マイナンバーに職歴や副業がバレる?正しく理解すれば怖くないマイナンバーについてのまとめ
会社からマイナンバーの提出を求められたら応じるしかありませんが、「マイナンバーを提出すると職歴がわかってしまうのだろうか」とモヤモヤした気持ちになる方は多いようです。
そこで、マイナンバーを会社に提出する理由について解説していきます。
マイナンバーを会社に提出する理由
マイナンバーを会社に提出してからどのように利用されるのかを知れば、職歴がバレてしまうかどうかがわかってきます。
税金の手続きのため
会社が給与を支払う場合、会社が本人に代わって納税します。
源泉徴収した所得税は税務署に、特別徴収した住民税は納税者が住んでいる市区町村に納付します。
この手続きを行うためにマイナンバーが利用されます。
社会保険関係の手続きのため
会社員の健康保険や厚生年金などの社会保険、雇用保険の手続きは会社が行います。
この手続きを行うためにはマイナンバーの記載が必要です。
“社会保険の加入や確認、脱退や給付の際だけでなく、出産や育児により休業する場合も届出にマイナンバーの記載が必要となります。”
<引用元>経営ハッカー:マイナンバー(個人番号)が社会保障手続で必要になるのはどんな場面か
マイナンバーで職歴がバレる?
会社員であればマイナンバーの提出からは逃れられないことがわかりました。
では、それによって職歴などのいろいろな情報を会社が把握できてしまうのでしょうか。
マイナンバーは利用範囲が限られている
マイナンバーを利用して税金や社会保険などの手続きを行う会社は「個人番号関係事務実施者」という位置づけです。
個人番号関係事務実施者とは、「マイナンバーを必要とする事務処理を行うために個人情報を含んだ書類を作成できる者」という意味があります。
つまり、会社が「税金や社会保険の個人情報を作成」できても、「個人情報を閲覧」する立場にはないということになるため、マイナンバーを提出したことによって職歴やその他の個人情報が会社の手に渡ることはないのです。
マイナンバーで会社が手にする情報
マイナンバーの提出を受けた会社が知ることになるのは次の情報です。
・12桁のマイナンバー
・氏名
・住所
・生年月日
・性別
以上の情報はすべてマイナンバーカードに記載されている情報であって、データ化されている情報は一切含まれていません。
“法令で定められた手続のために、行政機関や民間企業などへのマイナンバーの告知が必要となります。”
<引用元>政府広報オンライン:特集 社会保障・税番号制度〈マイナンバー〉
会社が職歴を知る方法はマイナンバー以外のところにある
会社に職歴がバレるとしたら、それはマイナンバーがきっかけではなく職歴が記載されている「年金手帳」や「雇用保険被保険者証」が会社の手に渡ったときです。
マイナンバーで副業はバレるのか
マイナンバーで職歴がわからないならば、現在進行中の副業もわからないかというとそうではありません。
会社は税金を本人の代わりに納付するため、税務署や市区町村の役所と納税者の税額についてやりとりしています。
副業がなければ住民税は給与所得に対する税額のままですが、住民税はすべての所得にかかる税金なので、副業分の住民税が増えていることで副業がバレる可能性があります。
住民税で副業がバレないようにする方法
マイナンバー制度が登場するずっと前から、住民税を見れば副業しているかしていないかがわかる仕組みでした。
しかし、確定申告のときに住民税に関する事項の「給与・公的年金などに係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」という項目で「自分で納付」を選択すれば、会社の給与から差し引かれる住民税に副業の住民税が加わることはなく、副業していることを知られないで済みます。
マイナンバーの今後の可能性
マイナンバーから職歴がわかることは現状ではありませんが、マイナンバーで年金や雇用保険を管理するようになれば、マイナンバーから職歴がわかるようになるかもしれません。
まとめ
マイナンバーを会社に提出したとしても、会社が職歴を知ることはありませんし、確定申告で住民税を自分で納付するよう申告してあれば副業が知られることもありません。
マイナンバーがどのように利用されているかを正しく理解すれば、個人情報をすべて把握されてしまうような心配はなくなるでしょう。