Airbnbの確定申告はしていますか? ~確定申告の義務と無申告によるペナルティとは~
日本におけるAirbnbは、旅館業法との兼ね合いでグレーと言われつつありますが、訪日外国人を中心に利用者が増えており、話題になっています。そんなAirbnbによって宿泊施設を提供し、宿泊料金を得た場合、確定申告は必要なのでしょうか。また、確定申告が必要な場合に無申告でいるとペナルティはあるのでしょうか。
今回は、個人でAirbnbを行った場合の確定申告について解説します。
1.そもそも確定申告は必要なのか?
Airbnbの形態はさまざまで、自宅を提供するだけでなく、自己所有の物件を提供したり、賃貸物件を転貸するケースもあります。どのような形態であっても宿泊料金という収入を得ているため、一定以上の所得がある場合には確定申告が必要です。
2.サラリーマンが副業で行う場合でも申告が必要か?
サラリーマンなどお勤め先からの給与しかない方(給与所得者)は、お勤め先で年末調整を受けているので確定申告の必要がありません。ただし、Airbnbなどの副業で一定の所得を得ている場合は、確定申告が必要です。
具体的には、年末調整を受けた給与所得者であっても副業による所得金額が20万円を超える場合は確定申告が必要なので注意してください。なお、「所得金額が20万円」とは、受け取った宿泊料金が20万円を超えるかどうかで判断するということではありません。
「所得金額」とは、“収入金額から経費を差し引いた金額”のことなので、副業における利益をイメージすると分かりやすいです。たとえば、Airbnbで得た宿泊料金が30万円であり、一方でその額を得るための必要経費が12万円だった場合、所得金額は30万円から12万円を差し引いた18万円となります。
このように、宿泊料金だけでなく経費もしっかりと管理・集計することで税額を抑えられるだけでなく、確定申告の必要の有無を判断する材料になります。
3.住民税の確定申告が必要な場合も
前掲のとおり、所得金額が20万円を超えない場合、確定申告の義務はありません。しかし、確定申告義務がないのは、「所得税」についてのみであり「住民税」の確定申告は必要ですのでご注意ください。
所得税の確定申告をすると税務署が申告内容を自治体に送ってくれるため、住民税の確定申告をする必要はありません。そのため、義務がないとしても所得税の確定申告をするのも手です。
4.確定申告しない場合のペナルティはあるのか?
では、Airbnbで得た所得によって確定申告の義務がある給与所得者がうっかり確定申告をしなかった場合、どのようなペナルティがあるのでしょうか。申告期限内に申告し、本来は納税額が出るはずだったのにもかかわらず申告しなかった場合には、次のようなペナルティが課されます。
・無申告加算税
申告期限までに確定申告をしなかったことにより課される税金です。税額は、納税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額となります。なお、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、この無申告加算税が5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。
・延滞税
納付期限までに納めるべき税金を遅れて納税した場合に課される税金で、利息のようなものです。これは、納付期限の翌日から実際に納付した日までの日数に応じて計算されます。計算は年によって異なり、平成28年については、延滞期間が2ヶ月分までは納税額に対して、年2.8%の割合、2ヶ月以降分には年9.1%の割合となります。
5.確定申告はお忘れなく
日本ではこれから数年の間に国際的イベントの開催がいくつも控えており、それに伴う訪日外国人が増々増えることによってAirbnbは、いままで以上に注目されることが予想されます。そのなかで今後、Airbnbで宿泊料金を得ることを考えている方、あるいはすでに宿泊料金を得ている方は、所得の状況により確定申告が必要であることにご注意ください。
「あの人も申告していなかったし、どうせバレないだろう」と高を括り、確定申告を怠ると 後々でペナルティが課せられ、本来払うべきであった税額以上に納税しなければならなくなります。ご自身で確定申告をする自信がなければ、税理士に相談をするなどして、いまから少しずつ準備をして忘れずに確定申告を行いましょう。