経理・財務2015年06月11日(木)
中小企業診断士が語る、中小企業の経営を効率化させる8つのツール|経営者に必要な知識まとめ
勢いのある会社に共通している数字の管理面
中小企業診断士として色々な企業の経営者と接している中で、元気の良い会社と言うのは社長がパッと数字が出てくる傾向にあります。中小企業は人手が少ない分、きちんと数字が管理されているだけでも「スゴイ!」と思うものです。そういう会社は、やはり効率の良い経営をしています。そこで今回は中小企業診断士として、物販や飲食、サービス業と言ったBtoCビジネスには欠かせない経営を効率化させる8つのツールをご紹介したいと思います。
1)客数
まず初めに客数の把握です。客数の中でも既存顧客と新規顧客の割合を把握しておくことが需要です。ニッパチの法則という法則があり、「2割のお客様(リピーター)がその店の8割の売上を上げている」という法則のことです。この割合は業種によっても異なりますが、リピーターである既存顧客を大切にすることは重要です。一般的に、新規顧客を獲得するよりも既存顧客を繋ぎとめる方が、経営としては効率的だからです。2)客単価
2つ目は客単価の把握です。例えばコンビニは客単価500円と言われていますが、500円以上お買い上げの方には様々な特典を与えるように工夫しています。 売上と言うのは「客数×客単価」で決まりますので、客単価が上がればその分、売上が増えます。そのため、まずは客単価を把握し、どうやったらその客単価を引き上げることが出来るのか考えてみましょう。3)顧客データ
3つ目は顧客データです。主なものは性別や年齢、住所、メールアドレスと言ったものになります。目的はメインターゲットの属性把握です。 マーケティング用語でペルソナというものがあります。ターゲット像を明確にして、その人に対して働きかけるという広告手法です。ペルソナも顧客データが充実しているほど人物像を描きやすいです。特定のターゲットへの語りかけはチラシやDMにおいても有効です。4)売れ筋商品ランキング
4つ目は売れ筋商品ランキングです。これはきちんとデータを集計することをお勧めします。意外と経営者の思っていた売れ筋商品と実際が異なっているというケースは良くあります。 売れない商品を売るより、売れ筋No.1商品を売った方が経営は安定します。1位から3位までをランキング表示するだけでも売上が増えることもあります。 特に新規顧客はランキング表示がされていると、商品を選びやすく、有り難いです。たまに「お勧めはどれですか?」とお客様が問い合わせた時に「全部です」と応えるお店があります。これはお客様が最もがっかりする応えです。新規顧客には自信を持って売れ筋No.1商品を売りましょう。5)利益率商品ランキング
5つ目は利益率商品ランキングです。これも把握していない経営者は多いです。また売りたい商品と売れる商品は異なります。利益率の高い商品を売りたければ、売れる商品とセットで販売できる方法はないか考えてみましょう。6)資金繰り表
6つ目は月次の資金繰り表です。資金繰り表は、今後運転資金がいくら必要になるかを把握します。会社の口座には運転資金の1~2ヶ月程度を常に入金しておくと経営が安定します。現預金があるからと言って安心しては駄目です。 税金等の後払いの資金については、突然、納税通知書が来て資金が足りないというパターンもあります。そのため、いつどれくらいの資金が出ていくのか、事前に把握しておくことが重要です。7)お客様アンケート
7つ目は、お客様アンケートです。「クレーム」や「ニーズ」の把握というのもありますが、最近では特に「喜びの声」を集めることが重要です。 実体験で言うと、過去に一度、お客様の手書きの喜びの声や感謝の言葉を全部スキャンしてホームページにアップしている会社にお会いしました。その会社の良さがかなり伝わってきます。それらをSNSへ投稿し、口コミの誘発に繋げましょう。8)マイナンバー管理ツール
最後は、マイナンバー管理ツールの導入です。2016年1月から導入予定のマイナンバーについてご存じですか? マイナンバーは、重要な個人情報であるため、管理が非常に難しく、業務に支障をきたす可能性が高いです。そこでおすすめするのが、マイナンバー管理ツールです。マイナンバー管理ツールを使えば、マイナンバー管理に必要なことをすべて任せることができ、業務の効率化が図れます。セキュリティ面に関しては、国際的なプライバシー認証を得ているので心配はほぼ無用です。 〈参考〉中小企業のマイナンバー対応における5つのポイント|使えるチェックリスト付き9)まとめ
いかがでしたでしょうか。今回ご紹介したツールは、どれも会社経営に気付きを与えてくれます。お金がかかる訳ではないので、取り組みやすいと思います。1つでもやってみようと思えるものがあれば、是非参考にしてトライしてみてください。経営ハッカーでは、記事制作にご協力いただける方を募集しております。 お申し込みはこちらから