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2020年03月10日(火)

住民税の生命保険料控除とは?計算例や所得税の違いをわかりやすく解説

経営ハッカー編集部
住民税の生命保険料控除とは?計算例や所得税の違いをわかりやすく解説

hoken

 

生命保険料控除といえば所得税を精算する年末調整を思い浮かべるかもしれませんが、実は住民税にも生命保険料控除があります。
 
今回は、住民税の生命保険料控除についてくわしく解説していきます。
 

 

生命保険料控除で住民税が安くなる

生命保険料控除を適用すれば、支払っている生命保険料に応じて最大7万円の住民税控除を受けることができます。
 
生命保険料控除には以下の3種類があります。
 

一般生命保険料控除

一般生命保険料控除の対象となる保険は、生命保険(死亡保険)養老保険、収入保障保険などです。
 

介護医療保険料控除

介護医療保険料控除の対象となる保険は、介護保険、医療保険、がん保険などです。
 

個人年金保険料控除

個人年金保険料控除の対象となるのは、税制適格特約がある個人年金保険などです。
 
税負担を軽くするためには、所得総額から各種所得控除額を差し引いて課税所得を減らす必要があります。
 
住民税は課税所得に税率をかけることで算出されるので、生命保険料控除を所得から差し引くことによって課税所得を減らし、税負担を軽くできます。
 
相続対策等で「生命保険の非課税枠」で保険に加入した場合は控除できないので注意しましょう。
 

“生命保険料控除の対象となる保険契約等には、生命保険契約等、介護医療保険契約等及び個人年金保険契約等があります。”
 
<引用元>国税庁:No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等

 

扶養内のパートなども生命保険料控除の対象になる

年収103万円以内でパートをしている人が配偶者の扶養に入っている場合で、「生命保険料を配偶者からの支払いとし、保険金の受取人を本人もしくは配偶者、親族にしている」のであれば生命保険料控除の対象となります。
 

 

均等割は対象外

住民税の均等割とは、所得額に関係なく決められるため、生命保険料控除額に関係なく一定額が課税されます。
 
均等割の金額は自治体によってそれぞれ異なっており、市区町村や都道府県によって1,000円前後の差が出ます。
 

 

生命保険料控除の新旧制度の違い

生命保険料控除についての法律が平成24年(2012年)1月1日から改正され、旧制度と新制度の2つの基準が存在するようになりました。
 

旧制度

旧制度は、契約日が平成23年(2011年)12月31日以前の保険契約で、平成24年(2012年)1月1日以後契約更新もしくは契約変更がされていない保険契約を対象とした制度です。
 

新制度

新制度は、契約日が平成24年(2012年)1月1日以後の保険契約で、平成23年12月31日以前お保険契約のうち平成24年(2012年)1月1日以降に契約更新もしくは契約変更された保険契約を対象とした制度です。
 
旧制度との違いには以下のようなものがあります。
 
・介護医療保険控除の新設
・適用限度額の変更
・合計適用限度額の変更
・控除額の算出方法の変更
 
新旧両方の生命保険に加入している場合で、旧制度の保険料が6万円超なら旧制度の方法で計算した控除額が(最高5万円)、旧制度の保険料が6万円以下なら新旧両方の方法で計算した控除額の合計額(最高4万円)が控除額となります。
 

 

住民税の生命保険料控除の計算例

旧制度の死亡保険で年間15万円、新制度の医療保険で年間7万円、新制度の個人年金を12万円支払っている場合の計算例は以下のようになります。
 
旧制度の死亡保険15万円の控除額は、「年間の支払保険料が10万円以上なら控除額は一律で5万円」なので「5万円」です。
 
新制度の医療保険料7万円の控除額は、「支払保険料等×1/4+20,000円=控除額」に当てはめて計算すると「3万5,000円」となります。
 
新制度の個人年金12万円の控除額は、「年間の支払保険料等が8万円超なら一律4万円」なので「4万円」です。
 
3つの控除額を合わせると「50,000円+37,500円+40,000円=127,500円」という計算になるので、控除額は「12万7,500円」となります。
 

"平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に係る保険料と平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に係る保険料では、生命保険料控除の取扱いが異なります。"
 
<引用元>国税庁:保険と税

 

所得税の生命保険料控除とどう違うのか

所得税と住民税の生命保険料控除の違いは、「控除の上限額」と「控除の反映方法」です。
 
所得税は保険料を合算しますが、住民税は3つの区分の控除額を合算した金額で、上限も所得税は12万円で住民税は7万円とそれぞれ異なります。
 
所得税の控除はその年の所得税に適用して「還付金を受け取る」という形になりますが、住民税の控除は翌年の住民税に適用して「控除分が差し引かれた住民税を支払う」という形になります。
 

 

ふるさと納税との関係に注意が必要

住民税に影響するという点で気をつけたいのが「ふるさと納税」です。
 
生命保険料の控除を受けると課税所得が少なくなり、ふるさと納税控除上限額も小さくなることによって節税効果が弱まってしまいます。
 

 

まとめ

住民税は所得税を精算すると自動的に計算されるので意識が向きにくいところがありますが、控除についての知識があれば住民税の節税を効率化する助けになります。
 

"生命保険料控除とは、本人が生命保険に加入し支払った保険料の額に応じて、一定金額が所得から差し引かれ、税額が下がる制度です。生命保険料控除の対象となる生命保険料には「一般の生命保険料」「個人年金保険料」「介護医療保険料」の3つのタイプがあります。"
 
<引用元>経営ハッカー:生命保険料控除とは?書き方・計算方法まで徹底解説!計算例付き【年末調整】

 

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