2015年07月02日(木)0ブックマーク

退職金制度の種類と仕組みは?退職金制度を作る際に知っておきたいこと

経営ハッカー編集部

退職金制度

退職金制度は義務ではないので、今から退職金制度を整備しようと思っている給与担当者の方もいるかもしれません。今回はそんな方のために、退職金制度の種類と仕組みを詳しく見ていきたいと思います。

 

1)退職金制度とは

退職金制度や企業年金制度を設けるかどうかは会社の自由ですが、労働基準法において「退職手当」(退職金と同義)は就業規則の「相対的記載事項」とされており、制度を設ける場合には就業規則の一つとしての「退職金規程」の作成と従業員に対する周知が必要です。

退職金規程には、誰にいくら支払うのか、客観的な基準を定める必要があります。

2)退職金は誰に支払うのか(適用対象者と受給要件)

原則、従業員全員ですが、就業規則を雇用形態別に分けている場合には、正社員のみ退職金を支給しパート社員には支給しないというように、それぞれ別々に定めることが可能です。

また、正社員全員に適用される場合においても、さらに受給要件を定めて支給対象者を限定することができます。例として以下のようなものがあります。

  • 一定の勤続年数未満で退職する場合には支給しない
  • 懲戒解雇の場合には、勤続年数にかかわらず支給しない

3)退職金はいくら支払うのか(給付算定式)

いくら支払うのかを決める計算式を給付算定式といいます。会社は自由に決めることができますが、ほぼすべての会社が以下のいずれか、またはそれらを組み合わせた給付算定式を使用しています。

  • 最終給与比例制:退職金額 = 退職時の基本給 x 勤続年数別の乗率 乗率は通常、会社都合退職、自己都合退職など退職理由ごとに分け、定年退職者、会社都合退職者が相対的に大きく、自己都合退職者が相対的に小さくなるよう設定されます。
  • ポイント制:退職金額 = 毎年付与されるポイントの累計 x ポイント単価 ポイント制は、等級や職能資格、勤続年数に応じて毎年または毎月ポイントを付与する仕組みです。ポイント単価は、通常1,000円、10,000円などキリのいい数字が使用されます。また、自己都合退職者への退職金を減額するために減額率を乗じる仕組みにすることもできます。
  • 口座制: 退職金額 = 退職時の口座の残高 = 毎年の会社の拠出と利息の累計 口座制は、「キャッシュバランス・プラン」とも呼ばれています。会社の拠出額は給与に一定率を乗じた額か、ポイントを使って計算されます。利息は前年度末や前月末の残高に、国債の利率を参照して決定した利率を乗じて算定するのが一般的です。ポイント制と同様に、自己都合退職者への退職金を減額するために減額率を乗じる仕組みにすることもできます。
  • 定額制: 退職金額 = 一律の金額 定額制は、他の算定式と組み合わせ、「定年加算金」などとして退職金額に加算する際に使用されます。

4)退職金の支払い

退職金は、上記の式で算定された額を退職者に対し退職時(一般的には退職日から30-60日以内の退職金規程で定める期間内)に全額を支払います。その資金は社内に用意しておく必要があります。ちなみに将来の退職金の支払にかかる債務(退職給付債務)は、貸借対照表の負債となます。そのため、企業が倒産した場合には退職金は支払われない可能性があります。

まとめ

いかがだったでしょうか?退職金にはさまざまな種類があるため、それぞれの企業の合ったものを設計しておきたいですね。また退職金は企業にとってはまとまった支出となるため、その積立方法まで含め制度設計の際には考えておくようにしましょう。

 

田中裕二
執筆者:田中 裕二
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