社を筆者は見たことがありません。仮に違法性がない場合でも、「良い制作会社」ではない可能性が高いです。

またホームページの制作を依頼する前に、運用期間を必ず確認してください。

・契約期間はどれくらいか?
・契約の更新タイミングはいつか?
・途中解約できるのか?その場合、残額を返してもらえるのか?

などを確認しておくと良いでしょう。

運用の作業内容をチェックしよう

契約期間の確認と同時に、運用時の作業内容の確認も必要です。

  • サーバーやドメインの保守は行なってもらえるのか?
  • テキストや画像の修正は、月何回対応してもらえるのか?
  • 月々何時間程度、工数を確保してもらえるのか?
  • 集客のアドバイスもしてもらえるのか?

もし上記に当てはまらない作業をお願いするとき(例えば新規のページを追加するなど)は、目安としてどれくらいの金額がかかるのかも確認しておくとGoodです。

制作会社への対応をちゃんとしよう

本業が忙しくて、なかなか制作会社への対応時間が割けない…こともあるかもしれません。ただ、あまりに雑な依頼の仕方をしてしまうと、(上記で触れたように)見積もり金額が高くなる可能性があります。

ホームページ制作は「依頼をすればあとは納品を待つのみ!」ではなく、制作中もデザインの確認や掲載するコンテンツの作成など、制作会社と相応の「やり取り」が発生します。

見積もり依頼段階で丁寧な対応をしていると、制作中の対応が丁寧になったり、色んな提案がもらえたりと良いことがあるかもしれません!

ちなみに、筆者が制作会社を経営していたころ、クライアントとのやり取りで一番困ったのは「メールが返ってこない」と「電話してもつながらない」でした。キャッチボールができないのは物事が進まないので辛いです。


まとめ

ホームページの料金のカラクリさえ知ってしまえば、意外とぼったくりの仕組みはシンプルです。繰り返しになりますが、ポイントは「運用費用」。初期費用に関しては金額も大きく、議論になりやすいです。

しかし、初期費用の見積もり時点で運用の条件までしっかりチェック出来ている会社は意外と少ないです。ホームページが完成した後に、制作会社を変更するのは非常にコストがかかります。ホームページを育てていく上でも制作から運用まで同じ会社に依頼する方が効率も良いです。

見積もり時点でしっかりと確認し、良い制作会社さんと良いホームページを作っていきましょう!

岩田真
株式会社ユーティル代表取締役。
2015年にWeb制作会社として株式会社ユーティルを設立。Webディレクター・営業担当として、3年で上場企業を含む50社以上のホームページ制作に従事しました。現在はWeb制作会社のマッチングプラットフォーム「Web幹事」を運営しております。

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