年末調整 もう悩まない!「住宅借入金等特別控除申告書」の記入方法を徹底解説
住宅ローンを組んでから10年目までは「住宅ローン控除」の対象です。
ただし、消費税の引き上げに伴い、令和元年(2019年)10月1日から令和2年(2020年)12月31日の間の住宅ローンについては、住宅ローン控除の期間が3年延長されるため、13年目まで控除の対象となります。
この場合、11年目以降の3年間は「建物購入価格の2/3%」か「住宅ローン年末残高の1%」で金額の少ないほうを控除されます。
“消費税率 10%が適用される住宅取得等について、住宅ローン控除の控除期間を3年延長(改 正前:10 年間⇒改正後:13 年間)します。”
<引用元>財務省:個人所得課税
初回は自分で確定申告をしなければなりませんが、次の年からは年末調整で処理できるようになります。
確定申告の後に税務署から送付されるのが「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」という書類です。
住宅ローン控除を受けている間は毎年使用する書類となるので、届いたら失くさないよう大切に保管しておきましょう。
年末近くになると、住宅ローンを組んでいる金融機関から残高証明書が送付されてきま
す。
必要書類は2つ
住宅ローン控除を受けるために必要なのは以下の2つの書類です。
・給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書
住宅ローン控除の計算例
以下の条件で住宅ローン控除額を計算してみましょう。
・居住開始年月日が平成31年(2019年)3月24日
・家屋の取得価額が10,000,000円
・土地の取得価額が12,500,000円
・家屋の総床面積は70平方メートル、土地の総面積は80平方メートル
・すべて居住用として使用している
・住宅借入金の年末残高は、住宅及び土地等で17,000,000円
<参考>国税庁:給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
①から⑭までの番号とアルファベット表記は、必要事項を記載する場所を見分ける際の目印になります。
まずは年末残高を記入する
左上にある①の「新築または購入に係る借入金等の年末残高」という項目のⒸの「住宅及び土地等」の欄に年末残高として「17,000,000」と記入します。
借入をしている金融機関が1社のみであれば、送付されてきた残高証明書に記載されているローン残高を記入するだけです。
複数の金融機関から借り入れているのであれば、単純に残高を合計した額を記入します。
連帯債務の場合は、右下の備考欄にローン残高と負担する分の残高について文章で記載し、住所と名前と捺印、勤務先名と勤務先住所を記入し、備考欄の上「連帯債務による住宅借入金等の年末残高」に残高の総額を記載します。
この場合、Ⓒの「住宅及び土地等」の欄に記入するのは自分が負担する割合のローン残高です。
家屋と土地の金額を記入する
②の「家屋または土地の取得対価の額」のすぐ右にあるⒶの「住宅のみ」の欄には家屋の取得価格「10,000,000」を、Ⓑの「土地等のみ」の欄には土地の取得価格「12,500,000」を記入します。
Ⓒの「住宅及び土地等」の欄には、家屋と土地の合計金額「22,500,000円」を記入します。
その下の「家屋の総床面積又は土地等の総面積のうち居住用部分の床面積又は面積の占める割合」は、要するに「居住用/総面積」という意味です。
このケースだと、Ⓐに家屋の床総面積の「70/70 」Ⓑ に土地の総面積「80/80」Ⓒに「100」と記載すればOKです。
ただし住宅が自宅兼店舗や事務所であれば、「居住用部分」の面積を記入します。
① と② の少ないほうを記入
次は、④ の「取得対価の額に係る借入金等の年末残高」のⒸに、① と② の少ないほうを記入します。
①が17,000,000で②22,500,000なので、 ここには「17,000,000」が入ることになります。
「居住用部分の家屋又は土地等に係る借入金等の年末残高」は③×④なので、100×17,000,000で「17,000,000」と記入します。
平成26年(2014年)4月1日から令和元年(2019年)6月30日までに居住した場合の限度額は40,000,000万円なので、⑪ の特別控除額の計算基礎となる借入金等の年末残高は「17,000,000 」となります。
最後は税率1%をかけて終了
⑪ の「17,000,000 」に税率1%かけた「170,000」(100円未満は端数切り捨て)が、⑭ 「の住宅借入金等特別控除額」です。
還付される時期
住宅ローン控除の還付金は、12月分の給与と合わせて受け取るケースがほとんどです。
源泉徴収額が住宅ローン控除額よりも多いか少ないかによって還付金の額も変わります。
所得税で控除しきれなかった場合、居住開始年や消費税率などの条件によっては翌年の住民税から控除されます。
まとめ
控除申告書を見るととても複雑そうに見えますが、残高証明書などの必要書類を手元に置いてひとつひとつ丁寧に数字を当てはめていけば、控除額は意外と簡単に計算できます。
“住宅ローン控除については、通常であれば、サラリーマンは購入した1年目のみ確定申告をして、2年目以降は年末調整で税金の計算をすることになっています”
<引用元>経営ハッカー:住宅ローン控除の必要書類とその集め方