経理・財務2015年05月30日(土)
管理会計を導入するメリットと導入の際に抑えておきたい2つのポイント
管理会計、導入していますか?
「A事業部の業績が分からない。」「Bという商品は儲かっているのか?」などといった情報を知りたい場合には、管理会計の導入がオススメです。管理会計の導入にはメリットはたくさんあります。管理会計は、企業内部のステークスホルダー間に経営管理に役立つ会計情報を提供することを目的とします。特に、企業内部の経営管理者が経営の舵取りを如何に進めるかを決定するうえで非常に重要です。
ただ、いざ導入するとなると、手間が増えるなど現場からの反発も予想されます。そこで今回は、導入が現場にもたらすメリットと、導入の際のポイントを簡単に解説していきます。
「そもそも管理会計って何?」という方は、こちらの記事をご参照ください。
〈参考〉3分で学ぶ!管理会計と財務会計の違い解説【会計基礎知識】
1)導入がもたらす現場へのメリット
管理会計は「意思決定と業績評価」のため、経営のための会計だと言われています。とはいえ、現場の担当者にとって関係のないものかというと決してそんなことはありません。 今回は管理会計導入が現場にもたらすメリットのうち、代表的なものを2点、ご紹介します。1. 現場の目標が明確になる
管理会計を導入することで、現場は、「自分たちがいつまでに何を目指せば良いのか」、などといった目標が明確になります。例えば、「3か月後に100万円の利益を出す」ことが経営目標なのであれば、現場としては「売上をあげる」「余分に使っていたコストを見直す」などといった目標を定めることができます。これらのことは、売上をあげるフロントだけではなく、バックオフィスも当てはまります。 また、管理会計を導入することによって、経営側は、どの事業部が目標を達成していて、どの事業部が達成できていないのかを横断的に見ることが可能になるので、経営計画を立てやすくなります。2. 部長・課長にも経営の感覚が身につく
先ほど、商品やサービスを販売している事業部だけでなく、バックオフィスも予算管理の必要があることを述べました。管理会計を導入することによって、その部・課の責任者は、自分の部が予算計画を達成することができるか、というPLに対する責任を負うことになります。それにより、「自分の部署は計画通り進んでいるのか」ということを意識するようになります。計画通りいかない場合は、なぜ上手くいっていないのかを分析することになりますし、解決策を検討する様になります。その部のPLに責任を持ち、“経営”することにより、経営者の感覚を身に付けられることになります。2)導入のポイント
管理会計を導入していくにあたっての重要なポイント、2点を解説します。1. 単位・ルールの整備
まず、PLをどの単位で持つのか、がポイントになります。例えば、事業部ごとなのか、その事業部が扱う商品・サービスごとなのか、といったことです。もちろん、細かくすればするほど、細かな分析が出来ますが、その分手間も増えますので、どの単位でPLを見ることが最適なのかを見極めることが大切です。 また、どんなルールを導入するかもポイントになります。財務会計と違って、管理会計は自由に会計のルールを導入できます。ただし、ルールを作る際には、「何の目的でルールを導入するか」を明確にすることが大切です。2. モニタリング体制の整備
管理会計の効果を最大限に発揮するためには、定期的にモニタリングを実施できる体制を作ることが大切です。モニタリングすることにより、計画と実績の差分を把握でき、目標に届かなそうであれば、解決策を事前に打つことができるようになります。計画を立てて終わり、ではなく、達成させるためにはモニタリングが必須ですのでぜひ実践してみてください。 また、全社横断的に情報を把握したいのであれば、PLの単位毎に担当者を置き、定期的に報告させるような仕組み作りも、管理会計を継続するためのポイントの一つです。3)まとめ
いかがでしたでしょうか。管理会計を導入にすることによって、経営者のみならず現場にもメリットがあります。管理会計は、上手に使いこなせば経営に大いに役立つツールとなります。この記事を読んで、少しでも興味を持ったら導入を検討してみてください。経営ハッカーでは、記事制作にご協力いただける方を募集しております。 お申し込みはこちらから