【新年会の幹事必見!】確定申告で困らないために、飲み会の会計で知っておきたい4つのこと
その飲み会は経費で落とせる?落とせない?
上司に突然飲み会の幹事を任せられた!でも初めてのことで飲み会の会計が経費として計上できるのか、または会費をとって会計をすべきなのかわからないという人もいるのではないでしょうか?新卒社員ならともかく、何年も社会人をしているにもかかわらず、たまたま幹事の役目を任されてこなかったという人だと、「いまさら何言ってんの?」と怒られそうで聞きにくいかもしれません。
そんな人のために、ここではわかりやすく「飲み会と経費」について解説しておきましょう。
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■1)その1
■1)その飲み会は誰とするのか?どんなふうにするのか?
飲み会の会計を経費で落とすのかどうかを考える際に、はじめに考えるべきはその飲み会の性質です。
経費というものは「勘定科目」と呼ばれる確定申告で国がある程度決めている収支のジャンルによって分類されます。この勘定科目には例えば「長期借入金」「資本準備金」「繰越利益剰余金」といったいかめしい名前のものもありますが、ここで紹介するのは「福利厚生費」「会議費」「接待交際費」の3つだけです。これらを理解していれば飲み会の会計をどう経費に計上すればいいかがすぐにわかってしまいます。
例えば10人以下の小規模企業の社員全員で、期末の慰労会を兼ねた飲み会を、仕事を納めの後に行うのでしょうか。あるいは300人規模の大企業で、期末棚卸の打ち上げを兼ねた飲み会を、全ての営業を終えてから全従業員で行うのでしょうか。または新規プロジェクトチームの立ち上げに伴ってそのメンバーで方針を決めるのもかねて開く飲み会なのでしょうか。それとも忘年会や歓送迎会などを一部の社員だけで行うような飲み会なのでしょうか。
これらの飲み会がどの勘定科目に計上出来て、どのように経費として計上できるのかを以下で見ていきましょう。
■2)その2
■2)福利厚生費で計上できる飲み会とは?
そもそも福利厚生費とは何なのでしょうか。
その定義は「給与や交際費以外に全従業員に対して平等に支出される費用」です。例えば全従業員での慰安旅行や、運動会などがこの福利厚生費に当たります。他にも法定福利費と言って、介護保険料や健康保険料、厚生年金保険料などもこの福利厚生費に含まれます。
この勘定科目の特徴として、経費として計上できる上限額が特別設けられていない点が挙げられます。そのため中小企業などでは節税対策も兼ねて慰安旅行をする企業が多かったのです(近年ではそのような余力がない企業も増えていますが)。そしてこの条件を適用すれば、小規模企業であれば飲み会への適用範囲もかなり広くなることがわかるのではないでしょうか。
例えば先ほど挙げた10人の従業員全員で慰労会を兼ねた飲み会を開けば、これは立派な福利厚生費になります。もちろん限度を超えた金額であれば問題になりますが、常識の範囲内での支出であれば全額経費で落とすことができます。
もちろん期末棚卸の後に行う全従業員参加の打ち上げも福利厚生費として計上できます。
■3)その3
■3)会議費で計上できる飲み会とは?
会議費とは文字通り、会議のための支出です。
そのためあくまで仕事の延長である点が重視されます。例えば仕事でチームを組んでいるメンバーだからと言って一軒目からキャバクラに行って、そこの会計を会議費として計上することは当然できません。
ほかにも普段会議に使っていないような場所や常識的に考えて会議に適していない場所などでの飲食は会議費としては認められません。
また原則として会議費には上限は設けられていませんが、「通常の昼食程度の支出に相当する金額まで」という曖昧ではありますが、決まりがあります。これを逸脱するような支出は会議費としては認められません。
先ほど挙げたようなプロジェクトチームの事業方針を決定するための会議に1杯や2杯程度のアルコールが出る、といった程度の「会議としての体裁を崩さない程度の飲み会」の会計であれば「会議費」として計上が可能です。
■4)その4
■4)接待交際費で計上できる飲み会とは?
接待交際費の一般的なイメージは、得意先や事業提携先の企業の人間に対して接待や供応をする際の支出というものだと思いますが、社内交際費と言って、社内における交際費もこの勘定科目に含まれるのです。
前者の社外に対する交際費の上限は参加した人間一人当たり5000円とされています。後者に関しては上限額はないものの、これを経費として法人税確定申告の際に計上できる金額は平成26年度から「全ての交際費の50%」に変更されました。
そのためいくら支出してもその50%までしか経費としては使えず、往年のバブル期のように使えば使うほど節税になる、という時代はすでに終わっています。
またこの「50%」という数字も資本金1億円以下の事業所にのみ提要される条件で、それ以外の比較的大きな規模の企業では1円たりとも交際費を確定申告の時に経費として計上できなくなったのです。
■まとめ
■まとめ|会社それぞれのルールと国のルール
もちろん会社の規定で「事業部での期末の飲み会は全て経費として計上できる」などと書いていれば、幹事の人はほとんど何も考えずにそのままレシートを経費として落としてしまって構いません。
ただし、ここで見てきたように、国の定めた「経費とはなんぞや」というルールを知っていなければ、いざ確定申告になった時に「あれ、飲み会の会計、全然経費で落とせないじゃないか」と経理や事業主が頭を抱えてしまいます。
小規模企業などにおいては「会社のお金=みんなの生活基盤」なのですから、より計画的に経費を使うためにも、国のルールをしっかりと理解して、幹事としての責任をしっかり果たしましょう。