プロジェクトを確実に前に進める、イケてる会議の作り方4つのポイント
株式会社JQの下田です。
プロジェクトマネジメント支援事業を軸に会社経営をしています。
これまでに、質の低い非効率な会議に頭を悩ませたことはありませんか?
たとえば、
こんな会議の経験、一度はあるのではないでしょうか。
これらの要因は色々と考えられますが、私の経験上、「体制」「準備」「ファシリテート」「スケジューリング」の4つのうちどれかに問題があることが多いです。逆に言うと、ここを改善できれば会議の生産性が上がり、プロジェクトもグッと進んでいきます。
4つのポイントを見直して、生産性の低いイケていない会議とは今日でおさらばしましょう。
①会議体制を見直す
「会議参加者は、会議中か会議後にバリューを出せる人のみ」
よく目にするのが、プロジェクトに関わっているからといって、誰でも彼でも関係者らしき人を巻き込んでしまう会議。これによって、ただ傍観するだけの参加者がうまれたり、余分な説明が必要になり議題が散らかったりします。
一部の人は議論しているけれど一部の人はただ聞いているのでは、会議の生産性がいいとは言えませんし、その人件費もムダです。また、論点がずれると、会議が長引いたり、決めたいことが決まらなかったり負の連鎖が生じます。
このような問題を起こさないために、会議参加者は「会議中か会議後に何かしらのバリューを出せる人のみにする」と良いです。
会議は「情報共有」と「意思決定」の場ですから、会議におけるバリューは「情報や意見のアウトプット」になります。そのため、会議には何かしらのアウトプットを出せる人のみ参加すべきです。会議中のアウトプットは、議論に必要な情報や意見を提供すること、会議後のアウトプットは、会議で得た情報を元に誰かに説明することです。
たとえば、新規アプリ開発プロジェクトであれば、マネジメントのための「全体会議」と、中身検討のための「要件会議」をそれぞれ設定し、下記のような体制にすると良いでしょう。
【全体会議】
参加者:プロジェクトリーダーと制作や開発のリーダー
内容:作業進捗を正しく把握し、プロジェクトの作業計画や分担の確認、課題を議論する
【要件会議】
参加者:制作や開発のリーダーとメンバー(作業者)
内容:具体的な中身の検討をして要件を定義し、タスクに落とし込む
②準備を見直す
「準備なき会議はムダ」
先にも書いたように、会議は情報共有と意思決定の場です。特に後者が重要です。確実に意思決定するためには、何を決定したいのか事前に共有しておくこと、つまりアジェンダをあらかじめ準備することが大事です。
アジェンダがうまく作れないという方のために、抜け漏れのないアジェンダの作り方を、簡単に紹介します。
【アジェンダの作り方】
- 全体のスケジュールを俯瞰して、意思決定すべきタイミングのものを抽出
- 各タスクの進行状況を見て、課題や相談事項を抽出
- 前回の会議で発生したToDoの中で、まだ終わっていないものを抽出
- 1~3を整理し、確認したいポイントや議論したいポイントをアジェンダに落とし込み、会議のゴールを決める
③ファシリテートを見直す
「so whatを抑えに行く」
議論がふわっとしたままで、結局結論がうやむやな会議が多い。会議の終わりに何だかスッキリしない。そんな時には、ファシリテートにおいて「so what(で、何が決まったの?)」の意識を徹底しましょう。
たとえば、議題通りに進めるだけの「次の議題は○○です。Aさん説明よろしくお願いします」というファシリテート。
一方、so whatで論点と決定事項を抑えた「今の議論って結局、プランA,プランBどっちになったんですか?」「今の議論の結果、誰がボールを持つことになりました?そしていつまでに?」というファシリテート。
この投げかけの違いで、会議の結論が大きく変わってきます。
会議で決定事項を作らないと、プロジェクトは前に進みません。
「念のための確認ですが、結局、この話の結論ってXXXでいいのでしょうか?」と、「で、何が決まったの?」という意識で話をまとめると良いです。
ちなみに、XXXに入るのは、
- 誰がどんなボールを持ったのか、それはいつまでにやるのか
- どんな方針が決まったのか
の2パターンです。
so whatを徹底して抑えて、会議をどんどん進めましょう。
④スケジューリングを見直す
「定例を作る」
関係者が多くなってくると、日程調整だけでもかなりの手間です。また、次回の会議が決まっていないと、作業がどんどん遅れていく原因にもなります。
調整という業務は重要ですが、何か生み出すものではありません。出来るだけ少ない手間でプロジェクトを進められるよう、必ず議論が必要になる頻度で定例化するなど、スケジュールも仕組み化しておくことをおすすめします。
この4つを見直せば、会議は大きく改善されるはずです。
どれも事前の入念な準備や時間がかかるものではありませんから、次の会議からどんどん実践してみてください。
執筆:下田 幸祐(しもだ こうすけ)
プロジェクトマネジメントの専門会社、株式会社JQ代表取締役社長。大学卒業後アクセンチュアに入社。官公庁本部にて政府案件のプロジェクトを担当し、マネージャー昇進後に独立。JQを立ち上げる。デジタルマーケティング系案件、生損保案件、大規模開発案件を得意領域とする。
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Twitter:https://twitter.com/jqshimoda