ふるさと納税の申請方法・税務控除の手続きをわかりやすく解説
2015年からふるさと納税制度が改正されました。「ふるさと納税の上限額が2倍に!」「確定申告が不要に!」など各種メディアで取り上げられていますが、制度を利用するためにはどんな手続きが必要なのでしょうか。2015年のふるさと納税の変更点と合わせて、小林 京花 税理士に解説していただきました。
1)ふるさと納税制度改正、変更点は?
2015年のふるさと納税制度改正の中で、大きな変更点は以下の2つです。
- 個人住民税の1割だった控除上限額が、2割に拡充される(2015年1月1日から適用)
- 給与所得者(サラリーマン)等については確定申告が不要となる<ワンストップ特例>(2015年4月1日から適用)
ただし、ワンストップ特例を受けるためには以下の条件を満たす必要があります。
- 確定申告をする必要のない給与所得者等であること 年収2000万円以上の所得者や、医療費控除のために確定申告が必要な場合は除く
- 2015年1月1日~3月31日の間に寄附をしていないこと 4月以前に寄付をした場合は確定申告が必要です
- 1年間の寄付先が5自治体以下であること 1つの自治体に複数寄付をしても1カウントとなります
控除額が大きく、またサラリーマンにとっては敷居が高かった確定申告が不要となることで、本年度はさらに利用が増えると考えられています。さて、それでは確定申告をせずに控除を受けるためにはどのような手続が必要なのでしょうか。
2)ふるさと納税、ワンストップ特例の流れ
- 自治体に寄附をする
- 自治体に申請書を郵送する(「寄付金税額控除に係る申告特例申請書」)
- 自治体から申請書受付書が届く
- 翌年6月に居住自治体から住民税控除の通知が届く
1~2までが寄付者が行う手続きです。 申請書用紙については、寄付時に一緒に申請書の送付を申し込むか、別途自治体に連絡して送ってもらう必要があります。インターネットから申し込める自治体については、申込みフォームに「申請書を希望する」というチェックがある場合が多く、これを利用すると便利です。申請書に必要事項を記載し、押印の上自治体まで郵送にて提出となります。 ワンストップ特例の適用において「5自治体以下」までという条件があります。申請後に寄付先自治体が6以上になった場合は、本申請がなかったものとみなされ、別途確定申告が必要になりますのでご注意下さい。
<参考>肉・米・パソコンまで!?知らないと損するふるさと納税のおすすめ12選
3)確定申告でも、もちろんOK
以上のように、ワンストップ特例には一定の条件と手続が必要になります。また、年の途中で居住地を変更した場合にはふるさと納税をした翌年の1月10日までに寄付先自治体に届出を行う必要があります。
特定条件をみたさない場合や特例を使わない場合は、従来通り確定申告をして税額控除を受けることになります。ふるさと納税のみの確定申告であれば、源泉徴収票をベースに数字を入力し、寄付先自治体から送られてきた「寄付金受領書」通りに寄付金控除について情報を入力するだけです。とても簡単ですので、確定申告にトライするチャンスでもあります。
4)まとめ
いかがでしたでしょうか?最近さらにお得になったと話題のふるさと納税制度。サラリーマンは確定申告が不要になったワンストップ特例によって、より一層手続きが手軽になりました。今年こそは手続きを正しく理解して、ふるさと納税制度を上手に活用してください。