【投資家の確定申告】株に関する税金の計算方法と記入方法完全ガイド
【投資家の確定申告】株に関する税金の計算方法と記入方法完全ガイド
今回は株を購入した方が確定申告ですべきことについて、株に関する税金の計算方法と記入方法のご紹介します。
■1)株初心者の為の基本的情報&株に関する税金の計算方法
皆さんがよく耳にする「キャピタルゲイン」や「キャピタルロス」の意味をご存知でしょうか? 「キャピタルゲイン」は株式を売買して得た利益の事で、「キャピタルロス」とはその逆を意味します。「キャピタルゲイン」とは異なり、株式投資の配当や預金、債券などの利息や投資信託の収益分配金などの利益のことを「インカムゲイン」と呼びます。<図参照:国税庁HPより> 上記は、平成25年分の所得税及び復興特別所得税・個人消費税・贈与税の確定申告の状況及び確定申告に係る各種施策の実施状況を取りまとめた国税庁のデータです。このデータから「株式の譲渡所得」は、平成25年度は急増していることがわかります。
・株式等の譲渡所得の申告人員:109万8千人(前年比11.6%増) ・有所得人員(所得があった人):66万1千人(前年比189.1%増) ・所得金額:4兆8357億円(前年比238.0%増)
・「一般口座」と「特定口座」について
株式売却時の譲渡所得は、口座の種類によって確定申告が必要かどうかが決まります。・「一般口座」の場合
確定申告が必要です。ただし、給与所得の会社員で、給与以外の所得の合計が年間20万円以下の場合は不要です。
計算式は以下になります。
総収入金額(譲渡価額)-必要経費(取得費や委託手数料、借入金利子など)=譲渡所得
※一般口座の人の場合のみ、自分で譲渡所得を計算しなければなりません。 この譲渡所得に「所得税及び復興特別所得税(15.315%)」及び「住民税5%」の合計である20.315%(上場株式の場合)を掛けて税金額を算出します。・「特定口座」の場合
源泉徴収口座の方の場合は、確定申告が不要。ただし、それ以外の特定口座(簡易口座)の方は確定申告が必要。
・「源泉分離課税」と「申告分離課税」と「総合課税」について
株に関する税金の計算方法についてご紹介する前に、株にまつわる覚えておきたい専門用語についてご紹介します。所得税の課税方法は、大分類すると3種類に分けられます。1)「源泉分離課税」とは?
「源泉分離課税」は、所得を受け取る際に他の所得に関係なく、一定の税率で税金があらかじめ天引き(源泉徴収)される納税制度です。(例)銀行預金の利子にかかる税金。
・計算方法)→ 所得税15%+復興特別所得税0.315%+地方税5%=計20.315%
2)「申告分離課税」とは?
「申告分離課税」(株式を譲渡したときに株式譲渡益課税)は、確定申告によって他の所得と合計せず、分離して税金を計算する制度です。(例)先物取引の売買益にかかる税金。退職金にかかる税金など。
3)「総合課税」とは?
「総合課税」は、確定申告によって他の所得と合計して税額を計算する制度です。合算して総合課税を受ける所得には、以下の所得があります。・給与所得 ・雑所得の一部(公的年金、個人年金、原稿料、講演料など) ・一時所得の一部(生命保険の一時金、懸賞の当選金など) ・譲渡所得の一部(ゴルフ会員権や金地金などの売却益) ・事業所得(商・工・農・漁業や自由業などの自営業による所得) ・不動産所得(土地・建物などの貸付けから得られる所得)
「総合課税」は、上記所得を合計し「医療費控除」や「生命保険控除」など各種控除を差し引き、課税所得金額に応じた税率を掛けて計算し納税します。
※サラリーマンの場合、給与所得以外に所得がなく「医療費控除」などの追加で申告すべき控除がない方は、年末調整で納税が済みます。
■3)株の譲渡所得を申告すべき該当者はこちら!
平成26年分の株の譲渡所得の申告をまとめると以下の項目に該当する方は確定申告を行う必要があります。1)平成26年中に特定口座(源泉徴収口座)以外で株式等を譲渡(売却)し、所得(利益)を得た方。 2)特定口座(源泉徴収口座)の譲渡損失を、他の株式の譲渡益から差し引く方。 3)平成26年分の上場株式に係る譲渡損失の金額を、上場株式に係る配当所得の金額から差し引く方。 4)平成23年分〜平成25年分の上場株式に係る譲渡損失の金額を、平成26年分の株式に係る譲渡所得の金額や、上場株式に係る配当所得の金額から差し引く方。 5)平成24年分〜平成26年分の上場株式に係る譲渡損失の金額を、平成27年以後に繰り越す方。 6)その他株式に係る譲渡所得の各種特例の適用を受ける方。
■4)株に関する税金の記入方法はこちら!
譲渡所得の申告は「申告書B第一表、第二表」と「申告書第三表(分離課税用)」の申告書用紙で行います。譲渡所得等の金額の計算は「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」で行います。事業所得や不動産所得などの「総合課税の所得金額」や「所得から差し引かれる金額」などを計算される場合には「所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」(確定申告書B)を活用ください。 ▶平成26年分株式等の譲渡所得等の申告のしかた (記載例:国税庁HPより)■まとめ
株に配当金に関する確定申告をする際の確認点として、所得税と住民税の所得割、国民健康保険に加入している人は国民健康保険料の所得割額、損益通算できる上場株式等の譲渡損失額なども合わせて判断すると良いでしょう。「経営ハッカー」ではこれまでにも株に関する記事を書いてきましたので、下記も合わせて御覧ください! ・「【平成26年】株で損した場合の確定申告|かしこく節税する方法まとめ」 ・「株式投資の確定申告|動画サイトから学ぶ10選」 ・「確定申告基礎知識|株の配当金を確定申告する方法まとめ」 ・「確定申告に見るアベノミクス|国税庁のデータからアベノミクスと株式等の譲渡所得の関係を追う!」