経理・財務2015年06月11日(木)
税金の種類と分類をわかりやすく解説|企業に最も大きな影響を及ぼす税金は何か?
複雑な税金をわかりやすく解説
国や地方自治体の財源となっているのが税金です。税金の仕組みは複雑なため、身近な話題からその仕組みが分かるよう解説していきます。1)税金の分類
一口に税金といっても、税金の種類によって国や都道府県、市区町村など、納める先が異なります。また、直接税と間接税では納税の仕方も異なります。税金の分類の仕方としては、国税と地方税、直接税と間接税という分け方が代表的です。 国税の代表例としては所得税や法人税、消費税等があります。地方税の代表例としては都道府県税の自動車税、市区町村税の固定資産税等が身近な例です。 直接税の代表例は所得税や法人税があります。間接税の代表例は消費税の他、たばこ税や印紙税、酒税といったものがあります。2)国税と地方税
まずは国税と地方税という観点から見ていきましょう。国税の税収額としては、1位が所得税、2位が消費税、3位が法人税の順になり、この3つの税金だけで4分の3近くになります。地方税の内、市町村税の内訳としては、1位が固定資産税、2が市町村民税となり、この2つだけで7割近くの税収となります。これらの上位にランクインする税金は一般的にも良く知られています。 一方で知名度は有るけど税収が意外と少ないものもあります。その代表格が相続税です。相続税は国税ですが、国の税収の3%程度です。個人が納める税金としては億単位になる人もいますが、全体の中では実は少数派です。 〈参考〉【国税庁より】スマホで納税が!ところで国税と地方税の違いって?3)異なる役所
また国税や地方税は管轄行政も異なります。税務署と言われる機関は、国税庁の出先機関であり、国の役所になります。ドラマや映画に出てくる国税捜査官やマルサと言ったものは国の役人です。都道府県税の場合は、県税事務所や都税事務所という機関になります。例えば、自動車税を滞納すると、通知が来るのは県税事務所からです。 ちなみに東京都23区に限っては、固定資産税や都市計画税は都税事務所で扱っています。また、市町村税は市町村役場の中に、固定資産税課や市民税課という組織があります。例えば、マンションや戸建て住宅を購入すると固定資産税と都市計画税というものが発生します。これらの納税通知書は都税事務所もしくは市町村役場から送られてきます。4)直接税と間接税
次に直接税と間接税という観点からも見てみましょう。直接税で最も身近なものが所得税と法人税です。所得税は給与所得者の場合は、給与から源泉徴収という形で天引きされてから手元に振り込まれるため、普段はあまり意識することがありません。最近はサラリーマンの間でも副業が流行っていますが、副業で20万円以上を超えてしまうと確定申告が必要となります。FXやアフィリエイト等で20万円以上の副収入がある人は、必要経費の記録も付けて節税対策をした方が良いでしょう。 〈参考〉確定申告|副業で20万円以上稼いだら、確定申告しなくちゃいけないの? 直接税でもう一つの代表格は法人税です。ここ数年、法人税は税率が低くなる傾向にあります。法人税を納めているという事は、きちんと利益を出している会社の証です。銀行からの融資や、投資家からの出資を引き出すためには、法人税を納められる状態にしておく必要があります。過去には、節税のために会社を赤字にしていたら、銀行から融資を受けられなかったという話もあります。5)8%の消費税は企業にとって大きい
間接税の代表格としては、消費税です。消費税は消費者から預かった税金を企業が納税しますが、滞納が多い税金とも言われています。企業の口座の中に売上の8%が上乗せされた金額が一時的に入りますから、それを運転資金に回してしまう企業も多いです。企業の経常利益は4%を超えれば優良企業の部類に入るため、8%という割合が、いかに企業にとって大きな影響をもたらすか分かるでしょう。 〈参考〉 消費税増税の影響と生き残るための方法を考えてみる 消費税増税で我々の生活への影響は?改めてメリットデメリット確認してみた6)まとめ
いかがでしたでしょうか。代表的な税金の種類と分類について解説しました。税金にはマイナスのイメージを持つ人も多いですが、本来的には富の再配分というようなプラスの面もあります。適切な節税をしながら、しっかり納税していきましょう。経営ハッカーでは、記事制作にご協力いただける方を募集しております。 お申し込みはこちらから