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2015年08月02日(日)

個人事業主がマイナンバー導入で発生する業務と対策まとめ

経営ハッカー編集部
個人事業主がマイナンバー導入で発生する業務と対策まとめ

個人事業主のマイナンバー対策 マイナンバー制度、いよいよ今年10月から番号通知がはじまりますね。2015年からの本格的な運用前に、マイナンバーを扱う会社や会計事務所では、その対策と準備で大忙しですが、個人事業主の皆さんも他人事ではありません。 ということで、今回は個人事業主がマイナンバー導入で発生する業務と対策をまとめてみました。

1)個人事業主の番号は個人番号

10月から国民への通知がはじまるマイナンバーですが、法人には法人番号というものが発行されます。

では、個人と法人の中間のような存在の個人事業主には「個人事業主番号」なるものがあるのかというと...ありません! なので、個人事業主は、番号の提供を求められた際、個人番号(マイナンバー)を使用することとなります。 マイナンバーを利用するシーンとして、まず思い浮かぶのは、確定申告書への番号記載。こちらは平成28年分の確定申告(平成29年3月15日までの申告)から記載をすることになります。これだけなら負担はあまりなさそうですが、その他にもマイナンバーが必要になってくる場合があります。

〈参考〉 今さら聞けないマイナンバー制度(番号制度)とは?重要ポイントまとめ 【全事業者必見】厳選8選!マイナンバーが0から理解できるガイドラインまとめ

2)キーワードは「支払調書」

個人事業主が自分の確定申告以外でマイナンバーを使う場合とは...?キーワードは「支払調書」。報酬をもらう側と支払う側、2つの立場で関わってきます。 マイナンバー支払調書

1. 支払調書とは

支払調書(しはらいちょうしょ)とは、特定の支払をした事業者(法人または個人事業主)が、その支払の明細を書いて税務署に提出する書類のことをいいます。支払調書は、その名の通り支払いを調べる書類で、税務署側で、支払いを受けた者がきちんと申告しているかどうか照らし合わせるために利用されます。支払調書には様々な種類がありますが、個人事業主に最も関係深いのは、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」でしょう。

(1)報酬の支払いを受ける場合 事業者から報酬の支払いを受ける個人事業主の場合、前年分の支払額と天引き税額が書かれた書類が取引先から送られてきて、それを元に確定申告をする方も多いのではないでしょうか。この書類が支払調書です。 ※厳密には、これは“支払調書”ではなく、取引先事業者からの任意の“支払通知書”です。支払調書とは本来、支払者から税務署に出す書類で、支払先の支払調書提出は義務ではないからです。しかし慣習上、支払調書と同一の書式で送っている事業者が多いようです。

(2)報酬を支払う場合 従業員に給料を支払っている個人事業主は、給料や報酬を支払う際に、所得税の天引きをして、本来の納税者の代わりに税務署に納める「源泉徴収義務者」になります。この場合、報酬(外注費)の支払については、支払調書を作成する側の立場になります。 なお、支払調書は、年間一定額以上の支払をした方だけの分を作成、税務署に提出すれば良いことになっています。 ※「源泉徴収義務者」でない個人事業主(ひとりで働いている方など)は、支払調書の作成・提出の必要はありません。

<参考>「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数|国税庁

2. 支払調書に記載する

「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」は、平成28年分(実際に発行されるのは平成29年1月以降)から下記の書式を使うことになる予定です。 支払調書

「支払を受ける者」「支払者」の氏名または名称の右側に、「個人番号又は法人番号」という欄がありますね。この支払調書の番号を埋めるためには、自分の立場ごとに、以下の対応が必要になってきます。

(1)自分が「支払いを受ける者」の場合 自分の番号を「支払者」に通知する

(2)自分が「支払者」の場合 「支払を受ける者」の番号の通知を受ける(ただし、支払先が法人の場合は、法人番号が公表されるので聞かなくても分かる)

<参考>【マイナンバー導入】法定調書への記入・提出方法・注意点まとめ

3. 本人確認が必要

番号通知の際、支払者は、他人の番号のなりすましを防止するため、支払を受ける者の「本人確認」をすることが義務付けられています。具体的には、以下の方法で確認を行うことになるでしょう。

(1)「個人番号カード」の提示 「個人番号カード」とは、平成28年1月以降、希望者が申請すれば発行してもらえる写真、ICチップ付きのカードで、身分証明書も兼ねています。こちらの提示で、番号確認と身元確認が同時にできます。

(2)「通知カード」(番号確認用)と運転免許証、パスポートなど(身元確認用)の両方の提示 「個人番号カード」がない場合は、10月に届く「通知カード」と身分証明書の両方の提示が必要です。身分証明書は、運転免許証、パスポート等、写真が貼付されたものであれば1つで良いのですが、写真が貼付された公的に発行された身分証明書がない場合は、健康保険の被保険者証と年金手帳など、2つ以上の書類の提示が必要です。   本人確認をする側も、される側も、これまではあまりなかった作業なので、最初はギクシャクするかもしれませんが、スムーズに対応することが、お互いの信頼関係を築くことにもなるかと思います。

〈参考〉マイナンバーの本人確認をオンラインでやる方法を総務省に問い合わせてみた

3)個人事業主で従業員に給料を払っている場合

個人事業主で従業員がいて給料を支払っている場合は、従業員からもマイナンバーを預かります。従業員には、以下の書類などに記載する必要があることをお知らせして、マイナンバーの通知をしてもらい、本人確認を行います。

  • 給与所得の源泉徴収票
  • 給与支払報告書
  • 社会保険に加入している場合は、社会保険関係の各種書類

4)預かったマイナンバーの管理に注意

報酬支払先や従業員から預かったマイナンバーの管理には、十分注意しましょう。少なくとも、カギのかかるところに大切に保管、PCに保存する場合は最新ウィルス対策ソフトの導入、机の上に出しっぱなしにしない、必要がなくなったマイナンバーは廃棄、などの対応が必要です。

<参考> 税理士が語るマイナンバーのセキュリティ対策に必要な6つのこと 小規模事業者必見!マイナンバーガイドラインのかんどころ|特定個人情報保護委員会

5)まとめ

いかがでしたでしょうか。個人事業主の場合、支払いを受ける者と支払者の両方の立場があり、さらに従業員の給料を支払っている場合など、場面ごとにいろいろな業務が発生しそうです。マイナンバーの管理にも気を配らなくてはなりません。個人事業主は、マイナンバー担当も結局は自分になりますから、来年になって混乱しないよう、事前の準備と心構えをしっかりしておきましょう。

かみむら会計事務所は、 スモールビジネス・フリーランスの皆さまの支援に力を入れています。 お気軽にお声がけください。

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