所得税の納付期限についてわかりやすく解説
年が明けると、確定申告のシーズンが到来します。今回は、平成27年分所得税の納付期限と、もし過ぎてしまった場合の罰則や対策について分かりやすく解説していきます。
1)所得税の納付期限
平成27年分所得税の納付期限は以下の通りです。
・現金納付 … 平成28年3月15日(火) ・振替納税(※) … 平成28年4月20日(水)
※振替納税とは銀行や郵便局の口座より所得税を納付する制度で、事前に税務署への申請が必要です。 申請書は以下のリンクのP38(手引ページP37)をDLして利用できます。 《申請書》確定告書の手引き
2)納付期限を過ぎてしまった際の罰則
所得税の納付を納付期限までに行わない場合のペナルティとしては主に3点あります。
(1)延滞税
延滞税は所得税を納付期限までに支払わなかった場合の、「遅延利息」のようなペナルティです。
気になるペナルティの金額ですが、以下のようになります。 ・納期限の翌日から2月を経過する日まで⇒年2.8% ・それ以降⇒年14.6%
最初の2ヶ月は一昔前の住宅ローンくらいの利息なのに対し、それ以降はサラ金並みの利息を取られてしまいます。
国税庁のHPにて延滞税を自動計算するツールがありますので、気になる方はそちらで計算することをお勧めします。
(2)各種加算税 確定申告書を提出しないいわゆる「無申告」や、所得税を少なく申告した等の場合には上記の延滞税の他に各種加算税という重いペナルティが課される可能性があります。
(3) 青色申告特別控除65万円 最後に記載したペナルティですが、人によっては上記のペナルティよりもこれが金銭的には一番大きな影響を受けるペナルティかもしれません。青色申告特別控除65万円を適用するための要件の1つとして「期限内申告」というのがあります。
この控除は所得税の金額だけではなく、住民税や国民健康保険料の計算にも影響します。人によってはこの控除が使えないだけで、所得税・住民税・国民健康保険料合計で10万円以上も支払いが増加するケースがあります。
3)納付期限までに所得税の支払いが間に合わない場合の対策
罰則があるとはいえ、どうしても所得税の納付が期限に間に合わない! という人がいるのは事実です。そのような方を救済する制度をご紹介します。
(1)延納
延納とは、所得税の納付期限までに半分以上の所得税を納めれば、残りは5月31日まで猶予するという制度です。この場合、利子税という税金がかかります。金額は「年1.8%」なので延滞税より負担は小さく、また、この利子税は罰則的な意味合いで課されているわけではないので経費として認められています。
延納制度を利用するのはとても簡単で、確定申告書の1ページ目に納付期限までに支払う金額と5月31日に支払う金額を記載するだけです。
(2)納税緩和制度
これは延納を利用しても所得税を支払いが困難な場合に、さらに分割納付等を税務署にお願いする制度です。
この制度を利用する場合は、直接税務署に行っても良いのですが、交渉事になりますので、税理士さんやお近くの納税団体に仲介してもらったりアドバイスをもらったりすることをお勧めします。
4)まとめ
いかがでしたでしょうか、税金の話は難しく、確定申告書を作成するだけでも大変ですが、税金を納めるお金を確保するのはもっと大変です。年間を通して計画的に納税資金を貯蓄できるのがベストですね。
また、所得税の確定申告で手一杯になりますと、源泉所得税の納付(1月20日期限)や、消費税の確定申告(3月31日期限)に手が回らないこともありますのでお気を付け下さい。