年末調整の手引き|手順通りにとりあえず一人でやってみた
まずは年末調整に必要な2枚の書類を手元に準備しよう
年末調整が初めての人にとっては、年末調整の書類や書き方って複雑で難しく感じますよね。でも年末調整の手引きを見ながら、手順通りにやってみると、意外と簡単にできてしまうようです。
年末調整には、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」の2つの書類が必要になります。
ここでは年末調整の手引きを一人でも手順通りにできるように準備してみました。とりあえず、まず一人で年末調整をやってみましょう。
[目次] ■年末調整に必要な2枚の書類の見方を理解しよう ・1)扶養控除等申告書の受理と内容の確認 ・2)配偶者特別控除申告書の受理と内容の確認 ・3)保険料控除申告書の受理と内容の確認 ・4)(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書の受理と内容の確認
■年末調整に必要な計算をしてみよう ・1)給与と徴収額の集計 ・2)給与所得控除後の給与等の金額の計算 ・3)課税給与所得金額の計算 ・4)年調年税額の計算 ・5)過不足額の還付・徴収、納付
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■年末調整に必要な2枚の書類の見方を理解しよう
1)扶養控除等申告書の受理と内容の確認
まずは、年末調整に必要な「平成〇〇年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の書類を受け取って、手元に準備しましょう。この「扶養控除等(異動)申告書」は、扶養している家族に関して申告を行ない、家族の状況によって税金を減らすための申告書です。これは主に、結婚している人や子供のいる人、親の面倒をみている人が対象になっています。
2)配偶者特別控除申告書の受理と内容の確認
配偶者特別控除とは、配偶者控除の対象にはならないものの、配偶者の一年間の合計所得金額が38万円以上で76万円未満の場合に、所得税の緩和を受けられる制度のことです。「平成〇〇年分 給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」の書類の右側に記載する欄があり、記入することができます。
3)保険料控除申告書の受理と内容の確認
「平成〇〇年分 給与所得者の保険料控除申告書兼 配偶者特別控除申告書」の書類では、年末調整で控除される保険について記入します。控除の対象となる保険に関する情報は、書類の左側に記載します。控除の対象となる保険は大きく分けて、以下の4つになります。 ・生命保険料控除 ・地震保険料控除 ・社会保険料控除 ・小規模企業共済等掛金控除
4)(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書の受理と内容の確認
住宅ローン控除が適用される最初の年に確定申告を行なうことで、2年目からは年末調整で申告することができます。税務署から「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」という用紙が送付されてきます。書類には、以下の項目を記載しましょう。 ・新築あるいは購入に要する借入金の年末残高 ・住宅や土地などの取得対価の金額 ・住宅や土地の総面積のうち、住居部分に占める面積の比率 ・当年に適用される住宅借入金等特別控除額
■年末調整に必要な計算をしてみよう
1)給与と徴収額の集計
年末調整を受ける年の1月から12月の間で、勤務先が給付している毎月の給料やボーナスの金額を集計します。また一年間の給料にかかる所得税の金額も集計します。一般的に年収の金額に応じて、所得税の徴収額も変わってきます。
2)給与所得控除後の給与等の金額の計算
給与所得者の場合には、会社の業務に必要な経費を控除することができます。給与所得控除額とは、あらかじめ法律で定められている必要経費のことで、最初に支払い金額から差し引かれています。引かれた金額だけ、所得税のかかる分が少なくなります。給与所得控除後の金額は、以下の計算式で計算できます。
給与所得控除後の金額 = 支払金額 − 給与所得控除額
3)課税給与所得金額の計算
勤務先から支給される給料から、通勤手当等の必要経費を引き、さらに必要経費を差し引いた金額が、課税給与所得の金額となります。課税所得は、以下の計算式で算出することができます。
課税所得=所得控除後の金額 − 所得控除の額の合計額
4)年調年税額の計算
年税額とは、本来納めるべき一年間の確定所得税額のことですが、年税額は以下の計算式で算出することができます。年税額は、以下の計算式で算出できます。
年税額=税額(課税給与所得金額×税率)-住宅借入金等特別控除額
5)過不足額の還付・徴収、納付
年末調整の最後の作業は、給料から天引きされている所得税額を清算して、過不足を調整する作業となります。支払っている所得税が多すぎるときには還付金が戻ってきますし、不足している場合には追加で徴収されます。過不足金を調整した後は、一年間分の所得税額を納付することになります。
■年末調整の手引きのまとめ
最初は、年末調整の書類や書き方が難しく感じるかもしれませんが、手順通りにやってみると、意外に簡単にできてしまうことに気づかれると思います。年末調整には、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」の2つの書類がありますから、まずは一人で年末調整を試してみましょう。