2019年08月30日(金)0ブックマーク

ちゃんと理解すればもう怖くない!法人税の中間申告と中間納付についてわかりやすく解説

経営ハッカー編集部

法人税-中間納付-申告

法人税の中間納付は、法人税を納付している事業者にとってちょっとした悩みのタネです。

しかし、中間納付があることによって助けられる事業者があることも事実です。

今回は、どうして法人に中間納付が必要なのか、中間納付がどのような仕組みなのかなどについて解説していきます。

 

法人税の中間申告・納付とは

法人税の中間納付では、事業年度の中間に前年度の法人税の半分を納付します。

事業年度開始から6ヶ月を超える普通法人が、事業年度開始後6ヶ月経過してから2ヶ月以内に中間報告書を提出するのが原則です。

3月が決算月の会社なら、6ヶ月後の9月末から2ヶ月後の11月末までに中間納付をしなければなりません。

結局のところ支払う納税額は同じなのにもかかわらず、わざわざ回数を分けて申告・納税するとなると企業にとっては負担がかかってしまいます。

しかし、わざわざ回数を分けるのにはそれなりの目的があるのです。

“法人税の中間申告とは、前期に納めた法人税額の半分を事前に国に支払う制度のことを指します。事業開始日より6ヶ月を、経過した日から2ヶ月以内に支払います。”

<引用元>経営ハッカー:法人税の中間申告、誤解しやすい6つのポイントをプロが解説

 

法人税の中間納付の目的

法人税の中間納付の最大の目的は、納税する法人の負担を軽減することです。

申告の手間こそかかるものの、まとめて多くの法人税を支払う負担が半分になり、資金繰りがしやすくなります。

国や地方自治体にとっては、中間納付があることによって税収を安定化できるというメリットがあります。

 

中間申告をしなくてもいい法人

NPO法人や設立初年度の法人、前年の法人税納税額が20万円以下の法人は、法人税の中間申告・納税を行う必要はありません。

 

法人税の中間申告の方法

法人税の中間申告を行う方法は以下の2つです。

前期実績による中間申告(予定申告)
前年度の法人税の2分の1を納付する方法が「前年実績による中間申告」で、通常は「予定申告」と呼ばれています。

予定申告の計算式は、「前の事業年度の法人税額÷前事業年度の月数×6」です。

前事業年度の法人税額が100万円で月数が12ヶ月の場合は次のような計算になります。

1,000,000円÷12×6=499,998円

1ヶ月の相当額=499,900円(100円未満切り捨て)

ここで注意したいのが、計算式の順番にしたがって「1,000,000円× 6÷12」と計算しないことです。

申告方法は、税務署から送付される「所定申告書」に計算した納税額を記入して申告するだけです。

手間がかからないのは大きな魅力ですが、前年に比べて収益が少ない場合には負担が重くなるというデメリットがあります。

 

仮決算による中間申告

事業年度開始から6ヶ月経過した時点までを1事業年度とみなし、中間決算の内容に応じて法人税を納付する方法が「仮決算による中間申告」です。

仮決算による中間報告のメリットは、前年に比べて収益が少ない場合に法人税を低く抑えられることです。

予定申告よりも手間がかかる方法ですが、資金繰りを少しでもスムーズにしたい法人にとっては便利な仕組みです。

“法人税法第71条第1項第1号では、「前事業年度の確定申告書に記載すべき法人税額を当該前事業年度の月数で除し、これに6を乗じた金額」と規定されていることから、まず前事業年度の確定申告書に記載すべき法人税額(以下「前事業年度の確定法人税額」といいます。)を前事業年度の月数で除して(円未満の端数切捨て)、その整数値に6を乗ずる方法。”

<引用元>国税庁:https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/24/04.htm

 

中間申告をしないとどうなるのか

中間申告をしなければならない法人が申告をしなかった場合は、前年の実績による中間報告書の提出があったものとみなされ、前年実績から納付額が算出されます。

つまり、中間申告をしなくても罰則等はなく、自動的に予定申告と同等の処理がなされるということです。

前年実績が反映される予定申告よりも、現状の実績が反映される仮決算による申告のほうが納税額を抑えられる事業者は、中間申告をしないことのデメリットをもろに受けてしまいます。

 

住民税や事業税の中間申告

法人の住民税と事業税も中間申告を行います。

申告も納付も計算方法は法人税と同じですが、法人税のように好きな方法を選べるというわけではなく、法人税の中間申告で選択した方法で住民税と事業税が計算されます。

 

まとめ

中間申告・納付は、2つの方法を選択できることによって法人の税負担を減らすことができるというメリットがある仕組みです。

仮決算による申告を選択するのは特別な場合であって、問題がなければ予定申告が選択されることがほとんどです。

法人経営者は、中間申告・納付に2つの方法があるということを頭に入れておくと、中間申告に不必要な手間をかけることはなくなります。
 

 

———— この記事は、山本頼人税理士事務所 山本 頼人 様に寄稿いただきました。 経営ハッカーでは、記事制作にご協力いただける方を募集しております。 お申し込みはこちらから

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