2015年07月13日(月)0ブックマーク

資金繰りの救世主!所得税の予定納税額の減税申請を税理士が解説

経営ハッカー編集部

所得税-予定納税-減税申請

予定納税額の減額申請とは?

前年の所得税が15万円以上である個人事業主などは、今年分の所得税の一部をあらかじめ納付しなければなりません。これを予定納税といいます。

ただし、税務署より通知される予定納税額は、今年も前年並みの所得水準となることを前提に算定されているため、状況の変化によって前年よりも利益が落ちている方にとって、予定納税が資金繰り的に多大な負担となってしまいます。

そこで、今年の所得税が前年の所得税に満たないことが見込まれる場合、税務署に申請することで、所得税の予定納税額を減額することができます。これが減税申請と呼ばれる手続きです。

 

1)予定納税の申請対象者

予定納税の減額申請ができるのは、6月30日時点または10月31日時点で今年の所得税が前年の所得税に満たないことが見込まれる方です。

「今年の所得税が前年の所得税に満たないことが見込まれる」というのは具体的に、次のような方が該当します。

  • 廃業や休業、失業をした方
  • 業況不振などにより今年分の所得が前年分の所得よりも70%以下になると見込まれる方
  • 災害や盗難、横領により損害を受けた方
  • 多額の医療費を支出した方
  • 扶養家族が増えた方や、新たに障害者や寡婦(夫)になった方
  • 社会保険料や小規模企業共済等掛金、生命保険料、地震保険料、住宅ローン、寄付金などの控除対象となる支出が増加した方

2)予定納税の減額申請手続

申請書様式 「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書」に申告理由などを記入します。

平成27年分所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書(国税庁)

提出時期 減額申請の提出は、予定納税の時期に合わせて、年2回行うことができます。

提出時期

所得税及び復興特別所得税の予定納税(第1期分)の納税をお忘れなく(国税庁) 所得税及び復興特別所得税の予定納税(第2期分)の納税をお忘れなく(国税庁)

添付書類 添付書類として今年の所得税見積額の根拠書類を提出する必要があります。業況不振などにより所得が70%以下になると見込まれる方については、6月末時点の試算表などを提出が必要なため、日ごろの記帳作業を怠っている方にとっては7月15日までの提出が負担となります。

3)予定納税のケーススタディ

予定納税の具体的なケースとして前年分の所得税が60万円、今年分の所得税が30万円だった場合を、減税申請しないケースと減税申したケースに分けて考えてみましょう。

減額申請をしない場合 予定納税額は前年分の所得税額により算定されるため、60万円×1/3=20万円。これを7月と11月の2回に分けて納付します。そして確定申告時には実際の所得税額30万円と予定納税額40万円との差額の10万円が還付されます。

なお、還付時には利率2.8%の還付加算金が加算されるといるメリットがあります。 予定納税で得する?個人事業主なら押さえておきたい予定納税の活用法

減税申請しなかった場合

減額申請をした場合 6月末時点で今年の所得税見積額を30万円と見積もり、7月に減額申請したとします。予定納税額は今年の所得税見積額により算定されるため、30万円×1/3=10万円。これを2回納付します。そして確定申告時には実際の所得税額30万円と予定納税額20万円との差額10万円を納付します。

減税申請した場合

4)まとめ

当初の予定納税額どおりに税金を納めることが、資金繰りの状況から厳しい方にとっては是非活用していただきたい制度です。ただし、結局は先に払うか後に払うかの違いでしかありませんので、事務負担の増加や還付加算金の有無なども考慮して、上手にご活用ください。

白石 哲也
経営者は、とかく孤独な存在であるといわれます。事業を運営していくうえで様々な場面で問題に直面し、絶えず適切な判断を迫られているからです。そのような立場にある経営者が安心して本業に専念できるよう、専門家として幅広い分野でお力になることが白石会計事務所の使命と考えます。

 

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