納品書の保管期間っていつまで?社会人なら知っておきたい書類の常識
毎日届く納品書の束、いったいいつまで保管すればいいの?
会社が事業を営む以上、仕入先などから納品書が毎日のように送られてくることになります。しかも基本的には紙に打ち出されて商品と一緒に送られてくるので、たまってくるとオフィスのスペースを納品書だけで占領してしまいます。納品書は、場所をとって邪魔になるんだけど保管しておく必要があるの?とか、いったいいつまで取っておくの?とか、疑問に感じたことがある方も多いのではないかと思います。
今回はいつも目にしている納品書について、その保管期間を中心に解説していきます。
[目次] ■1)納品書とは? ■2)納品書の保管期間 ■3)納品書の保管方法 ■4)まとめ
■1)納品書とは?
まず納品書とは、一般的な商取引のどの段階で発行される書類なのでしょうか?取引の順を追って各段階で発行される書類を見て行きましょう(あくまでも一般的な取引例ですので、業界の商慣行等によって省略される書類も存在します)。
- 商品の見積り⇒商品の販売者から「見積書」が発行されます。
- 商品の発注⇒商品の購入者から「注文書(発注書)」が発行されます。
- 商品の受注⇒商品の販売者から「注文請書」が発行されます。
- 商品の到着⇒商品の販売者から「納品書」が発行されます。通常は商品と同時に納品書が購入者に届けられます。そして、この納品書の受領と同時に、商品受領の証として商品購入者から「受領書」や「検収書」を発行します。
- 代金の請求⇒商品の販売者から「請求書」が発行されます。
- 代金の支払⇒商品代金の支払い後、商品の販売者から「領収書」が発行されます。
商流としては上記のような例が一般的で、今回のテーマである納品書は販売者から購入者に商品が届けられる際に同梱されることが通常です。すなわち納品書とは、商品の販売者が購入者に対して、注文を受けた商品を納入する際に、注文を受けた商品、単価、数量、合計金額等を伝える目的で発行する書類です。
■2)納品書の保管期間
結論から書きますと、納品書に関して、税法は7年間の保管を要求しています。また、会社法は10年の取引関連証憑の保存を求めています。税法も会社法も事業を営む以上、遵守しなければならない法律ですので、7年とか10年というと長いなあ、そんなに手元に置いておかなければならないの、という方もいらっしゃると思いますが、こればかりはどうしようもありません。法律が変わらない限り、この年数は納品書を保管しておかなければなりません。
万が一、税務署による税務調査などが行われた際、納品書を法律の要求する期間内にもかかわらず保管していなかったりした場合には、商品を購入した証拠書類の整備が不十分とみなされてペナルティとして追加の法人税等の支払が課せられてしまうこともありますので十分に注意しましょう。
■3)納品書の保管方法
FDやCD-R等の電磁的媒体に納品書を保存する方法もその導入の是非が叫ばれて久しいですが、原則的に納品書の保存は紙媒体で行うこととなります。つまり商品の購入先から入手する納品書をそのまま保存しておく必要があるということです。最近では、メールに納品書をPDF形式で添付してくる取引先も増えてきていると思いますが、その場合であってもプリンタで出力し紙媒体で保存しておく必要があります。
納品書のサイズは取引先ごとにまちまちですから、保存するにあたっては、スクラッチブックやノートなどに日付順に糊付けしていくと良いでしょう。もしくは、ファイルを準備しA4用紙やB5用紙に納品書を糊付けしファイリングしていく方法でもよいでしょう。
しかし、いちいち糊付けしたりファイリングしたりするのは面倒くさいと思われる方もいらっしゃると思います。そこで例えば、クリアファイルでも空き箱でも何でも構いませんが、1年分とか1か月分とか分けてその中に納品書を入れていくということだけでもやっておくことをお勧めします。要は後日、税務署などの調査が入った際に、商品が納入された証拠となる書類がきちんと存在するということが重要です。
■4)まとめ
いかがでしたでしょうか?納品書が一体どういった書類であるのか、どのくらいの期間保管しておかなければならない書類なのか、理解して頂けましたでしょうか。最後に、まとめとして納品書の意義と保管期間、保管方法について記載しておきます。
- 納品書は、商品を購入した際に販売者から購入者に対して発行される、購入した商品の種類、単価、数量、合計金額等が記載された書類であるということ。
- 納品書の保管期間は、税法では7年、会社法では10年と定められているということ。
- 納品書は、基本的には紙媒体で保管する必要があり、日付順にファイリングされていることが望ましいが、一番大切なことは納品書を紛失せずに保管しておくということ(したがって、入手した納品書を空き箱等に入れていくだけでも差支えない)。