社内交際費は1人5000円以下?社内飲食費に関する勘定科目まとめ
勘定科目でこんなに差が出る?!社内の飲食費を見つめ直そう!
社内交際費として社内で飲み食いをした後、悩みがちなのが簿記の記帳をどうするかです。ついつい飲み食いしすぎたり豪華な食事をしても交際費扱いにしてしまうのは避けなければなりません。少しでも有利な処理ができる勘定科目はどれか、チェックしていきましょう。
[目次] ■1)勘定科目によってメリットが異なる ■2)接待交際費で処理すると? ■3)会議費で処理すると? ■4)福利厚生費で処理するには? ■5)判断基準は「常識の範囲かどうか」
■1)勘定科目によってメリットが異なる
取引先との接待自体が減ってしまっている昨今ですが、社内のコミュニケーションを円滑にするための社内交際費の重要度は変わりません。とりわけ社内の役員や社員たちとその家族に対する接待費のことを社内飲食費と呼びます。
この社内飲食費ですが、どのような目的で使われたかによって簿記に記帳する際の勘定科目が異なります。支出の状況によって勘定科目がわかるので経理をする上でややこしいため、ついつい安易に仕分けてしまいがちです。しかし、どの勘定科目に沿って経費の処理をしたかによってメリット、デメリットがあるため的を絞った処理が大切となります。
■2)接待交際費で処理すると?
「交際費」と聞くとテレビドラマや映画で見られるような取引先やお得意様との接待を思い浮かべるかもしれません。もちろん、料亭や飲み屋での社外に対する接待が基本なのですが、実は社内での飲食費も交際費に含めてしまうことができます。これがいわゆる「社内交際費」です。
接待交際費の場合、一人当たり5,000円以下なら損金算入が可能という話を聞いたことがあるでしょう。社内交際費も損金にすればすばらしいのですが、残念ながら社内の役員やサラリーマンで支出した場合はこの特例は適用されないので要注意です。
ちなみに、グループ会社や親会社、子会社についての飲食費は飲食交際費に含めることができます。同じ会社のなかでの飲食費は社内交際費になりますが、会社が違えば原則として接待交際費になると覚えておけば良いでしょう。
■3)会議費で処理すると?
接待交際費よりも会議費として処理する方が損金として扱える場合があります。飲食費を仕事の会議や相談で使ったのであればメリットが大きくなります。たとえば、仕事の経過報告や事業展開についての相談を飲食店で行ったとしましょう。会議費で処理するメリットは一人当たり5,000円以下という縛りもありません。
また資本金によった区別もないため交際費よりも経理上有利に処理できます。もちろん常識的な範囲無いでの飲食であり、かつあくまで「会議費」なので二人以上の参加者は必要です。会議費は取引先やお得意様が来社したときの商談や仕事の打ち合わせも含むため、社内交際費との区別が曖昧になりがちです。「社員をランチに誘って仕事の相談をした。」という程度のイメージが無難です。
■4)福利厚生費で処理するには?
5,000円以下という縛りやアルコールの有無に関係なく処理できるケースがあります。社内のイベントごとに合わせて社員が通常の飲食した場合がこれに当たり、福利厚生費として処理できます。
勘定科目を福利厚生費で処理する最大のメリットは飲食代が所得税の対象外となることです。 具体的には社内で創立記念日や運動会をしたとき全員で弁当を食べるといったものです。仕事の相談や接待ではないため人数の制限がないのも特徴です。
■5)判断基準は「常識の範囲かどうか」
社内交際費をなんでもかんでも損金処理しようとしたり会議費や福利交際費など、税制上有利な方向で考えるのは注意が必要です。社内のイベントであっても歓送迎会や親睦会が月に何度も開かれたり、高級ホテルでどんちゃん騒ぎをするようなことでは経費として認められなくなります。 あくまで社内の仕事にまつわる通常の飲食であるという、常識のラインかどうかで簿記の処理をすることが大切です。
■まとめ
社内交際費もそれぞれの勘定科目でメリットが大きく異なるようですね。接待交際費、会議費、福利厚生費など、まずはそれぞれの勘定科目の特徴をつかんでおくことが重要です。税制上優遇されたり、損金処理できたりする勘定科目もあるので飲食の支出目的と照らし合わせて有利な記帳をしたいところです。
交際費の大半は飲食費となるためついついあいまいに領収書を仕分けがちですが、ちょっとした意識で節税対策にもつながりそうですね。いずれにしても、あまりに常識から外れた飲食は勘定科目の定義から外れてしまいます。あくまで仕事を円滑に進めるためのビジネスツールとして飲食があるという意識を忘れないようにしましょう。