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2019年07月12日(金)

扶養に入る?入らない?健康保険と厚生年金の被扶養者に認定されるための条件とは

経営ハッカー編集部
扶養に入る?入らない?健康保険と厚生年金の被扶養者に認定されるための条件とは

社会保険

「扶養家族」にもいろいろある

扶養家族といえば、まず配偶者や子どもを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。親と同居しているなら両親も扶養家族に該当するかもしれません。しかし、扶養家族とは一緒に暮らしているすべての家族を指すのではなく、いくつかの基準が存在しています。扶養家族についての理解があいまいだと、扶養に関する手続き等を行う際に混乱しかねません。扶養についての知識をつけておくことで、なにかと煩雑手続きもそつなくこなすことができるようになります。

 

社会保険における扶養

健康・年金・介護・雇用・労災保険などの各種社会保険を扶養という観点で見てみると、「健康保険」と「厚生年金」の2つの社会保険が浮かび上がります。健康保険の扶養基準は、被保険者が加入している保険組合によってそれぞれ異なります。「全国健康保険協会」の場合、扶養を希望する人が協会が定めている条件をすべて満たしているかの調査が毎年行われ、条件を満たしているとみなされた人のみが被扶養者として認められます。

“75歳以上で加入する後期高齢者医療制度の被保険者となる人は扶養家族の範囲となりませんので注意が必要です。”

<引用元>経営ハッカー:「扶養家族」って誰のこと? 知っておくべき扶養家族の意味

 

平成30年(2018年)10月1日から添付書類が変更に

平成30年(2018年)10月から、健康保険被扶養者認定の記入方法や添付書類が変更になり、「健康保険被扶養者(異動)届」および「船員保険被扶養者(異動)届』に公的な証明書類の添付が必要になりました。

被扶養者が被保険者と同居している場合には、戸籍謄本や住民票など「続柄」を確認できる書類、「年収」を確認できる書類が必要です。

被扶養者が被保険者と別居している場合には、「仕送りの事実と仕送り額が確認できる書類」の添付も必要です。

“平成 30 年 10 月 1 日から、「健康保険被扶養者(異動)届」の添付書類の取扱いが変更となり、日本 国内にお住まいのご家族の方を被扶養者に認定する際は、証明書類に基づき身分関係及び生計維持関 係を確認の上、認定することとなりました。”

<引用元>日本年金機構:健康保険被扶養者認定事務の変更にかかるお願い


健康保険における被扶養者の条件

健康保険の被扶養者となる人は、被保険者の収入によって生計を立てていることが前提です。家族であれば誰もが被扶養者となりうるわけではない点に注意しなければなりません。被扶養者としての条件を満たしているかを判定する最初のポイントは「同居の有無」です。同居の有無に関係なく被扶養者となる人と、同居が条件になる人がいます。

 

海外居住者の被扶養認定

海外に居住する被扶養者については今回の変更が適用されず、「現況申立書」に必要事項を記入し、続柄が確認できる公的証明書と同一生計を確認できる証明書を添付します。

 

同居か別居かによらず被扶養者となる人

被保険者の配偶者、養子を含む子、孫、弟妹。父母、祖父母などの父母と同列もしくは目上の直系親族は、同居しているかどうかに関係なく被扶養者になることができます。

 

被扶養者となるためには同居が必要な人

兄姉、叔父叔母など3親等内の親族、内縁の妻や夫、配偶者の父母やその子は、同居していれば被扶養者となることができます。ただし、入院中や施設入所中、仕事の事情により一時に別居状態になるの場合はこの限りではなく、被保険者と同居しているものとみなされます。

 

収入の条件

同居に関する条件を満たしていたとしても、それだけで被扶養者となることはできません。次は、扶養を希望している人の収入が基準を満たしているかどうかを確かめなければなりません。収入に関する条件を満たしていない場合は、たとえ同居の条件を満たしていても扶養扱いにはなりません。

“30万円以上になると社会保険の被扶養者に該当しなくなります。「配偶者特別控除」は141万円までは適用できますが、130万円超えると、社会保険加入の義務が生じ、保険料を負担することとなり、家族が全体の手取りは減ってしまうということもありますので、注意が必要です。”

<引用元>経営ハッカー:よく聞く「130万円」ってなに?扶養控除との関係性

 

同居している人の場合

被保険者と同居している人は、「年間収入が130万円未満でなおかつ被保険者の年間収入の半分未満」が被扶養者になるための条件です。ただし、60歳以上の人や障害厚生年金受給者の場合は180万円未満と、認定基準が少し緩和されます。

 

同居していない人の場合

被保険者と同居していない人は、「年間収入が130万円未満で、被保険者から1年間に受け取る仕送りなどの合計が年間収入以下」が被扶養者になるための条件です。

 

厚生年金における被扶養者の条件

厚生年金の被扶養者は「20歳以上60歳未満の配偶者」のみで、その他の家族や同居人が被扶養者となることはありません。収入に関する条件は健康保険とまったく同じです。厚生年金と健康保険の扶養認定は条件が連動しているので、どちらか片方のみに加入するということはあり得ません。

“健康保険では、被保険者が病気になったりけがをしたときや亡くなった場合、または、出産した場合に保険給付が行われますが、その被扶養者についての病気・けが・死亡・出産についても保険給付が行われます”

<引用元>全国健康保険協会:被扶養者とは

 

まとめ

扶養について知っているようで知らないことは多いもので、実は被扶養者に該当する立場なのに、扶養から外れた状態のままだったというケースもあります。立場が変化すれば自動的に被扶養者になるというものではないので、退職、結婚、出産、死亡などライフステージが変化したら扶養の状況についてよく確認しておきましょう。

 



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