2019年09月16日(月)0ブックマーク

ホールディングスカンファレンス ~中堅企業の生産性を上げる「バックオフィステクノロジー」~ 第3部「経理部門の働き方を変える決定打『RPA(ロボティクス)』の実態と活かし方」公認会計士 中田清穂氏 [e-Disclosureセミナー(freee・ビジネストラスト・宝印刷共催)]

経営ハッカー編集部
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  近年、収益認識基準が新設されたり、リース会計基準が変更されるなど、会計基準はますます難易度を高めています。
 国際会計基準(IFRS)の適用が深く関わっているこの問題は、経理部門だけでなく、企業内の様々な分野に影響を及ぼす問題と考えられます。
  そこで今回「ホールディングスカンファレンス ~中堅企業の生産性を上げる『バックオフィステクノロジー』」と題して開催されたセミナーでは、IFRSに造詣が深い公認会計士中田清穂氏を招き、新しい会計基準についてお話を伺いました。中田氏はこれからのバックオフィスで重要なキーワードとなるRPA(ロボティクス)にも深い見識を持たれており、その活用についても講演いただきました。
  また、共催各社による最新ソリューション、そして各システムの連携機能についてのご紹介がありました。

  第3回となる今回は、今注目されるRPAの経理部門での活用について公認会計士中田清穂氏に伺います。

 

中田:改めましてよろしくお願いいたします。公認会計士をしています中田です。私は2年くらい前からロボティクスの研究しています。今日は今、認知度が高まり注目されているRPA(ロボティクス)についてお話します。
 ロボティクスは大規模なシステム投資をしなくても、人間の作業を自動化できる技術です。現在は契約管理とか顧客管理といった分野で活用されていることが多く、まだ経理部門にはあまり導入されていません。
 汎く活用されているのは通信や生命保険、航空・旅行会社といった業種です。特に三菱UFJ銀行と日本生命など大手金融機関は既にロボティクスを使い業務改革をしています。最近もメガバンクが数千人減らすというのがニュースになりましたが、その裏側にはこういったテクノロジーの活用が潜んでいるのです。
 
 大手金融機関が使っているということで、私は企業の経理部門でもこのRPAを活用することができると考えています。
 何故なら、どちらの業務も間違いが絶対にあってはいけない業務だからです。

 実際の効果について一般社団法人日本RPA協会の資料からご紹介します。
 契約管理・顧客管理など、間違いが許されない業務が多い大手金融機関では、これらのチェックや登録業務を、おびただしい数のスタッフを使って行っていたそうです。
 そのため、ある事務所では80人ものスタッフを抱えていましたが、ロボティクスを導入したことで、その数を僅か13人に減らすことができました。また従来ならばその人数を採用するために大都市に事務センターを構える必要がありましたが、人を減らすことができた結果、沖縄でできるようになった。これにより人件費も事務所の坪単価も大幅に減らすことができたので、コストは80分の13では済まないくらい下げることができたのです。

 このように大きな効果を期待できるロボティクスですが、ではどのような仕事に適応するのでしょうか。
 手作業が多いが、自動化による効果も大きい業務に関してはシステム投資が起案され、実際に予算も下りるでしょう。ERPの導入などがこれに当たります。しかし起案してもシステム投資予算が下りなかった業務や、そもそも最初から投資を諦めて起案すらされないジャンルの仕事もある。
 この両方をロボティクスは救ってくれるのです。

 これまでは業務現場で投資対象外だった仕事が、今は費用対効果よりも働き方改革の名の下に「多少のコストはかかっても残業を減らすんだ」と叫ばれ、多額のコンサルティング費用がかけられています。
 しかし、ここに私は疑問があります。そもそも費用対効果の低いところなのですから、お金や時間などかけずにロボティクスを使うべきではないか、と。
 人間がやる細々とした仕事、例えばIEで検索して、データをコピーしてExcelに貼り付けたり、集計して加工して、その結果を基幹システムにログインして登録したり、アウトプット帳票を出したり、関係各位にメールを送信したり。こういった些細な仕事にシステム投資をするなど、考えたことは無いと思います。しかしこういった仕事がロボティクスの得意とするところなのです。

 ロボティクスを活用するにはプログラミングの知識は必要ないものもあります。ITスキルが全くなくても扱うことができるものもあるのです。また社内の既存のシステムを変える必要もありません。今の業務をそのままやらせればいいだけですから。
 ロボティクスは人が指示した通りに、1年365日24時間休まず働いてくれます。これを人の労働単価で計算するととんでもないことになります。ですから、あっという間に投資した分の回収をすることができるのです。

目次

    ロボティクスでできる様々な業務

     さて、今までお話してきましたが、ロボティクスと言っても、鉄やブリキでできたロボットの形をしているわけではありません。ここでロボットとはパソコンの中にあるソフトのことです。
     ロボットですから人が指示した通りのことをやり続けてくれますし、品質と言う点では一回覚えた動作は間違えることがありませんから非常に優秀です。二重チェックなどの手間もいらなくなります。ですからロボットを作れば作るほどCPは良くなります。

     他にも、24時間365日仕事をしてくれるということには、このようなメリットがあります。例えば時差のある海外にグループ子会社がある場合に、レポーティング・パッケージの提出が遅れた子会社に対して、日本時間の真夜中に、海外の子会社に最速のメールを送ることができます。
     また、基幹システムの夜間バッチが終わった後に動き出して、基幹システムにログインして、前日残を反映した帳票をCSVファイルでダウンロードしておいてくれたり、さらに、ダウンロードしたCSVデータをExcelファイルに読み込ませておくこともできます。そうすると人間である社員か出社した時には最新のデータが、いつものExcelファイルに既に張り付いている状況で仕事をはじめられるのです。つまり、RPAを使う前では、毎朝基幹システムにログインしてデータを取得して、Excelに読み込む時間を浮かせることができるのです。
     このように、「ロボットにいつ作業をさせるのか」ということを考えることも、効果を生む大きなポイントです。

     さらに、RPAは採用のために面接などの手間をとることもありませんので、上司の時間を割くこともありません。辞めさせる時も消去するだけで、手間もかからず、情報漏洩などの心配もありません。
     以上のように、ロボティクスはこんな効果がある、ということを利用者の皆さんに考えてもらいたいのです。ただ費用対効果だけでRPAを導入すべきかどうかを考えるのでは、本当のメリットを享受することができないと思います。

    経理業務でのロボティクス活用法
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