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2016年08月29日(月)

「面倒だから」でスルーしていませんか? 補助金・助成金の活用方法 ~キャリア形成促進助成金の概要~

経営ハッカー編集部
「面倒だから」でスルーしていませんか? 補助金・助成金の活用方法 ~キャリア形成促進助成金の概要~

補助金・助成金の活用方法

「補助金って言葉、聞いたことはあるけれど申請したことはない」 「給付金?考えたこともないな」 という方、結構いらっしゃるかと思います。

補助金・助成金の種類は多く、各省庁が所管するもの、都道府県や市町村が独自に行っているもの、事業主向け、労働者向け、など目的や受給対象者もさまざまです。

ここでは、事業主(原則として中小企業)向けの助成金で、従業員の訓練や研修受講を対象とした「キャリア形成促進助成金」を紹介します。規定どおりに訓練計画を立て期限内に申請し、計画通りに受講完了した場合、受給できる可能性が比較的高いと言われる助成金です。

いろいろな訓練・研修受講が対象のキャリア形成促進助成金

キャリア形成促進助成金」は厚生労働省所管です。簡単に言えば、従業員が仕事に直結した専門的な技能や知識を身につけるために計画的に研修・訓練を行い、会社が支払った訓練経費や賃金の一部を助成します…という制度です。

従業員の技術・技能・知識向上に取り組んでいる(取り組む計画のある)企業なら、利用しやすいでしょう。なお、訓練経費や賃金は会社が先に全額支払い、訓練完了後に支給請求して要件を満たしていることが確認されたあとで助成金が支払われます。

4つのコースと支給額

キャリア形成促進助成金の対象になるのは、原則20時間以上で業務と関連の深い訓練・研修です。対象訓練は4つのコースに分かれ、さらに細分化されています。コースの概要と助成額・助成率を記しますが、一律に適用になるわけではないため目安としてください。

○雇用型訓練コース

カリキュラムのなかで、指導を受けながら実際に仕事をしながらの訓練が含まれるものです。厚生労働大臣認定の訓練や中高年の新規雇用者に対する訓練などが含まれます。助成率は中小企業の場合で訓練経費の二分の一または三分の二、賃金支払いについては一人一時間700円などです。

○重点訓練コース

採用5年以内35歳以下の若年労働者向け人材育成訓練、熟練技能者の指導力や技術継承、成長分野・グローバル人材育成、などの訓練がこのコースに含まれます。助成率は訓練経費の二分の一または三分の二、賃金支払いについては一人一時間800円です。

○一般型訓練コース

他のカテゴリーに属さない訓練や事業主団体の訓練です。助成率は訓練経費の二分の一または三分の一、賃金支払いについては対象外の場合も一人一時間400円です。

○制度導入コース

社内でキャリアアップのための制度、例えば技能検定合格報酬制度や教育訓練休暇制度などを導入することに対し助成します。助成額は50万円あるいは経費の三分の二などです。

「キャリア形成促進助成金」申請手続きの流れ

手続きは、訓練コース・内容ごとに少しずつ違いがありますが、基本的な流れはこのようになります。

1. 「事業内職業能力訓練計画」の作成と「職業能力開発推進者」の選任


2. 「キャリア形成促進助成金訓練実施計画届」の提出

「キャリア形成促進助成金訓練実施計画届」を作成し、原則として訓練が始まる1ヵ月前までに各都道府県の労働局など(ハローワークに提出できる都道府県もあります)に提出します。各訓練20時間以上など助成金の要件を満たす必要があり、登記簿謄本、年間職業能力開発計画、訓練別の対象者一覧の添付書類が必要です。

3. 訓練の実施

訓練内容の変更が必要になったときの届け出や、受講率要件などについて決められています。

4. 「キャリア形成促進助成金支給申請書」の提出

提出は訓練終了後2ヵ月以内です。添付書類として「支給要件確認申立書」「賃金・経費助成の内訳」「経費全額を事業主が支払済と証明する領収書」などが必要です。

5. 助成金の受け取り

時間をかけて支給審査が行われ、支給・不支給の決定が出され、助成金が支給されます。

ここまで概要をお伝えしましたが、もっと詳しいことが知りたい場合は、厚生労働省のHP内の「キャリア形成促進助成金」のページをご覧ください。また、問い合わせ窓口は各都道府県労働局などとなっています。

他の補助金・助成金について

繰り返しになりますが、補助金・助成金は実にさまざまな種類がありますが、幾つか例をあげておきます。例えばパートや契約社員などの正社員化、賃金アップなど労働環境を改善するための「キャリアアップ助成金」、高齢者の雇用への「高年齢者雇用安定助成金」などはお聞きになったことがあるかと思います。

また、事業所内保育施設の設置など育児と仕事、介護と仕事の両立を促す「両立支援等助成金」も注目され始めています。新たなサービス・ものづくりに注目した「ものづくり・商業・サービス革新補助金」は優れたアイデアで新事業を立ち上げることを想定しています。企業に在籍しながら在宅で仕事をするテレワークの拡充に対する助成金なども、今後広がっていく可能性が見えます。そして、事業に直接関係がなくても、建物の耐震化・省エネ化で補助金などが受け取れる場合もあります。

全体として、国が期待する高いレベルの技術革新研究への支援といった大規模のものから、各市町村が町内会活動や地域のまつりを応援する小さなものまで、多種多様さは想像を越えています。

補助金・助成金 一度は活用のすすめ

まずは一度、活用できそうな補助金・助成金を探してみることをおすすめします。金銭的なメリットだけではなく、新しい角度から情報を得られることなども魅力です。「補助金ってこんな感じのものなのか」が分かれば、さまざまな新しい事業展開を考える際などにも役立つ可能性もあります。

なお、多くの制度では毎年のように要件や対象、助成率などの改正が行われます。古い情報で申請準備をすると、余計な手間が増える可能性があります。申請の際には必ず最新情報を確認してください。

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