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2015年08月31日(月)

従業員がマイナンバーを扱う上で知っておくべきことまとめ

経営ハッカー編集部
従業員がマイナンバーを扱う上で知っておくべきことまとめ

挿絵1 マイナンバー制度が、いよいよ2016年1月から導入されます。マイナンバーを取り扱う会社はそろそろ本格的に準備を始めている頃かと思います。この記事をご覧になっている方の中には、「マイナンバー担当」になった従業員の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

大きい会社であれば社内研修などで対策をキッチリ教えてもらえそうですが、中小・零細企業では担当者が自力で学ぶ必要があるかもしれませんね。というわけで、従業員の皆さんがマイナンバーを扱う上で知っておいた方が良さそうな点をまとめました。最低限、今回の記事に書いてあることを知っておけば一安心です。

 

1)従業員にも罰則がある!?

「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(略して「番号法」と言われています)では、マイナンバーの不正提供や盗用に対して重い罰則を設けています。不正提供や盗用等をした従業員本人にも最大200万円の罰金が科されるのをご存じでしょうか。

悪意のある不正利用は罰せられて当然ですが、認識や対策が甘くて結果的に不正提供などになってしまうような事態は避けたいところです。安全管理措置が不十分だからといって即座に罰則の対象となるということはないようですが、罰則規定については、念のため確認しておいた方が良いかもしれません。

<参考> 罰金200万円!知らないとマズいマイナンバー制度の罰則を税理士が解説 特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)

2)マイナンバーは“特定”個人情報!

番号法では、マイナンバーを含む個人情報は「特定個人情報」と定義づけられており、通常の個人情報(マイナンバーなし)よりも厳格な取り扱い(提供・収集・保管の制限等)が要求されています。先程ご紹介した罰則規定も、通常の個人情報に比べて格段に重くなっています。マイナンバーは、これまで扱ってきた個人情報(氏名、生年月日、住所など)と同様ではなく、特別な情報という認識を持つことが必要です。

ちなみに、マイナンバー単体でも特定個人情報に該当する他、マイナンバーそのものではなくてもマイナンバーに対応した一定の記号・符号で表されたものも広義のマイナンバーとして特定個人情報に含まれるようです。これについては、後述しますが結構大事な点なので、覚えておきましょう。

<参考>特定個人情報とは?提供していい範囲は?|マイナンバー制度の基本知識

3)こんな行為はNG!

挿絵2 ここまで読んで、マイナンバーは厳重に扱わないといけないものだと感じていただけたのではないでしょうか。ですが、マイナンバーに対して意識高い系の従業員でも、ついやってしまいそうなNG行為が幾つかあるので具体的にご紹介していきます!

1. グループ会社間のやりとりは×

番号法で定められた場合以外の目的でマイナンバーを提供することは禁止されています。この「提供」とは、法的な人格を超える特定個人情報の移動を意味するため、たとえば社内の部署間でのマイナンバーのやりとりは「提供」にはならず、禁止されていません。

ここで要注意なのは、親会社、子会社、グループ会社などの系列会社。特に出向などで人の行き来があるケースでは、身内感覚でつい気軽に情報提供をしてしまいそうですが、法的には別人格(別法人)になるので、マイナンバーのやりとりは原則禁止されています。必要であれば、そのグループ会社が該当する社員の方から直接聞く形になるでしょう。

2. マイナンバーをちょっと変えて使うのも×

今回マイナンバーを管理することになったから、その番号を他の番号(社員番号や顧客番号)にも利用できれば、合理的!?と思う方もいるかもしれません。もちろんこれはNGです。他にも、たとえば「数字をアルファベットに置き換える」等によりマイナンバーを変換した文字列を使用する場合も同様にNGなので、ご注意ください。マイナンバーと対応しないように相当複雑に変更すれば大丈夫かもしれませんが、それはつまり新しい番号を振るのと同じですよね。

3. とりあえずマイナンバーを聞いておくのも×

そして、使うかどうか分からないけどとりあえず聞いておくのも、NGになります。たとえば仕事をお願いするかまだ決まっていない個人事業主さんに、将来的に支払調書を出す必要があるかも・・・といって報酬を支払うか不明な段階でマイナンバーを収集することは禁止されています。マイナンバーを伺うタイミングを間違えないようにしましょう。なお、似たようなケースですが、給料を支払う社員の方から今年10月の番号通知以降、運用開始前に会社が収集・保管することは可能なようです。

<参考> マイナンバー制度導入に向けて準備しておきたい4つのこと 税理士が語るマイナンバーのセキュリティ対策に必要な6つのこと

4)まとめ

いかがでしたでしょうか。細かい話が多いので、マイナンバー担当になってしまって正直少し面倒くさいなぁと思っている従業員の方もいるかもしれません。実際、中小・零細企業の現場レベルでは、運用開始後にどこまで厳密に管理されるか未知数な面もあります。しかし、マイナンバーについてしっかり準備しておくことは、きっと自分の身を守ることにもつながります。この機会に、ぜひ勉強しておきましょう!

かみむら会計事務所は、 スモールビジネス・フリーランスの皆さまの支援に力を入れています。 お気軽にお声がけください。

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