生命保険料控除についてわかりやすく解説
「生命保険料控除」とは、払い込んだ生命保険料の金額に応じて、その年の所得から一定の金額が差し引かれ、所得税や住民税の負担が軽減される制度です。今回は生命保険料控除について、解説をしていこうと思います。
1)生命保険料控除により税金の負担が軽くなる!
所得税や住民税は所得金額から所得控除の額を差引いた金額から求めます。所得税の金額は所得に一定の税率をかけて決まるため、所得控除によって所得が下がると、所得税と住民税も軽減されます。その所得控除の一つが生命保険料控除です。
2)生命保険料控除の対象になる保険とは?
生命保険料控除の対象となる保険
生命保険料控除の対象となる保険は以下の3種類となります。
- 生命保険会社との生命保険契約
- 旧簡易保険や農協、漁協、生協等で契約した生命共済や年金共済
- 生命保険会社や損害保険会社と契約し、要介護状態、傷害や疾病によって保険金が支払われる保険契約
生命保険料控除の対象期間
生命保険料控除の対象になるのはその年の1月1日から12月31日までに払い込んだ保険料です。同じ期間中に受け取った配当金などがある場合は、保険料合計から配当を差し引いた保険料が対象になります。
3)生命保険料控除の申告方法
生命保険料控除は申告をしなければ受けられません。保険会社から10月~11月ごろに「生命保険料控除証明書」と記載されている封書または葉書が届きます。契約者が本人以外の場合でも、契約者が誰であるかは生命保険料控除の要件になっていないため、控除の対象となります。例えば、妻が契約者である生命保険契約について、夫が保険料を支払っている場合でも要件を充たせば対象になります。
<参考>国税庁:生命保険料控除
会社員は年末調整をする必要あり
勤務先(総務部など)に「給与所得者の保険料控除等申告書」に必要事項を記入し「生命保険料控除証明書」を添付して提出すれば、年末調整で控除を受けられます。会社員であれば、確定申告の必要はありません。会社へ期限内に申告書を提出し忘れた場合は自分で確定申告すれば控除を受けられます。 <参考>保険料控除申告書の記入例をわかりやすく解説
個人事業主は確定申告が必要
個人事業主は原則、所得税の確定申告が必要です。確定申告書に必要事項を記入し、「生命保険控除証明書」を添付して控除を受けることができます。還付されるのは確定申告をしてから1か月ほど掛かります。
生命保険料控除証明書は再発行できる
10月ごろ届く生命保険料控除証明書がですが、年末調整・確定申告までに時間があるため、紛失してしまうこともあるでしょう。その場合には保険会社等に再発行してもらうことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。生命保険料控除を効果的に活用して少しでも税金の負担を軽くできるようにしてください。