マイナンバーの桁数は?法人番号と個人番号の違いを専門家が解説
いよいよ10月に全国民に通知されるマイナンバーですが、個人だけでなく、法人にも番号が振られることをご存知でしょうか?
個人に付番される個人番号が12桁であるのに対し、法人番号は13桁となっていますが、違いはそれだけではありません。以下ではまだあまり話題にされることがない、マイナンバー制度における法人番号の内容について取り上げます。
1)法人番号とは
法人番号は1法人に対し1番号のみ。法人の支店や事業所等には付番されません。また、その番号は12桁の基礎番号およびその前に付された1桁の検査用数字(チェックデジット)の数字で構成される13桁となります。法人への通知は、個人番号と同じ平成27年10月から行われ、書面により以下の所在地に通知されます。
1. 設立登記法人
登記されている本店又は主たる事務所の所在地
2. 設立登記法人以外の法人や人格のない社団等で国税に関する法律に規定する届出書を提出している団体
当該届出書に記載された本店又は主たる事務所の所在地
2)法人番号はインターネットで公表
個人番号は非常に秘匿性の高い情報として、漏えいを防止するための様々な安全管理措置等が求められる一方、法人番号は原則としてインターネット(法人番号公表サイト)を通じて、以下の基本3情報とともに公表されるます。
- 法人番号の指定を受けた団体の商号又は名称
- 本店又は主たる事務所の所在地
- 法人番号
この法人番号公表サイトでは、法人情報を番号・名称・所在地で検索することができます。また、法人情報はダウンロードすることも可能。企業等のシステムから法人情報を直接取得するためのWeb-API機能も搭載されるので、様々な業務ソフトなどで利用されることになるでしょう。
このように法人番号は公表情報として様々な場面で活用することが想定されています。この点が個人番号ともっとも大きな違いとなっています。
3)法人番号、活用のメリット
法人番号についても個人番号同様、平成28年1月以降、税や社会保障など様々な手続きにおいて利用されます。例えば、法人税を申告する際、平成28年1月以降に開始する事業年度に係る申告から法人番号を記載する必要があります。
個人番号については、プライバシー保護の観点からその利用範囲に様々な制約が設けられています。一方、法人番号にはそのような制約がないため、今後は取引先管理など様々な場面で活用されることが予想されます。法人番号を使うことで、以下のようなメリットが期待されています。
1. 取引先管理の効率化
- 法人番号をキーに法人の名称・所在地が容易に確認できる。
- 最新の名称・所在地情報が入手可能となり、取引先情報の登録・更新が効率化できる。
- 複数部署またはグループ各社において異なるコードで管理されている取引先情報に、法人番号を追加することで、取引情報の集約や名寄せ業務が効率化できる。
- 法人番号を活用して企業情報を共有する基盤が整備されれば、企業間取引における添付書類の削減等、事務効率化ができる。
2. 行政手続きの効率化
- 行政機関間での法人番号を活用した情報連携が図られ、行政手続における届出・申請等のワンストップ化が実現すれば、法人(企業)側の負担が軽減できる。
個人番号(マイナンバー)は、取扱規程の策定や各種安全管理措置の実施が求められていることから大きな話題になっています。一方で法人番号は公表情報であるため、そのような手間がなく、結果としてあまり話題になっていません。しかし、企業にとってはむしろ法人番号の方が業務効率化に大きな効果が期待できまるのです。
マイナンバー制度への具体的な対応については拙著、「マイナンバー制度の実務と業務フローがわかる本」(日本実業出版社)も是非ご覧ください。
この記事は、社会保険労務士法人名南経営 大津 章敬様に寄稿いただきました。 経営ハッカーでは、記事制作にご協力いただける方を募集しております。 お申し込みはこちらから