ETCの領収書(利用証明)の受け取り方と経理処理や税務上の扱いについて解説
ETC利用時は、領収書や利用証明が手元にない
ETCを利用した場合、明細が手元に残りません。どうしたら領収書(利用証明)を入手できるのか、入手できない場合の会計上の問題はないのか、確認していきましょう。
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1)高速道路のETC利用と領収書
高速道路や有料道路を利用した場合、利用料金を払う方法は2つあります。1つは一般ゲートを通って現金で支払う方法。もう1つは、ETCを利用する方法。前者については領収書が発行されますが、後者の場合、後日クレジットカードの請求書が届いて初めて、利用の明細が手元に残ることがあります。この場合、経理の処理や税務の扱いはどうなるのでしょうか。
結論から言うと、
・原則、利用した日で経理処理する ・領収書ではなくETC利用証明やカード利用明細を根拠として会計処理する ・税務の取り扱いにおいて、ETC利用証明やカード利用明細で問題が起きることは少ない
となっています。
では、ETCの利用証明は、どのように取得できるのか見てみましょう。
2)ETC利用証明の取り方
ETCを利用した場合は現金支払とは異なり、領収書は発行されず、明細を利用の都度取得することはできません。次に示す3つの方法によってETC利用証明を取得すれば、利用内容を把握でき、それに基づいて経理処理も随時行うことができます。
1. 一般レーンを通る
一般レーン又は一般/ETCとあるレーンにおいては、停車してETCの利用証明を受領することが可能です。もっとも、ETCのメリットが薄れてしまいますが。
2. パーキングエリア・サービスエリア等にある「ETC利用履歴発行プリンター」を利用
過去の使用履歴が無料で確認・印字できます。 〈参考〉ETC利用履歴の印刷について
3. プリンターで印刷
タクシー等であれば車載搭載型、それ以外でもパソコンにてダウンロードし、プリンターで利用証明を印刷することができます。「ETC利用照会サービス」を利用します。利用登録すれば過去15か月、しない場合でも過去62日の履歴を確認できます。 〈参考〉ETC利用照会サービス
出張費の経費精算などにおいては、高速道路を利用した社員にETC利用証明の提出を求めるのも不正精算防止の一つのポイントとなります。
3)利用証明がない場合の扱い
繰り返しになりますが、ETCは利用の都度、利用証明を入手することができません。利用証明がない場合、問題は起きないのでしょうか。
ETCを利用すると、クレジットカードの利用明細が後日届きます。日付や区間、金額が記載されていますので、それらを基に経理処理が可能です。例えば12月16日から1月15日利用分が記載されていて、個人事業主や12月31日が決算日の法人場合、記載されている履歴のうち12月16日から12月31日については当期、1月1日から1月15日利用分は翌期の経費にします。
ただし、カード利用明細が届かなかったり紛失したりした場合、経理処理に時間がかかります。
税務上の扱いですが、ETCの領収書や利用証明がなく、クレジットカードの明細しかないからといって、所得税の必要経費や法人税上の損金算入にすることを妨げるという話は、何百社という税務調査の事例を知る中でも聞いたことはありません。また、消費税申告に必要な証憑となるかどうかの判定も通達等にはありませんが、問題になった例は過去にありません。
4)まとめ
ETCの利用証明の取り方と、利用証明がない場合の扱いについて見てきました。利用の都度、特に社員の経費精算時には印刷して取得し、経理処理をするのが望ましいと言えます。何らかの理由でクレジットカード明細で経理処理をする場合も税務上の問題は生じませんが、経理処理のタイミングが遅くなる場合がありますのでご注意ください。
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