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2015年01月09日(金)

確定申告前にこれだけは知っておきたいこと4つ

経営ハッカー編集部
確定申告前にこれだけは知っておきたいこと4つ

確定申告期間間近!経営者が知っておきたい情報、お教えします

確定申告書等作成コーナー備編<画像参照:国税庁HPより>

いよいよ国税庁の確定申告書等作成コーナーでも「準備編」が公開され、平成26年分の確定申告について考えなくてはならない時期がやってきました。いろいろと頭の痛くなる確定申告ですが、ここでは確定申告についてあまり詳しくない人が、知っておきたいトピックを4つ紹介します。経理のことがよくわからず、経理の人任せの経営者の人も、これから経理の勉強をしていきたい人も、まずはここから始めましょう。

[目次] ■1)確定申告の期限と、それを過ぎた場合の罰則 ■2)個人事業主が考えるべき「青色申告」とは? ■3)個人事業主の所得税の確定申告に必要な書類一覧 ■4)知っておかなきゃ損をする控除制度 ■まとめ|確定申告は経営者にとっての通過儀礼

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■1)確定申告の期限と、それを過ぎた場合の罰則

まず知っておかなくてはいけないのは、確定申告の時期でしょう。「だいたいこれくらいの時期」というのは知っているかもしれませんが、正確に知っておきましょう。原則として申告する年の翌年の2/16~3/15の期間です。〆切が土日祝日の場合は、その翌日となります。

例えば2014年の分の確定申告をする場合は、2015年の2/16~3/15の期間に申告を終わらせなければならないということです。

ではこの期間を過ぎてしまうとどうなるのかというと、きちんと罰則が設けられています。3/15から二週間以上経過してから、「自主的に」申告をした場合は軽い加算税を課せられるだけで済みます。この場合の加算税は本来の税額に5%を掛けた金額です。つまり元の所得税が100万円なら、5万円を加算して課税されるわけです。

期間をすぎたうえ、税務署等から勧告があるまで申告をしなかった場合には、もっと重い加算税が課せられます。それは税額の50万円までには15%、それ以上の分には20%の割合を掛けます。つまり先ほどの例だと、7.5万円+10万円=17.5万円の加算税が課せられるのです。

ではさらにこれを無視するとどうなるのでしょう。その場合は刑事罰が科せられ、その内容は5年以下の懲役又は500万円以下の罰金となっています。もちろん前科もつくのでいいことは一つもありません。きちんと期限内に申告を済ませましょう。

■2)個人事業主が考えるべき「青色申告」とは?

個人事業主の多くが行う確定申告の方法を「青色申告」と言います。これは事前に「青色申告事業者」として役所に届け出ておくとできます。一般的なサラリーマンなどが行う確定申告と違うのは、確定申告書のB様式を使うことと、事業内容を税務署に報告する書類を作成しなければいけないことです。

B様式に関してはA様式の応用版なのでそれほど難しいわけではありませんが、問題は事業内容の報告書です。これはもちろん、「何月何日、○○に××を売った。ちょっと値引きした」なんて絵日記のようなものではいけません。収支についてはもちろんのこと、仕訳という会計上の概念を理解する必要もあります。

この青色申告の方法には2種類あります。一つ目は「簡易簿記」での申告。この場合に用意する書類は「収支計算書」といって、形式としては家計簿やお小遣い帳と同じなので作成は簡単です。

もう一つの方法は「複式簿記」での申告です。こちらは若干難しく、損益計算書や貸借対照表など専門的な書類の作成が必要です。

面倒そうな青色申告ですが、これを行うとメリットがたくさんあります。 青色申告特別控除は簡易簿記なら10万円、複式簿記なら65万円の控除をが適用されます。 さらに家族従業員の給料も全額経費に計上できますし、向こう3年間の赤字を黒字になった時に丸々課税対象額から差し引くこともできます。

少しの苦労で大きなメリット、それが青色申告です。

■3)個人事業主の所得税の確定申告に必要な書類一覧

白色申告:事前届出不要

・確定申告書B ・収支計算書 ⇒現金出納帳

青色申告:事前に青色申告承認申請書の提出が必要

■簡易簿記 ・確定申告書B ・所得税青色申告決算書 ⇒現金出納帳、売掛/買掛帳、経費帳、固定資産台帳(以上「標準簡易帳簿」)

■複式簿記 ・確定申告書B ・所得税青色申告決算書 ⇒総勘定元帳、仕訳帳のほか、必要な場合は標準簡易帳簿

■4)知っておかなきゃ損をする控除制度

控除とは課税対象額から一定の金額を差し引くことです。個人事業主の場合、会社員ならやらなくてもいい種類の控除制度の申告も自分で行わなければなりません。必然的に控除制度について詳しくなっておく必要があるのです。ここでは特に効果の大きい控除制度を紹介しておきます。

・各種保険料控除

社会保険料、生命保険料、地震保険料は大幅な控除が受けられる保険です。社会保険とはたとえば国民健康保険や年金、雇用保険などです。社会保険は支払ったお金の全額を控除できます。また生命保険の場合も最低でも2万円の控除が受けられますし、最低でも5万円の控除が受けられます(長期損害保険の場合は最低1万円)。この額は他の控除制度の控除額と比べるとかなりの高額なので見逃さないようにしましょう。

・配偶者(特別)控除

配偶者控除は、配偶者がいる場合に受けられる控除でその額は38万円。特別控除は38万円以上の所得がある場合の救済策で、所得が76万円を超えるまでに段階的に控除額が下がっていく制度です。

・青色申告特別控除

こちらは先ほども紹介したもので、簡易簿記での提出は10万円、複式簿記の場合は65万円の控除がつきます。これもかなり効果の大きい控除制度です。

■まとめ|確定申告は経営者にとっての通過儀礼

儲けにつながらないことなんてしたくない!という経営者もいるかもしれません。それはそうでしょう。確定申告は書類の作成に時間はかかるし、場合によっては会計ソフトのレンタル料などのコストもかかります。しかしこの国で事業を行って生活をしていくのであればこの確定申告は避けては通れない通過儀礼なのです。これをしっかりこなせてはじめて日本の中で事業をするお墨付きをもらうことができます。遺漏なく処理するよう、心がけましょう。 さらに詳しく確定申告に関する疑問を解決したい方は「確定申告やり方ガイド」をご活用ください。わかりにくい勘定科目に関する辞書や経営に必須の情報も満載です。

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