青色申告、白色申告の話|確定申告の義務者って誰のこと?
事業所得などの確定申告には青色申告と白色申告がある
毎年3月が近づくと、テレビなどで確定申告の話題に触れることがあります。確定申告はどのような人に義務があるのでしょうか。
[目次] ■1)確定申告の義務者とは ■2)青色申告とは ■3)白色申告とは ■期限内に確定申告の義務を果たそう
■1)確定申告の義務者とは
サラリーマンなどの給与所得者は、原則として給与の支払者から年末調整を受けることによって、確定申告の義務はありません。事業所得や不動産所得、山林所得、譲渡所得などがある場合、確定申告義務者となります。公的年金等に係る雑所得がある人、退職所得のある人の一部にも申告の義務があります。
1)確定申告が必要となる基準
所得の金額の合計から、基礎控除38万円など控除を引いて、残額がある場合は確定申告が必要です。
2)青色申告と白色申告
事業所得と不動産所得、山林所得には、青色申告と白色申告があります。所得の種類によっては、申告の選択に制限があります。青色申告の方が税務上有利ですが、所得の金額によっては、青色申告のメリットを享受できず、白色控除を選択しても変わらないケースもありますので注意しましょう。
■2)青色申告とは
青色申告は、複式簿記で帳簿をつけ、申告書Bとともに、青色申告決算書を提出する方法です。不動産所得の場合には、事業的規模とみなされると青色申告の承認が受けられ、5棟もしくは10棟以上が目安とされています。青色申告決算書として、損益計算書や貸借対照表を提出することになります。
1)青色申告をするためには
青色申告をするためには、その年の3月15日までに管轄の税務署に青色申告承認申請書を提出することが必要です。ただし、1月16日以降に開業した場合には、開業した日から2か月以内となります。
2)青色申告のメリット
事業所得と不動産所得では、特別控除65万円が適用されることが、大きなメリットです。簡易帳簿の場合には、10万円の控除となり、不動産所得で事業的規模と認められない場合にも、10万円の控除は受けられます。このほかに専従者給与が全額経費として参入可能、損益の繰越が3年間可能といったメリットがあります。
■3)白色申告とは
白色申告では、2013年度までは記帳の義務がなく、収支内訳書を記入し、確定申告書を作成すればよいものでした。しかし、2014年度から帳簿をつけることが義務化されています。確定申告での提出物は増えていません。
1)白色申告とするには
管轄の税務署に期限内までに、「青色申告承認申請書」を提出していない場合には、白色申告となります。何もしていない場合には、必然的に白色申告です。
2)白色申告のメリット
記帳は義務化されたものの、複式簿記の青色申告に比べて、白色申告では単式簿記ですので、帳簿つけが簡単です。単式簿記は、家計簿のような感覚で、伝票を仕分けて記帳していくだけです。しかし、記帳が義務化されたことでメリットが薄れており、青色申告の簡易簿記による10万円の控除を目指すとよいでしょう。
■期限内に確定申告の義務を果たそう
確定申告の義務者に該当する場合には、申告の期限内に必ず確定申告を行いましょう。初めての確定申告では疑問点が生じやすいものです。早めの対応を心掛けましょう。