経理・財務2015年06月30日(火)
まもなく税務調査がやってくる?経営者なら知っておきたい税務調査の対象や時期などのポイント
税務調査はこれからが本番!?
税務申告の時期も終わり、やっと一息つけられている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実は7月から「税務調査」という頭の痛い問題が増えてきます。そんな悩みの種の「税務調査」。どのようなものか事前に知っておくのと知らないのとでは対応に大きく差が出てきます。まだ税務調査を受けたことがない方も、何度も税務調査に入られた経験がある方も税務署がどのような考えで、どう行動するのか、ということを知っておいても損はありません。 この機会に「傾向」を学び、「対策」を考えてみませんか。
1)税務調査は突然やってくる?
「税務調査」という言葉は、あまり聞きたくない言葉だったりします。だけど避けられないことでもあります。国税庁の発表によれば、平成24年度で年間20万件の税務調査が実施されているようです。 税務申告のピークが終わり、税務署が繁忙期でなくなる6月末辺りに、税務署では人事異動が行われ、税務署としての年度が毎年7月にスタートします。このため7月から11月ぐらいにかけて税務調査を本格的に実施していくことになります。 税務署も空振りに終わっては意味がないため、税務調査を実施するとはいっても事前に会社にいるかどうかの確認をしてから訪問することがほとんどです。映画「マルサの女」のように突然調査が入るというのはほぼないため、ご安心ください。また、顧問税理士がいらっしゃる場合は、あらかじめ顧問税理士に対して調査を実施する連絡を税務署が行いますので、この場合も「突然」ということはないため安心です。 ただし、現金取引がほとんどの会社や、証拠隠滅が疑われるような場合は、抜き打ち調査が実施されることもあるようです。2)どのような会社が税務調査を受けるのか
どのような会社が税務調査の対象となるのでしょうか。 税務署署員にも「ノルマ」があるため、ノルマを達成できなさそうな会社に調査に入ってもほとんど意味がないと考えています。税務署署員の「ノルマを達成できそうな会社」とはどんな会社なのでしょうか? それは、「税務申告漏れがある可能性が高い」会社です。あくまでも「可能性」です。 例えば、現金売上が多い会社、売上や利益が急成長している会社、同業者と比べて申告している所得が著しく少ない会社、決算書上の金額に異常な値がある会社、メディアに取り上げられ知名度が急に上がっている会社などが、税務調査の対象になりやすいという傾向があります。該当する場合、要注意です。3)税務調査への対応ポイント
では、税務調査が入ると分かった場合、どう対応すればいいのでしょうか。 まずは過去5年間の決算書と税務申告書、総勘定元帳、それに領収書や請求書といった証憑類を準備します。その上で、例年と異なる取引があればうまく説明できるようにしておきます。例外的な取引ほど調査官が興味を持つところなので、念入りに準備しておきましょう。 場合によっては、机の中やカバンの中も調べられるので、整理整頓を心がけておきます。 できるだけ短時間に調査が完了するように準備します。仮に長引いた場合は、「反面調査」といった取引先に対して調査官が出向き調査をするケースもあります。そうなると取引先にも税務調査が入っていることが分かるだけでなく、業務を止めてしまうため迷惑をかけかねません。 事前の準備が勝負、といったところでしょうか。まとめ
いきなりの税務調査はなかなかありませんが、調査に入るとなった場合は日程変更ぐらいしかできません。完全に調査を逃れるのは無理だと考えた方がいいでしょう。また、勝負は事前準備にどれだけかけるかということです。事前準備さえしておけば、税務調査は半分終わったと考えてもいいでしょう。もちろん、日頃から正しい財務体制を整えておくことは大前提です。後で痛い目を見ないように、しっかりと正しい会計を心がけてください。 ただ、いつ何が起こるかわからないので、経理担当者と相談の上、日頃からしっかりと対応を練っておきたいものです。経営ハッカーでは、記事制作にご協力いただける方を募集しております。 お申し込みはこちらから