領収書を紛失してしまったときの5つの対処方法
領収書を紛失してしまったら、慌てずにしかるべき対処をしましょう。
この記事では、領収書を紛失してしまった場合の5つの対処方法についてご紹介します。
領収書はなぜ必要なのか
経費を支払ったことを証明する証拠となる領収書は、税務申告に欠かせない書類のひとつで、税務申告を終えてもその後7年間は領収書を保存しておかなければなりません。
現在はスマートフォンで領収書を撮影して保存する「電子帳簿保存」が認められていますが、この制度を利用開始する3ヶ月前に「国税関係帳簿の電磁記録等による保存等の承認申請書」を提出しなければなりません。
領収書はレシートでも認められますが、確実に経費として認めてもらうためにも宛名とお品書きの記載されている領収書を取得する習慣をつけておきましょう。
領収書を紛失したら
領収書を紛失してしまった場合は、以下の5つの方法で対処しましょう。
1:領収書の再発行を依頼する
いくら探しても領収書がないならば、領収書を再発行してもらいましょう。
支払いを証明できるのは支払いを受けた側だけなので、領収書の再発行は発行元にお願いするしかありません。
ただし、領収書の発行義務はあっても再発行の義務はなく、再発行を依頼しても拒否されてしまう可能性があります。
“金銭又は有価証券の受取書とは、金銭又は有価証券の引渡しを受けた者がその受領事実を証明するために作成し、その引渡者に交付する単なる証拠証書をいいます。そのため、金銭の受領が1回であっても、その受領事実を証明する目的で作成したものであれば、第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)に該当することになります。”
<引用元>国税庁:再発行した受取書
2:レシートで代用する
領収書の代わりに会計時にもらえるレシートを領収書として代用できます。
レシートには、代金を支払った日時や場所、購入したものが詳細に記載されているので、支払いの証拠はそろっています。
領収書との決定的な違いがあるとすれば、宛名が記載されていないことです。
レシートでは本当に会社の経費として購入したものなのかを完全に証明できないため、私的な買い物を疑われてしまう可能性もあります。
少額の支払いならばレシートでも大きな問題とはなりませんが、高額な支払いの場合はレシートよりも領収書を取得しておいたほうが安全です。
レシートが感熱紙だと時間の経過とともに印刷が薄れてしまうので、長期間保存しておくことを考えると電子帳簿保存を検討したほうがいいでしょう。
“請求書などでは、これにプラスして誰がレシートをもらったのかを記載する必要がありますが、領収書のたぐいでは省略をすることが認められています。”
<引用元>経営ハッカー:領収書とレシートの違いについてわかりやすく解説
3:利用明細や振込明細、通帳記録で代用する
購入が現金ではなくクレジットカードや銀行振込によるものであれば、クレジットカードの利用明細や通帳記録、購入確認メールなどの「改ざん不可能な書類」を領収書の代わりとすることも可能です。
支払側によっては購入証明書や支払証明書を、領収書代わりに有料で再発行してくれる場合もあります。
1つの書類だけでは証拠として弱いと感じるようであれば、同じ支払いについての複数の証明書類をまとめて保存しておくといいでしょう。
4:出金伝票やメモで代用する
上記の方法で解決できないようであれば、現金を支払ったときに発行する出金伝票を活用しましょう。
冠婚葬祭用の出費など、領収書が発行されない性質の出費には出金伝票を使用するため、領収書に記載されるはずだった金額の出金伝票を証明書の代わりにできます。
出金伝票には、支払日時、支払相手の名称、支払金額、支払目的を記載して領収書関係の書類とまとめて保存しておきます。
5:どうしても証拠が残せないなら自腹もありうる
再発行をはじめとするあらゆる方法が適用できないとなると、領収書を紛失した人が自腹で支払って領収書をもらいなおすという方法をとるケースもあります。
紛失申請が可能だと、仕組みを乱用して経費をごまかすなど社員に悪用されてしまう可能性があるため、領収書の紛失を会社側が安易に認めることはないでしょう。
やってはいけないこと
領収書でやってはいけないのが、コピーをとることです。
少しでも領収書の改ざんが疑われるようであれば、経費としては認められなくなってしまいます。
カラの領収書を発行してもらい、金額を自分で記載するという方法は脱税行為となってしまうため絶対にやってはならないことです。
まとめ
領収書は経費を計上して節税するために必要な重要書類です。
紛失しないことが基本ですが、万が一紛失したとしても慌てて不正な方法を取ろうとするのではなく、しかるべき方法で問題を解決するよう努めましょう。