次の年度末に苦労しないために、個人事業主はどのように領収書を保管しておけば良いのか
3月の確定申告をされた皆さま、たいへんお疲れさまでした。確定申告を乗り切るのは、年にたった一度のこととはいえ、あまり気分が高揚する作業ではないですよね。
「やっと確定申告が終わった!これで来年まで考えなくて済む!」となってもよいのですが、こうしておくと、翌年の確定申告がちょっぴりラクになる「領収書の保管小技」をご紹介します。
確定申告作業を見据えて保管するには、まず以下の3点をおさえてください。 1.個人事業主は1年の集大成として確定申告が必要 2.確定申告作業では、溜まった領収書を全て帳簿つけする必要がある 3.後工程の作業のしやすさをふまえて保管すると、後々の作業が格段にラク
Step1 まずは書類の種類で分けよう
実は個人事業主にまつわる書類は、領収書だけでなく、請求書、納品書、見積書等があります。 よくある失敗例として、異なる書類をすべて1つにまとめてしまって、後に帳簿つけするときに混乱してしまうことです。
経理作業は、「書類の種類毎に分類しておく」と効率的にできます。そのため、書類ごとにクリアファイルや封筒で分類し、領収書、請求書、その他、と別々にわけて保管するのがオススメです。
Step2 1つの取引に複数の書類がある場合はホッチキス留めしよう
もし1つの取引に、領収書、請求書それぞれがある場合は、重複して帳簿付けすることを避けるため、「ホッチキスで留めておく」等して別々にならないように注意しましょう。(その場合、保管は領収書として分類しておけばOKです)
なお、納品書や見積書は、基本的に請求書が同じ取引に存在しているため、特別に保管しておく必要はありません。ただ、万が一を考えて、これも請求書とホッチキス留めしておくとベターです。
Step3 領収書を月別に保管しよう
作業のしやすさを考えると、1月から12月まで順番に帳簿付けすると、効率的にできます。 書類毎に分類ができたら、次は時系列順に分類しましょう。オススメは、12個以上のポケットが付いたクリアファイルです。
たとえば、「2016年度領収書」としたクリアファイルに、1月、2月、3月・・・と12個のポケットが付けておき、分類した領収書を入れておくイメージです。こうすることで、後の作業もしやすくなりますし、探し物も見つけやすくなります。
Step4 可能であれば、勘定科目毎に細分化するとより効率的に
月別に領収書を保管しておくだけで充分ではありますが、領収書の数が多い方はさらに「勘定科目毎に領収書をまとめておく」と、さらに効率的です。
たとえば、交通費・通信費・会議費・その他のような形で出費毎に分類しておくイメージです。帳簿付けは、必ず勘定科目を付ける必要があるので、その勘定科目毎に領収書を分けておくことで帳簿つけの際により効率的に行えます。
Tips その1 クレジットカードの利用明細はどう扱うべき?
よくある疑問として、「クレジットカードの利用明細は捨てても良いのか」があります。
結論から言いますと、「領収書が保管されているなら、利用明細は捨ててもOK」です。ただし、利用した明細を一覧で確認できるのは便利ですし、Web上で確認するにも確認期限があるので、保存しておくと確認用には便利ではあります。 (必須ではないので、一覧で確認したい人は保管すればOKです)
Tips その2 クラウド上に保管すれば、紙の保管はきっちりでなくても大丈夫
上記でご説明した方法は、すべて物理的に保存する方法です。一方で、スキャナーやスマートフォンで撮影しておき、クラウド上に保管しておけば、紙の保管はきっちりでなくてもよいでしょう。 (ただし、捨ててしまうのはNG)
たとえば、freeeやDropbox 等を使ってクラウド上でフォルダを分けて、スキャンや撮影したPDFデータを入れておけば、物理的にきれいに保管する必要はありません。クラウド上で保管しておけば、紙の領収書はまとめて大きめの封筒にバサッと入れて保管しておけば大丈夫です。
日々の帳簿付けも、オンラインバンキングやクレジットカードを会計ソフトに同期しておけば、領収書を見ながら入力する……という作業すら不要です。なお、現金払いは手入力が必要なので、なるべく現金払いはやめてクレジットカード払いにするのがオススメ。マイルやクレジットカードのポイントもたまるので一石二鳥です。
<関連リンク>
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まとめ
• 書類毎に分類し、1つの取引に複数の書類がある場合はホッチキス留めをし、月ごとに分類する。(さらに可能な人は勘定科目毎に細分化) • 一方、freee等のクラウドツールをお使いの方は、クラウドツールに領収書を保管しておき、帳簿付けはオンラインバンキングやクレジットカードを同期して行っておけば、紙の領収書は大きめの封筒に保管しておくだけでOK。(出来るだけ現金払いではなく、クレジットカード払いにするのもオススメ)