働き方改革2015年06月11日(木)
不動産鑑定士が語る不動産投資を成功させている人の5つの共通点
不動産投資に本当に使える本は1冊もない
書店にずらりと並んでいる不動産投資の本をご覧になったことがある方もいらっしゃると思います。8割くらいが個人的な成功体験の内容で、2割くらいが投資を注意喚起する内容の本が売られています。どれも面白そうなタイトルですが、不動産鑑定士の視点で読んだ時、特に成功体験の本は再現性が低い内容が書かれていることがほとんどです。この分野では残念ながら不動産鑑定士が書いている本は殆ど見かけません。そこで今回は不動産鑑定士として不動産投資を成功させるポイント5つを紹介したいと思います。
1)アセットタイプはワンルーム
不動産投資のアセットタイプの基本はワンルーム賃貸マンションです。単身世帯の人は部屋を買うより借りることを選びます。一方で、ファミリー世帯の人は借りるより買う方を選びます。そのため賃貸需要は圧倒的にワンルームの方が強いです。2DK以上の投資マンションもありますが、空室率も高く賃料単価も低いので、投資対象としては外しましょう。2)投資エリアは23区内
次にエリアです。エリアについては東京23区内がオススメです。なぜかと言うと、東京都が「2035年まで単身世帯が増える」と予想しているからです。また、東京都の人口は2020年の13,382千人がピークと予想されていますが、単身世帯はその後も増えると予想されています。理由としては地方から都内への人口流入や晩婚化や高齢化による単身世帯の増加が挙げられます。 一方で、ワンルームの供給は、㈱不動産経済研究所によると2013年の首都圏の投資用マンション供給戸数は5,703戸で、ピークだった2007年の9,210戸と比較して、62%まで落ちているという状況です。これは23区内がワンルーム条例と言われるワンルームの建築を規制する条例をかけているためです。この条例ができた背景としては、放っておくと23区はワンルームだらけになり、地域コミュニティの崩壊が始まり、ゴミ出しマナーも悪くなると行政が考えていることが挙げられます。そのため23区内は需要に対して供給が少なく、投資に適していると言えます。3)住環境も大事
3つ目は住環境です。ワンルームであっても、住む人は住環境にこだわります。特に女性の単身者が増えているため、街の雰囲気や商店街の充実度は重視されます。平日は帰って寝るだけかもしれませんが、土日は住んで楽しい街であることが望まれます。江戸の歴史風情か感じられる街も人気です。そのため、物件選びをする際は、周辺を歩いてみて自分が住んでみたいかどうかの判断基準で選んでみることをオススメします。4)きれいな形の部屋が人気
4つ目は間取りです。間取りと言うよりは、正確には部屋の形です。都内のワンルームマンションはほとんどが上述のワンルーム規制により25㎡に定められています。25㎡は、ちょっとでも形が悪いとデッドスペース(家の中において利用するのが難しい空間)が発生します。同じ25㎡でも形が悪ければ、机やベッドが置けず、効率が悪くなります。また図面では見落としがちですが、柱の位置も重要です。部屋に柱が出て形が悪くなっている部分も効率が落ち、狭く感じる原因になります。入居者案内の時に、デッドスペースが発生する狭くて形の悪い部屋は敬遠されがちです。実際、新築マンションで一斉に入居者募集をすると、形の良い部屋からどんどん入居者が決まります。5)賃料総額は10万円が目安
最後は賃料総額です。都内の場合、月10万円が1つの目安です。場所が良いからと言って月20万円以上するハイエンドなワンルームを選択してしまうと、賃料も下がりやすいですし、入居者探索にも苦労します。一般的な30代サラリーマン所得を踏まえて10万円程度の家賃設定の物件を選びましょう。6)まとめ
以上、ポイントを5つ紹介しましたが、これらは空室リスクと賃料の下落リスクを下げるポイントです。逆に言えば、空室は少なく賃料も下がらない物件であれば、不動産投資は成功すると言えるでしょう。今後の不動産投資のご参考にして頂ければと思います。経営ハッカーでは、記事制作にご協力いただける方を募集しております。 お申し込みはこちらから