年末調整の時期到来!あなたは○万円得をする?絶対に確認しておきたい3つのこと
そもそも年末調整って何?なんで年末調整しなきゃいけないの?
こんにちは、freeeの経営ハッカー編集部です。
最近、会社から年末調整の書類を渡されている方も多いと思います。 しかし、この紙に記載することで自分にどんなメリットがあるか理解して記載している人はそう多くありません。 特に新入社員の方は会社側から何も指示されずに書かされている場合が多いのではないでしょうか。 年末調整は一言で言うと、「年末に、その年の12ヶ月間に毎月納めた税金の合計と、年収から納めるべき税金を比較し、差異があった場合、還付や徴収などでうまく調整すること」です。
少し具体的に説明していきましょう。
お金を稼いでる人は1年間に儲かったお金を計算して税金(所得税)を申告する必要があります。 しかし、
- 全ての人が一斉に申告を行うと税務署の手が回らなくなってしまう上、納税者へも申告手続きの負担がかかります。
- 一年に一回しか納税をしないとなると、国も公共サービスを行うための財源不足に陥ってしまうかもしれません。
これらの問題を解決するため、働く人の 8 割を占める給与所得者(サラリーマンや公務員)に関しては、会社が毎月給与の支払額から所得税を差し引いて国へ納付する事になっています(いわゆる、源泉徴収制度)。
ただし、この月の税額計算はざっくりと計算しているため、年税額と差分が発生します。 この差分を12月の最後の給与(または賞与)の支払時に精算する事を「年末調整」と言います。 多く払いすぎていた場合、申請すると、12月の所得税や住民税を軽くすることができます。12月中に調整するために、年末調整の書類を申請するピークは11月末なんです。
なんとなくわかってきたでしょうか?
この説明で「はぁ?ようわからん」と思った方や、もっと詳しく知りたい方はこちらから [sc:ads-freee-yearend-footer ]
「損せずに得するため」に確認しておきたい3つのこと
さてさてここからが本題です。
■その1)年末調整の金額の決定方法について知る
意外と知られていないのでまとめてみました。
年末調整の金額は大まかに以下のように決まります。ポイントは、各種控除をしっかりと行うことで、年末調整でお得になる可能性が高いということです。
- 年末調整額={(給与総額)ー(各種控除)×税率}ー(源泉徴収した金額)
例えば、源泉徴収額が 30 万円で、実際にかかる税金が、 25 万円 だった場合、5万円の還付金がもらえます。 *つまり、「給与総額」は少なく、「各種控除」と「源泉徴収した金額」は大きい方が年末調整の結果、従業員に還付する事になる金額は大きくなります。しかし、「給与総額」と「源泉徴収した金額」の金額は変更する事ができません。 年末調整をお得にするには、各種控除を理解し、漏れ無く申請を行う必要があります。しかも、各種控除を漏れ無く申請をすることは、所得税(年末調整)だけに留まらず、住民税の課税所得を減らす事にもつながります。
■その2)控除の種類を知る
年末調整の対象となる控除は13種類あります。 控除条件も記載したので、全部チェックしておきましょう!
1.給与所得控除
- 条件:給与所得者であること
- 控除額:給与に応じて変化。最低でも 65万円
- 計算方法はこちら:給与所得控除
2.配偶者控除
- 条件:配偶者の所得額が年38万未満であること
- 控除額:38万円 もしくは 48万円
- 詳細はこちら:配偶者控除
3.扶養控除
- 条件:所得税法上の扶養者(子供とか)がいること
- 控除額:38 〜 58万円
- 詳細はこちら:扶養控除
4.基礎控除
- 条件:なし(全員受けられる)
- 控除額:38万円
- 詳細はこちら:基礎控除
5.障害者控除
- 条件:納税者または配偶者、扶養者が障害者であること
- 控除額:27万円〜
- 詳細はこちら:障害者控除
6.寡婦(寡夫)控除
- 条件:納税者が寡婦(寡夫)であること
- 控除額:27万円〜
- 詳細はこちら:寡婦(寡夫)控除
7.勤労学生控除
- 条件:納税者が勤労学生であること
- 控除額:27万円
- 詳細はこちら:勤労学生控除
8.配偶者特別控除
- 条件:配偶者の所得額が年38万より多く76万未満であること
- 控除額:3~38万円
- 詳細はこちら:配偶者特別控除
9.社会保険料控除
- 条件:社会保険料を支払っていること
- 控除額:詳しくは、下記参照
- 詳細はこちら:社会保険料控除
10.小規模企業共済等掛金控除
- 条件:確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者の掛金等を支払っていること
- 控除額:詳しくは、下記参照
- 詳細はこちら:小規模企業共済等掛金控除
11.生命保険料控除
- 条件:生命保険料を支払っていること
- 控除額:詳しくは、下記参照
- 詳細はこちら:生命保険料控除
12.地震保険料控除
- 条件:地震保険料を支払っていること
- 控除額:最高5万円
- 詳細はこちら:地震保険料控除
13.住宅借入金等特別控除
- 条件:住宅用ローンを支払っていること
- 控除額:詳しくは、下記参照
- 詳細はこちら:住宅借入金等特別控除
※医療費控除は年末調整対象外 所得税では多額の医療費を支払った場合には医療費控除を受ける事が出来ますが、年末調整では申請する事ができないため、確定申告を行う必要があります。 詳しくはこちら
■その3)手続き方法について知る
年末調整に必要な書類は2枚あり、たいていは勤務している会社から渡されます。
会社によっては昨年に記入した申告書を確認するため、3枚の書類が渡されることもあります。 年末調整に必要な2枚の書類は、以下の通りです。
・「平成〇〇年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」 ・「平成〇〇年分 給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」
上記の2枚の書類以外にも、控除の対象を証明するための書類を提出する必要があります。年末調整で、所得税の控除を受けるために提出できる書類は、以下の通りです。
・生命保険料控除を証明する保険会社から送付されるハガキ ・損害保険料控除を証明する保険会社から送付されるハガキ ・個人型の確定拠出年金の掛け金を証明する書類 ・国民年金や国民健康保険などの社会保険料を証明する書類 ・配偶者特別控除に必要な配偶者の収入証明(源泉徴収票など) ・住宅ローン控除に必要な書類(住宅借入金等特別控除証明書、申告書、借入金の年末残高等証明書) ・医療費控除に必要な医療費や交通費などを証明する領収証
各種書き方についてはこちらを参照してください。
最後に
年末調整は年に一度しかないことなのでなかなか仕組みを忘れてしまいがちです。 しかし、ちょっとした作業で何万円も得をする可能性があるので、ぜひ年末調整の際はこの記事に書いてある必要最低限のことは思い出すとよいと思います。
他にも、年末調整について疑問がある方は、こちらをご覧ください。