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2019年05月29日(水)

業務効率化には欠かせないツール「グループウェア」とは?

経営ハッカー編集部

現代のワークスタイルにおいて、業務効率向上のためには欠かせない存在である「グループウェア」。 導入によって、どんなメリットが生まれるのでしょうか。 基本的な機能や仕様に加え、デメリットや選定ポイントも含めて解説します。

グループウェアとは

ネットワークを利用して社内や部内の情報共有やコミュニケーションの効率化を図り、協調作業をスムーズに行うためのものです。
主な機能として、以下のものがあります。

  1. メール
    ブラウザ上で主に社内メールの送受信が可能です。送ったメールが既読になったかどうかも確認できます。(社外に発信することもできます。)
  2. 提示版
    メンバー全員に知らせたい伝達事項を一斉発信できます。コメントの書き込みやリアクション機能もあり、コミュニケーションも可能です。
  3. スケジュール管理・施設予約
    個人だけでなく、メンバー全員のスケジュールを共有できます。メンバーの空き時間が一目で把握できるので、会議室などの施設予約もそれに合わせることができます。
  4. ワークフロー
    申請や処理業務をシステム内で行えます。自分あての申請は携帯電話やスマートフォンで確認・処理が可能なため、外出中でも迅速に対応できます。
  5. ファイル共有
    文書やデータを共有・編集できます。編集や更新は記録が残るため、情報統制にも役立ちます。

グループウェア導入によるメリット・デメリット

グループウェアが果たす主な役割は、日々の業務における基本中の基本とも言える通信、会議、協調の3点に分類されます。この3点をグループウェアに担ってもらうことで具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?
主なものを2つご紹介します。

1.コミュニケーションの活性化

時間や場所が決まっていて、直接出向かなければ参加できない会議は、参加できるメンバーが限られるために出されるアイディアや意見も限られます。担当者が議事録の作成もしなければなりません。

一方、グループウェアのチャット形式で行う会議なら、遠方や出張中で場所の都合がつかないメンバーも参加しやすくなりますし、チャット内容は時系列で記録されるため、そのまま議事録として活用できます。

2.問題点の「見える化」が進む

日頃からミスが多い部下はいつも気にかけているかもしれませんが、部下全員の業務状況を常に把握することには限界があります。

グループウェアにより情報やスケジュールの共有がなされると、メンバーの最新の業務進捗状況が可視化され、手に取るように分かります。それにより部下の業務上のクセや問題を把握することができます。 可視化により進捗状況が他のメンバーにも見られているという状況は、個々のメンバーの気持ちの引き締めにもつながります。
この他にもグループウェアによるメリットは多岐にわたります。

では、デメリットはあるのでしょうか? 

業務においてマイナスになるようなデメリットはあまり見受けられません。 強いて挙げるなら、グループウェアは製品数が非常に多いため、自社にとって適切なものを選びづらいこと、また選定や導入時のトレーニングに少々時間や労力がかかることが挙げられます。これらが不十分だと、せっかく導入したのに誰も使わないという「無用の長物」状態になる可能性があります。

グループウェアのタイプ

グループウェアには様々なタイプが存在します。 ここではオンプレミス型、クラウド型、オープンソース型の3種類を例にして、特徴を比較します。

1.オンプレミス型

自社内にシステムを構築するため、カスタマイズ性と統合性、またセキュリティ面の安全性もあわせ持つタイプです。通信障害が起きても、システムが停止することはありません。

デメリットとしては、ハードウェアの導入も含めると最低でも数百万単位の導入費がかかることと、システムを管理するためにシステムエンジニアなどの人材を配置することが必要になります。

2.クラウド型

現在多くの会社に取り入れられているのがクラウドタイプです。導入・ランニングコストが安い点やインターネット環境さえあればどこにいても接続可能な点が現代のニーズに合っており、広く普及しています。

一方で、インターネットを介することからセキュリティ面での不安も若干残りますし、回線やシステム環境に障害が発生しても、自社では直接解決できないことになります。料金体系としてはユーザー1人あたりの月額制が多いため、大人数で使用する場合にはコストがかさみます。

グループウェアを検討する際に考えておきたいポイント

検討の際は、以下の点をよく考えながら選定しましょう。

1.「なぜグループウェアを導入したいのか?」目的をはっきりさせる

目的が明確になれば、数あるシステムの中から自社が求めるものを見つけやすくなります。必要な機能、不必要な機能も明確になるでしょう。

2.何人で使うのか

オンプレミス型では、使用人数に合わせてサーバーの容量を選定する必要がありますし、クラウド型では、多くが1人あたり月額いくらという料金システムになっていることが多いので、全体のコストが計算できます。

大人数で使用する場合は、クラウド型では月額のコストが非常に高額になるケースもありますので注意が必要です。

3.どのくらいの年間コストをかけられるのか

グループウェアを使うには多かれ少なかれ継続してコストがかかります。求める機能と許容できるコストをバランス良く比較しましょう。

4.対応しているデバイス・操作性

グループウェアの大きなメリットの1つは、スムーズなコミュニケーションが取れることです。そのためには、スマートフォンやタブレット端末でも使用可能なシステムであることが重要です。

あわせて、システムを使用予定の全ての社員が無理なく操作できるよう、スムーズで簡単かつ直観的な操作が可能かも確認しましょう。

まとめ

グループウェアは、上手に導入・活用することで会社の業務効率を飛躍的に向上させるものです。また、イージーミスを減らし、個々の業務意識を高め、社員同士の連携を強めることも期待できます。

グループウェアの本質、汎用性はここでまとめたもの以外にもあります。さらに知りたい場合は、書籍・ネット・専門家などをあたり、よく調査・検討するようにしましょう。

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