年末調整で記入漏れした人に贈る30事例&確定申告で取り戻す方法
年末調整で多い記入漏れ事例と確定申告で取り戻す方法をまとめました。
年に一回の年末調整は記入例を忘れがちですが、「昨年と同じように」とよく調べずに書いて提出してしまうと損をしているかもしれません。書類記入には配偶者控除や扶養控除など、毎年変動する項目があります。書類をよく読み、今年の自分と家族の状況をよく調べて記入しましょう。
[目次] ■1) よくある記入漏れ事例15 ■2) 提出時期に関係する事例5 ■3) 確定申告をする必要がある事例10 ■4) 記入漏れをしてしまった場合の取り戻す方法 ■まとめ| 諦めずに正しく納税しよう。
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■1) よくある記入漏れ事例15
書類の記入漏れは、単純なミスの場合と、勘違いによる記入漏れがあります。 単純なミスの場合は経理担当が指摘してくれる場合がありますが、勘違いによる記入漏れは何年も同じ事を繰り返す場合がありますので注意しましょう。
・単純な記入漏れ
1)16歳未満の扶養親族の記入漏れ
2)給料天引き以外の保険や年金支払いの記入漏れ
3)起居を共にしている親についての記入漏れ
4)年収38万円超の配偶者記入漏れ
5)夫と離婚した時の寡婦控除記入漏れ
6)夫と死別した時の寡婦控除記入漏れ
7)勤労学生控除の記入漏れ
8)配偶者控除の記入漏れ
9)障害者控除の記入漏れ
・勘違いによる記入漏れ
1)男性でも寡夫控除が受けられるのを知らず記入漏れ
2)「寡婦」と「特別の寡婦」の勘違いによる記入漏れ
3)同居していない扶養親族の記入漏れ
4)年収103万円超の配偶者記入漏れ(配偶者特別控除の適用になる場合がある)
5)2年目以降の住宅ローン控除の適用漏れ
6)改正部分の適用忘れ
■2) 提出時期に関係する事例5
書類を提出後に扶養親族が増えるなどの場合があります。年末調整の適用基準は年末であり、書類を提出した日ではありません。書類提出後に、年末調整の書類に影響を及ぼすような異動事項があった場合は注意しましょう。
・年末調整の書類に影響を及ぼす異動事項
扶養親族が増えた以外にも、離別・死別によって寡婦控除対象になるなど全ての異動事項が関係します。 1)書類提出後に子供が生まれた 2)書類提出後に結婚し扶養親族となった
・書類の不備
年末調整の書類提出期日までに、添付する必要な書類がそろわなかった場合です。 1)提出しそこなった生命保険料控除が後日出てきた 2)提出しそこなった地震保険料控除が後日出てきた 3)控除証明書を紛失し再発行が間に合わなかった
■3) 確定申告をする必要がある事例10
もともと年末調整では処理してもらえない控除項目があります。記入漏れではありませんので、慌てずに書類をそろえて確定申告を行えば、払いすぎた税金を取り戻すことができます。どんな控除項目があるか知っておくと便利です。
・確定申告で申請できるもの
1)多額の医療費を支出した時(医療費控除) 2)小規模企業共済等掛金を支払った場合(小規模企業共済等掛金控除) 3)災害や盗難などで資産に被害を受けた時(雑損控除) 4)住宅ローンでマイホームを購入した初年時(住宅ローン控除) 5)マイホームに特定の改修工事をした時 6)認定住宅の新築等をした時 7)仕事に関係する交際費、衣服代などの特定支出控除の適応を受ける時(特定支出控除) 8)特定の寄付をした時(寄付金控除) 9)配当所得がある時(配当控除) 10)年途中で退職し年末調整を行っていないため税金を納めすぎの時
■4) 記入漏れをしてしまった場合の取り戻す方法
年末調整で記入漏れをしてしまった場合は確定申告で対応しましょう。年末調整で処理してもらえない控除に関しても見直しを行う良い機会です。確定申告を行うことで、所得税の申告と納税について深く知ることができます。
もし適用漏れが生じていたとしても、各市町村に提出する給与支払報告書の提出期限(翌年1月31日)より前であれば、勤務先に申し出て再年末調整をするという方法があります。
しかし年末調整のやり直しは、勤務先にとってはさまざまな事務処理のやり直しとなるので歓迎されにくいと考えていいでしょう。
よって年末調整で記入漏れがあった場合、確定申告で対応するのがよいでしょう。 確定申告の期限は3月15日となります。書類を集める猶予期間も3カ月半取れることとなり、また年末調整時には対応できなかった医療費控除などの控除項目についての所得控除の申告が可能です。
■まとめ| 諦めずに正しく納税しよう。
払いすぎた税金は少しでも戻って来た方が嬉しいですよね。毎年同じ内容だと思わず、書類や自身の異動項目を確認して記入しましょう。また記入漏れに気づいた場合は早めに勤務先へ申し入れ、再年末調整が不可能な場合は確定申告を行いましょう。