2019年10月26日(土)0ブックマーク

退職金の住民税の計算方法を計算例つきでわかりやすく解説

経営ハッカー編集部

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会社員が退職するときに受け取ることができる「退職金」は、長く勤めあげたことに対する恩給として支払われるものです。
 
恩給としてだけでなく、退職後の生活資金や賃金の後払いなど、支給する会社の規定によって退職金の位置付けが異なる場合もありますが、それらはすべて「退職金」という名目のもとに退職者に対して一時的に支払われるものです。
 
退職金には、毎月の給与と同じく所得税や住民税が課税されますが、退職金の持つ意味あいが給与とはまったく異なることから、税金の優遇措置が適用されます。
 
今回は、退職金にかかる税金のうちの住民税にスポットを当ててくわしく解説していきます。
 

 

退職金は「退職所得」

退職金は「退職所得」という所得の項目になります。
 
そのため、給与所得をはじめとする他の所得とは別に課税する「分離課税」という方式で計算されます。
 
退職金は退職金を支払う事業者によって源泉徴収されるので、退職後に確定申告をする必要はありません。
 
退職金全額が課税対象となるのではなく、退職所得控除額を退職金から差し引くなど、税負担が軽くなるような仕組みが用意されています。
 

“退職金は、上記の式で算定された額を退職者に対し退職時(一般的には退職日から30-60日以内の退職金規程で定める期間内)に全額を支払います。”
 
<引用元>経営ハッカー:退職金制度の種類と仕組みは?退職金制度を作る際に知っておきたいこと

 

退職金の計算は勤続年数がポイント

退職金の計算をするにあたって重要な指標となるのが退職する人の「勤続年数」です。
 
勤続年数が20年以下になるか以上になるかで、退職所得控除額の基準が大きく異なります。
 
また、退職理由が障害を負ったことによるものである場合には優遇措置が適用されます。
 

 

退職金の計算方法

退職金の住民税は、「退職所得控除額」をもとに「退職所得」を算出し、退職所得に「住民税額」をかけて計算した金額です。
 

退職所得控除額を計算する

退職所得控除額の計算方法は以下のとおりです。
 
勤続20年以下:40万円×勤続年数(80万円未満なら80万円)
勤続20年超:(70万円×(勤続年数−20年))+800万円
 
勤続年数「19年4ヶ月」などの場合、月単位の部分は1年切り上げなので勤続年数は「20年」となります。
 

退職所得を計算する

退職所得の計算方法は以下のとおりです。
 
(退職金−退職所得控除額)×0.5=退職所得
 
勤続年数が22年で退職金を1,000万円受け取れる人の場合、(70万円×(勤続年数22年−(20年))+800万円で退職所得控除額は940万円となるので、退職所得は以下のようになります。
 
(退職金1000万円−退職所得控除額940万円)×0.5=退職所得30万円
 

住民税を計算する

住民税の税率は都道府県税率4%と市区町村税率6%の合計10%で、計算方法は以下のとおりです。
 
退職所得×住民税率10%=住民税
 
勤続年数が22年で退職金を1,000万円受け取れる人の場合の退職所得は30万円なので、住民税は以下のようになります。
 
退職所得30万円×住民税率10%=3万円
 
よって、退職金の住民税額は3万円です。
 
算出された住民税に100円未満の端数がある場合については切り捨てになります。
 

 

まとめ

退職金の住民税を計算するポイントは、「退職所得控除額」「退職所得額」「住民税率」です。
 
このの3つの数字がわかれば、順番に該当する数字を計算式に当てはめて計算していくだけで簡単に住民税を算出できます。
 
源泉徴収の対象となる分離課税の退職金は、退職金を支払う会社が計算した税額に基づいて計算され、退職年の1月1日時点で居住している市区町村に申告・納税することになります。
 
なお、分離課税の対象とならない退職金は、退職した翌年の所得に課税されます。
 
退職者が自分で退職金の住民税を計算する必要はありませんが、給与所得とは別の方法で計算されていることを知っておくと住民税の心配も少し和らぐかもしれません。
 

“退職金は、通常、その支払を受けるときに所得税及び復興特別所得税や住民税が源泉徴収又は特別徴収されます。”
 
<引用元>国税庁:退職金と税

 

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