太陽光発電を利用するブロガーを考察!どんなデメリットがあるの?
エネルギーを自社で生み出す太陽光発電の意外な盲点
東日本大震災以降、エネルギーをどう確保するかが個人事業や中小企業レベルそしてでも議論されるようになりました。そのなかでもとくに注目を集めているのが太陽光発電です。
ソーラーパネルを自社ビルやマンション等の屋根に設置して自前で電気エネルギーをまかない、余剰分は電気会社に売電するというこれまでの日本では考えられなかった画期的なしくみが少しずつ広まりつつあります。しかし、そんな夢のような太陽光発電にも実際に利用しているユーザーの声からデメリットが少なからずあることがわかりました。ここでは太陽光発電を設置したブロガーの声を参考にそんな注意点を拾ってみました。
[目次] ■1)まずは産業用太陽光発電のメリットを知ろう ■2)デメリット1 周囲の環境を破壊する恐れがある ■3)デメリット2 予想より早く傷む可能性がある ■4)デメリット3 固定資産税を払う必要がある ■5)デメリット4 天気や周辺環境によって発電が左右される
■1)まずは産業用太陽光発電のメリットを知ろう
ソーラーパネルを自社ビルの屋上や敷地に設置して太陽光を電気に変換するシステムです。事業用として使用する電気なら屋根上のソーラーパネルでかなりの部分をまかなうことができるので電気会社から電気を買う割合を減らすことにつながります。電気会社に依存しないため電気料の高騰の影響を受けにくいという優れた経済性を持っています。
経営者にとって大変嬉しいのは、太陽光発電で生まれた電気を自社で余らせた場合でも電気会社に売ることができることです。重要なエネルギーである電気を生み出してそれを逆に電気会社に売る事ができるという、エネルギー新時代の幕開けを象徴するシステムです。
■2)デメリット1 周囲の環境を破壊する恐れがある
自社ビルや保有している不動産の屋上にソーラーパネルを設置すれば、屋根の上にさらに直射日光を遮断する板を置くことになるため、真夏の厳しい暑さを建物へと伝えにくくなります。しかしこれは、ソーラーパネルが熱を吸収しているのではありません。あくまで太陽光が鏡のようなソーラーパネルに当たって周囲に乱反射しているだけなので、光はもちろん熱も周囲に拡散してきます。
もし、ビルやマンションの密集地や立て込んだ住宅地で熱の乱反射の計算を入れずに導入すれば近所の建物が熱くなったり窓から光が差し込んだりするためトラブルを引き起こしかねません。実際に、ソーラーパネルそのものは真夏のもっとも直射日光が厳しい季節に当たると80度以上も温められます。 こうした光をはじめ熱による環境破壊が心配されます。
■3)デメリット2 予想より早く傷む可能性がある
デメリット1でも触れましたが、太陽光発電のソーラーパネルは真夏にもなれば80度以上もの高温状態がずっと続くことになります。したがって、メーカーによる保証がたとえ10年であってもそれまでに故障する可能性は十分にあります。それほど太陽光発電の機器が置かれている環境は厳しいものといえます。
太陽光発電のメリットと言われる20年の間、固定価格で売電可能なポイントを考え合わせても、残念ながら20年保証をしているメーカーは少ないのが現状です。場合によっては延長保証を有料で受け付けていたり、出力保証に限って保証対応しているメーカーも存在します。自社ビルや保有不動産が季節を通じて気温や湿度、太陽の当たり方といった複合的な気象要素も含めて設置を考えることが必要です。
■4)デメリット3 固定資産税を払う必要がある
意外に知られていないのが自社ビルや保有不動産に事業用として太陽光発電を設置すると固定資産税の納付義務がが発生することでする。原則として一般家庭の屋根に設置する太陽光発電は固定資産税は掛かりませんが、事業用としてビルや店舗に設置すると『償却資産』とされ企業が営業のために生産活動を行うツールとして考えられるのです。
中小企業を対象とした太陽光発電のための融資制度や補助金制度がある自治体もあり、今後、原子力や火力発電からシェア移行を目指す国の方針としてそうした行政によるサポートが拡充される可能性はあります。とはいえ、現状では原則として評価額に標準1.4%の税率を掛けた税額を固定資産税として課されます。
もし、保有マンションに500万円の太陽光発電を導入したとしましょう。その場合、500万円の1.4%に当たる7万円が一年目の固定資産税額となります。太陽光発電を設置する際には、年間あたりに発生する固定資産税のコストも考えなければなりません。
■5)デメリット4 天気や周辺環境によって発電が左右される
絶対になくならない太陽の光エネルギーで発電するため永久的に電気を生み出し続けるのが太陽光発電のはずが、どうしても天候によって発電量が左右されます。
雨の日やくもり空の日、雪の日、もちろん夜の日は空に太陽が出ていないため発電することができません。 とくに冬に雪がよく降る地域ではこうした天候による影響を十分に考えなければならなくなります。
▼会社員の産業用太陽光発電 奮闘日記
「会社員の産業用太陽光発電 奮闘日記」のブロガーさんによると、たとえ晴れの日でも雲が少し出ていると発電量が大幅に減ることが日記のかたちで伝えてくれています。これはたとえ晴れの日でお出かけ日和のような一日でも、あまり発電が伸びないとのこと。太陽光発電システムを導入するときは、これでどんどん発電できるぞと意気込むようですが、実際は思うように伸びない建物もあることがわかります。 <参照:「会社員の産業用太陽光発電 奮闘日記」より>
■まとめ|太陽光発電を利用するブロガーを考察!どんなデメリットがあるの?
太陽光発電を導入して日々の電気の流れをチェックし続けていると、明るいイメージで語られがちな太陽光発電もデメリットがあることを痛感します。 とくに、建物自体や周辺の環境に発電量が大きく影響されるようです。
さらに、肝心な点は企業として意識すべき周辺環境への配慮や機器そのもの耐用年数、そして固定費として毎年発生する固定資産税です。どうしても太陽光という自然を原料にしているため、設置する地域によっても黒字になるか赤字になるかがかなり異なります。いざというときのエネルギー源として太陽光発電システムを導入するのは前向きに検討すべきですが、必ずしも「電気代が掛からなくなる」とか「売電で儲かる」といったうたい文句には気をつけなければならないでしょう。